【あらすじ】
母の死を機に、〝戦友〟堺田町蔵と訣別した長谷川鉄男。彼がひとりで描き上げたマンガ作品は連載を獲得、瞬く間に圧倒的な人気を得る。その一方で町蔵は、自身が多くの人々に支えられていたことに気づき、あくまでも自分のペースでマンガを描き始めていた。別々の道をそれぞれのやり方で歩み始めたふたり――
...続きを読む―彼らの行き着く先は?マンガとはなにか…その原点を見つめる全マンガ読者必読のコミック最終巻!!
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高校生2人がマンガを描くために奮闘する話…と聞くと、少年ジャンプで連載していた『バクマン。』が有名かと思います。当然、双方を比較した感想も多いですが、私はあまり両作品を比べたくはないなと思いました。『バクマン。』は、漫画家や編集の仕事そのものや人間関係、いわば外側を綿密に描いた傑作だと思いますし、この作品は、漫画家という〝創り手〟の内面を描いた傑作…つまり、土俵が違うと思ったからです。ただ、わずか3冊でこの濃密さはすごい。読み終わったとき、思わず「はぁ〜っ」とため息が出てしまいました。
漫画も小説も芸術作品も、創り手が心から「伝えたい」という意志を持つことで、初めて作品になりうるんだなと思いました。その意思というエネルギーが正なのか負なのかは関係なく。自分の意志に集中することで、日々はもっと刺激的なものになる。だから、自分の些細な感覚にも手を抜かないで向き合って、できればそれを文章か何かの形にしていければいいなと思いました。