鈴木邦男のレビュー一覧
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「朝まで生テレビ」などにも出演していた独特の雰囲気の論客で右派活動家の鈴木邦男氏の気骨ある文章が詰まった遺言とも言える一冊。
晩年は左右を超えるふしぎな立ち位置となった氏の思想に触れるには絶好の書とも言えましょう。
本書を読んで思ったのは、鈴木氏は「気骨ある人」に対しては左右の思想を問わず尊敬の念を抱くことができる懐の深さを持ち合わせた人だと言うことだ。氏のことを面と向かって罵倒する無頼漢に対しても「骨がある人だ」と称賛を惜しまず、格の違いを感じる。第一、本書自体左派メディアに寄稿された原稿であり、いわゆる右翼と呼ばれていた鈴木氏がいかに柔軟な考え方を持っていたかをうかがい知ることができる。ゴ -
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2023年、つい一年前に逝去した鈴木邦夫氏が残したコラム集。
残念ながら生前の活躍はあまり把握しておらず、
せいぜい右翼から左翼に転向したとか、彼こそ本当の右翼だ、
程度しか聞いたことがなかった。
彼の文章を読んでまず感じたのは、何とも愛すべき人物であった、
ということ。「右翼」のイメージからか、こわもてを想像していた。
そして、こちらは本質だが、いまの「右翼」が、いかにえせ右翼か、
真に日本を愛する、ということはどういうことか、彼の文章からその本質を
読み取ることができた。
そもそも右左の定義もあいまい。
自称右翼、自称愛国者もそのあたりは分かっていないのだろう。
馬鹿の一つ覚えのように、日 -
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右翼活動家として愛国運動に身を投じて50年以上。そんな著者が
「愛国心に気をつけろ」と言う。これは読むしかないでしょう。
驚いたわ。著者に対してさえ「鈴木は転向した」だの、「売国奴」だの、
「非国民」だのとの言葉が投げかけられているなんて。
右翼活動家であり、改憲論者でもある著者だが、自民党が発表した
改憲草案には警鐘を鳴らし、「自由のない自主憲法」よりも「自由の
ある押し付け憲法」でいいのではないかと書いている。
「<愛国心>は人間として自然で、当然の感情であるはずなのに、
為政者などに利用され、エスカレートする危険性がある。外国への
憎しみを煽って、外国人を排除し、 -
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この人の本は3冊目。
過激な右翼活動を続けてきた著者が「愛国心」を批判。
歴史の資料や、三島由紀夫の著作を丹念に読みそれらをもとに「愛国心って結局何?」ということをたどっていく。
なんだか、新書というだけあって、他の氏の著作よりも難しかった。
日本の愛国心なんていう概念は、藩が国だった江戸時代から、明治に移行する際に欧米に負けない為に天皇を中心として作られた概念だそうで。
「優しさ」「謙虚」「寛容」が日本人の良さであり、美徳であったのに、それが押し付けがましい「愛国者」により踏みにじられているという。
この日本という国とどう向き合うか・・・一人一人それを考えていきたいものだ -
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新・右翼の旗手だった鈴木邦男が、左翼の大物だった竹中労について書いてるところがミソ。
鈴木邦男がいかに竹中労の影響を受けたか、かわいがってもらっていたか、そして、鈴木の先輩格である野村秋介と竹中労との友情について繰り返し言及します。
ここで僕が思い出したのは、山田ズーニーさんの「あなたの話しはなぜ通じないか」の一節
【「意見」を共有するのは難しくても、「問い」なら共有でき、信頼感も増す】
でした。
まさに「思想」は共有できなくても現状に対する、あるいは将来に対する「問題意識」は共有できる、それを共有できるから、信頼しあえる。逆に「思想」が同じでも必ずしも信頼しあえるものではない、ということ -
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風土や文化、そこに暮らす人間を愛することが愛国心なのだろう。
日本の中にいる事が自明である人間は外からの思考を停止する。
何故多民族を尊重できない?恐いから嫌悪して排除するのだろう。
国家が人民を大切にするとは限らない。国家の誤りを抑制するために憲法がある。国民を縛るためではない。
理想主義の平和憲法は努力目標であり、押し付けであっても戦争から生き延びた国民に歓迎された。
それなら国民を守るためにアメリカと対等に対峙して独立するべきだ。
安全保障は戦力だけでなく、経済関係、外交、人民交流によってなされる。
鈴木邦男の評価は彼の開かれた姿勢にある。 -
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新右翼として活動してきた著者が最近の「愛国」感にもの申す。そして、今の改憲に向かおうとする輩に釘をさす。
自分もたぶん、改憲にまったく反対するわけではない。だけど、この浅薄な勢いのなかや安倍くんによってなし崩し的に進められることが嫌だし、危惧を覚えている。先日読んだ同じ著者の本はあまり響くところがなかったけど、この本はうなずけるところが多々あった。それにしても、こうして考えてしまうことの弱さもまた感じるところ。いっそ、何の考えもなく「憲法変えろ!」とか「日本人なんだから日本が好きで当たり前」って信じられれば、どれほど行動しやすいことか。
でも、人間は考える葦だもの。そうなってはやっぱりいけない