佐々木徹のレビュー一覧

  • 大いなる遺産 上

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    現代でも色褪せない名作が、新たな訳で読みやすく。小説の醍醐味である時代も違う壮大な別の人生のストーリーを楽しめます。

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    2025年08月12日
  • 荒涼館 四

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    登場人物1人づつのエピソードが濃厚で読み応えがあります。人物の数が多く話も複雑なので一気読みをお勧めします。

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    2025年03月07日
  • 英国古典推理小説集

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    「古典というと干からびたという印象があるかもしれないが、推理小説の場合は人間味が濃く現れています。」(まえがきから意訳)
    私は現代文学が苦手で「古典」のほうが好きなんですよね。読みつがれた良いものしか残っていないってものあるのでしょうけれど。まだ小説技工が確立されていない頃に書かれた小説は、単純に「面白い」ということや書くことへの情熱や、整いすぎない分純粋に楽しめるんですよ。

    【チャールズ・ディケンズ『バーナビー・ラッジ』へのポーによる書評】
    22年前の3月19日。お屋敷のヘアデイル氏が殺され、金がなくなっていた。庭の池から執事の死体も挙がり、容疑者は行方不明の庭師となった。ヘアデイル氏が死

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    2024年12月07日
  • 英国古典推理小説集

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    英国推理小説の黎明期から黄金時代までの作品を収録。
    推理小説として洗練されてゆく過程も分かる。
    『バーナード・ラッジ』第一章より チャールズ・ディケンズ
      (付)エドガー・アラン・ポーによる書評
      推理小説的なの部分を、連載序盤にポーが書評で謎解き。
      次いで、完成後の作品についての手厳しい書評。
    「有罪か無罪か」ウォーターズ
          追跡している男は犯人か、それとも無実なのか?
    「七番の謎」ヘンリー・ウッド夫人
       密室の家で起こった殺人。真実へ導く糸は悲しい結末へ。
    「誰がゼビディーを殺したか」ウィルキー・コリンズ
       殺人事件の決め手はナイフだ。だが彼は逡巡の末に・・・。

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    2023年06月01日
  • 英国古典推理小説集

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    とても良い。「推理小説」とは何かを考えさせるもの。訳者は推理小説が「犯罪を探偵が推理を働かせて解決する物語」としているが、ポーの評論では読者は謎解きされるとかえって「失望する」と見抜いている。これは推理小説の定義を探偵対犯人、探偵対謎とする前に、小説が作者対読者であると考えるかどうかにかかっている。

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    2023年05月18日
  • 大いなる遺産 下

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    下巻は一気読み。古典で一気に読めるなんて!ディケンズすごい!
    なんていうかもう小説全体が英国流のシニカルな笑いに満ちている。
    ヒップの本当の恩人が誰であるか分かったときもそう。自分が裏切ってきたと思っていた故郷の恩人に胸の内を打ち明け、新たなスタートを切ろうとしたときに、相手から幸せの仕返しを受けたときもそう。
    一番好きなキャラクターはウェミック。シティ(ロンドンの仕事場)にいる時はカリスマ弁護士ジャガーズの有能な秘書として自分を出さずに淡々と仕事をこなしているのに、ウォルワースの城(郊外の自宅)へ帰ると全然違う。城の前に跳ね橋を付けたり、毎日決まった時間に大砲を打ち鳴らしたり、居間のドアに楽

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    2023年04月09日
  • 大いなる遺産 上

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    うーん、何から書こうかなあ。
    面白いよ。
    この本を読もうと思ったのは実はちょっと前に読んだカルロス・ルイス・サフォンの「天使のゲーム」がいまいち良く分からなくて、「天使のゲーム」の中の主人公が子供の頃から大事にしていたこの「大いなる遺産」に鍵があるのではないかと思ったから。なるほどねえ。鍵かどうか分からないけれど、河の下流の沼地近くの最底辺の生活、お屋敷の中の時間が止まったような老婆…。似ているモチーフはある。
    主人公ヒップはテムズ川の河口の沼地に近い所で、姉とその夫ジョーと暮らしていた。両親は亡くなり、癇癪持ちの姉に虐待されながら育っていた。回りの大人にも馬鹿にされ、いつも嫌な思いをしていた

