常井健一のレビュー一覧
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選挙ライターの畠山理仁さんがとにかく面白い!ってたびたび言ってたのでついに購入。結果その通りですごい面白かった笑
中村喜四郎自体がすごいのはもちろんだけど、親族や友人知人総出で手伝う選挙活動の描写がほんと凄くて。こんな風に自分の周りで熱心に声かけてきてくれる政治家おったらそりゃ好きになっちゃうわ、と思いました。そして息子の中村はやとさんのXを即フォローしました、面白い投稿で選挙区民じゃないけど応援しております笑
好きな部分は喜四郎さんの常人と思えないエピソードの数々。真冬で手の感覚がなくなってもすぐに握手できるようにバイクで手袋つけないとか、逮捕された後も検察にマジで一言も喋らないで無言を -
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【誰にも聞かれていない場所で演説を続けられるようになって、ようやく一人前なんですよ】(文中より引用)
「選挙の鬼」として落選知らずに14戦無敗を重ねてきた中村喜四郎。ゼネコン汚職で塀の向こう側に落ちる経験を持ちながら、なぜ有権者は彼に一票を投じ続けるのか。一人の荒武者を通して政治や選挙の意義を問い直したノンフィクションです。著者は、『小泉純一郎独白』などで知られるライターの常井健一。
中村氏の懐に潜り込んだ時点で面白くなることを運命づけられたのではないかと思えるほどに充実の一冊。各書評などから高評価が漏れ伝わってきていたのですが、まさかここまで興味深く、そして読ませる内容だったとは。戦国モ -
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【飄々とした博打打ち】郵政民営化等の政策を果断に実施に移し,近年は原発に反対する姿勢を見せている小泉純一郎元首相へのインタビューを収めた作品。著者は,オーストラリア国立大学客員研究員を務め,現在はフリーライターとして活動する常井健一。
小泉純一郎という人物の背骨が那辺にあるかを知る上で大変に貴重な作品。首相在任時の政策への評価には毀誉褒貶が付きまといますが,いったいどういう考え方を持って首相を務めていたかを捉える上でとても勉強になりました。
〜オレは現実を直視しないことに憤りを感じているんだ。現実を直視すること,それが政治では一番大事なんだ〜
郵政解散の際の演説前のエピソードには驚かされ -
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8期連続無投票当選など、「無風王国」のもと首長のワンマン行政が続く小さな自治体。2015年の統一地方選では、町村長選挙のうち、全体の約43%が無投票、現職の再選率については、84.2%という実態がある。しかし、一方で、周囲からは「変人」扱いされながら、変わらない過疎の集落に捨て身になって風穴を広げようとするチャレンジャーも現れている。
著者はそんな「変人」を追って、マイナーな地方選の現場に足を運び、各地の選挙事情はもとより、そこにある政治の裏表、そこに映る人間の本性を取材した。そして、いわば選挙の民俗学、首長の文化人類学というような切り口から本書をまとめあげた。
選挙のために汗をかいた親戚の多 -
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政治改革、という言葉が政界の渦のなかの中心だった頃、「中村喜四郎」を知りました。
満場一致で逮捕許諾請求が可決され、週刊誌には性的趣味をあざ笑うかのような写真が掲載されました。
古い政治のやり方から決別するために必要だったかのように、逮捕され、普通なら政治の世界に留まることなどできないような流れがありました。
でも、中村さんは選挙のたびに勝ち続け、選挙速報のたびに、「あれ?まだ議員なんだ、へぇ」と思うばかりでした。
本当は、一人ひとりとつながって、一人ひとりから応援され続けてきた記録がそこにあったことを、この本を読むまで知りませんでした。
中村さんを応援する方、そして、その中心で、自分 -
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とにかく面白い。自民党という組織の内情を知れるだけではなく、日本の政治史を極めて特殊な視点から俯瞰できる点が。
本書は1976年の初当選から、14期連続で選挙に勝ち続けている茨城県選出の議員である中村喜四郎の評伝である。自民党の若きホープとして若くして建設大臣に任命されるが、自民党の派閥争いの中でゼネコン汚職に巻き込まれ逮捕。しかしながら、完全黙秘を貫き検察を慌てさせ、有罪が確定して”ムショ帰り”となった後も選挙を勝ち続けて今に至る。
何が彼をそうさせるのか、14期連続という”選挙の鬼”の当選の秘訣とは何か、それらが本書では十分に語られている。政治になんて興味がなくても、一人の人間の生きざ