竹中労

鈴木邦男

この国を真剣に問わなければならない今、右翼も左翼もない。イデオロギーを超えて闘ったアナーキスト・竹中労の言動を現代に響かせる体験的評伝。没後20年を経て再生する無頼の闘争。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: ノンフィクション / ノンフィクション・ドキュメンタリー
• 出版社: 河出書房新社
• 掲載誌・レーベル: 河出ブックス
• ページ数: 232ページ
• 電子版発売日: 2019年01月19日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 2MB

[ブクログ · ★★★★★]

新・右翼の旗手だった鈴木邦男が、左翼の大物だった竹中労について書いてるところがミソ。
鈴木邦男がいかに竹中労の影響を受けたか、かわいがってもらっていたか、そして、鈴木の先輩格である野村秋介と竹中労との友情について繰り返し言及します。

ここで僕が思い出したのは、山田ズーニーさんの「あなたの話しはなぜ通じないか」の一節
【「意見」を共有するのは難しくても、「問い」なら共有でき、信頼感も増す】
でした。

まさに「思想」は共有できなくても現状に対する、あるいは将来に対する「問題意識」は共有できる、それを共有できるから、信頼しあえる。逆に「思想」が同じでも必ずしも信頼しあえるものではない、ということが、この本の根底には一貫して流れています。

[ブクログ · ★★★★☆]

「人は弱いから群れるのではなく、群れるから弱くなるのだ」元は寺山修司らしいが、労さんが言うと更に凄みがます。こんなふうに生きたいもんだ