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    2023年04月07日
  • 荒涼館 一

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    やっと読んだ
     3巻まで岩波文庫で読んだ。読みづらさを感じて4巻はちくま文庫で。

     岩波文庫はわりあひ正確な訳で、挿絵も登場人物表も地図もあって至れり尽くせり。しかし、訳文が堅苦しくてこなれてゐない印象。
     ちくま文庫の方は訳は古いが、文体が生き生きして、岩波文庫より読みやすい。
     個人的にはちくま文庫の方がいいです。岩波で解らない箇所はちくま、ちくまで解らない箇所は岩波といふ風に交互に読むとより理解できた。

     それにしても克明な描写とそれに紛れた数々の伏線には感嘆した。
     小谷野敦と大江健三郎と筒井康隆がディケンズの最高傑作だとほめてゐた。恐しく長大な社会派エンターテイメントで、一瞬純文

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    2022年09月17日
  • 大いなる遺産 下

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    これまた良い出会いをした。

    田舎に暮らす貧しい少年が、
    謎の人物から遺産を継ぐことになり、
    そこから大きく揺れ動く人生を描いた作品。

    物語として、本当によく出来ている。

    徐々に新たな真実が明るみになり、引き込まれていく展開設定、
    絶望と希望の良い塩梅、入念な人間観察に基づいているであろう愛すべき個性的な登場人物たち、然るタイミングで然る展開が来る嬉しさ。

    ピップ(と私たち)はいずれ帰るべきところに帰っていく、汚された気持ちは浄化されていく。

    気づかなかった愛に気づき、
    許せなかった人を許していく。

    それが人生なんだと思って、
    涙腺がどんどんゆるくなっていく。

    赦し、信仰、恋愛、友

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    2022年07月31日
  • 大いなる遺産 上

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    ピップは、貧しくとも平凡な生活を送っていたが、エステラにふさわしい紳士になりたいと願うあまり、仲良しの優しい鍛冶屋のジョーを下品で嫌になるのが悲しい。ピップは成人後の遺産権利を得て、ロンドンへ移住。飽きない展開。心に残る名作。

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    2021年12月22日
  • 完全解説 ウルトラマン不滅の10大決戦

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    面白い視点で選んだ面白い順位だった。
    タダが一位っていうのは、どうも納得出来ないけど何度も見たくなる戦いと言えばそうなのかも。
    今はYouTubeで何度でも見れるしね。
    タダは2回変身シーンが有るのが昔からお得な気がしてた。シーボーズはウルトラマンのアクションが外人みたいと子供心に思ったものだ。(困ったポーズね。)ギャンゴ、ケロニア?ふーん。
    ゼットンもゴモラも入ってたから良しとしましょう。
    バルタン星人が入ってないのが唯一の不満。(2回目登場、テレポーテーションがある回)
    名作はいつまでも語れます。

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    2021年12月08日
  • 大いなる遺産 下

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    すごい展開の数々。ご都合主義のような側面もあるけれども、どんなあり得ない展開(実際、読んでいてどのような分岐もとりうると思った。)が来ても納得させられるような説得力をディケンズは持っている。ディケンズの丁寧で正確な描写だからこそ成せるわざなのだと思った。ミステリーの部分では、その点と点が勢いよく線で繋がっていく様は、競馬で例えるなら、さながら大外から一気に抜き去る追い込みのようだった。ミステリーあり、サスペンスあり、ユーモアありと、色々なものが詰まっていて、ほんと剛腕といった感じだ。プロットが非常に複雑で、よくもまあこんな代物を週刊連載で書き上げたものだと感心した。人生の期待や諦観、愛、悔恨が

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    2021年02月27日
  • 大いなる遺産 上

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    田舎の孤児ピップ少年が大富豪に見い出される物語。

    話の大筋がしっかりしているうえに、サイドストーリーも丁寧に書かれていた。出来事のつなぎ方が自然で、巧妙で、しかも次々と起きるので読者を飽きさせない。さすが文豪というか、上品な文章だった。『高慢と偏見』を読んだときも上品な文章だと思ったが、古典の名作って別に凝った文体でもないのに、人物・風景・感情描写(要するに全部。笑)がしっかりしていて、その3つのバランスがいいからそう感じるのかもしれない。

    大いなる遺産の前巻は子供時代の話が多めだった。なぜかわからないが、僕は子供時代というのが妙に好きで、色々な小説を読んでいても子供時代のパートを一番好き

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    2021年02月22日
  • 大いなる遺産 下

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    面白かった。遺産をもらえる相手がわかってから一気に面白くなる。

    3日たったけどまだ余韻に浸ってる感じ。

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    2013年08月30日
  • 大いなる遺産 下

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    読み終わると、胸がいっぱいになった。

    生きる活力、人生の寂しさ、人が人に与える幸福。
    ディケンズが描く人々は、どれもはちきれんばかりにぎっしりと重たく、それでいて軽妙で、ぐいぐいと読者を引っ張ってくれる。

    どのエピソードも素晴らしく、いちいち言っていてはキリがないが、私はやはり、主人公・ピップが寄せるエステラへの思いにもっとも打たれた。
    望みのない、ひたすらにみじめな恋。相手は自分をないがしろにし、自分は相手をどこまでも敬う。こう言うとまるで「マゾ?」と思われるかもしれないが、それは違う。この二人の抱えるもの、それは意思の不通なのである。大切なものの違い、自分の生き方に対する価値観の違い、

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    2012年05月31日
  • 大いなる遺産 下

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    ディケンズ晩年の代表作。
    新訳は、とても訳がこなれていて読みやすい。
    ちょうど150年前に書かれた小説なのに、読んでいて今日的な印象を受ける。訳のせいもあるのだろうが、描写がヴィヴィッドで、登場人物のキャラクターも生き生きとしている。19世紀の小説にありがちな、古色蒼然としたところがない。
    おそらく、産業革命で貧富の差が大きく拡大した当時のイギリスと、よく似た時代の変り目に我々が生きているからだろう。

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    2011年10月20日
  • 荒涼館 一

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    4冊長編の第一巻。

    慈善活動に熱心なあまり、家庭も育児も全く顧みない母親と、そんな母や慈善活動団体を恨む娘。

    相続すれば大金持ちになれるから、と定職につかず彼女との結婚ばかりを夢見る浅はかな青年。

    何度も借金を他人に肩代わりさせても全く反省しない陽気なおじさん。

    こういう人たちは昔から存在したし、時代が移り変わっても、普遍的だからこそ、ディケンズは面白いんだなと改めて納得。

    地図や挿絵がついてるのも面白く、段々街の風景や人物が浮かんでくる。

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    2025年11月30日
  • 60年目のスペシウム光線(小学館新書)

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    初代ウルトラマンをTVにかじりついて見ていた頃を思い出す。脚本には当時の世相・環境問題などが取り込まれていた。なるほど・・・いい大人が見返す価値はあるのか。
    子供のころはそんなことは感じることもなく、怪獣から地球を守るヒーローに頭が飽和していた。

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    2025年11月28日
  • 60年目のスペシウム光線(小学館新書)

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    マニア2人とウルトラマンのスーツアクターだった古谷敏による鼎談。
    ウルトラマン放送から60年、金城哲夫没後50年。それでも今になって明かされる新事実と新たな解釈。
    金城哲夫脚本の7作品を中心とした縦横無尽の楽しい鼎談。

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    2025年11月18日
  • 荒涼館 四

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    村上春樹の短篇集『東京奇譚集』の中の『偶然の旅人』の中に、この作品が印象的に登場する。ディケンズは『二都物語』しか読んだことがなく、何となく心に引っ掛かっていたので手に取った。(第一巻感想冒頭再録)

    文庫本分厚目で四冊。途中違う本も読んだので、2ヶ月掛けて読んだ。

    いろんな人が出てきて、行動の真意が後で分かったりするので、評価も途中で変わったが、読み終わってからいいひと順に並べるとこんな感じか

    男性: アラン・ウッドコート、ジョン・ジャーンダイス、ジョージ・ラウンスウェル、マシュー・バグネット、ロレンス・ボイソーン、プリンス・ダーヴィドロップ、コウヴィンシズ、だいぶ空いて タルキングホー

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    2025年10月25日