菊池寛のレビュー一覧

  • 真珠夫人

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    大正の時代でさえ、成金の人身売買じみた結婚は非難の的になるのが意外だった。

    戯曲を思わせる転調。瑠璃子も直也も勝平も…みんなみんなちょっとした出来心で起こした行動すべてが報いとなってしまう。

    結構ボリュームあるのに退屈せず読み進められる。600ページ近くあるのに4日程度で読み終えるほど読む手が止まらなかった。普段なら2週間〜1ヶ月近くかけて読む量くらいなのに。
    新聞での連載だった性質のお陰か、次のお話に移る前に1〜2行程度で前回のあらすじのような文があって、それがとにかくガンガン読み進めるための助けになった。振り返らず進めてしまうスタイルが良い。



    なんとたわしコロッケは出てこない

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    2026年10月08日
  • 真珠夫人

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    これが「娯楽」だ!!
    圧倒的に楽しい。
    面白くないところ、退屈するところがない。
    なぜこんな本が生まれたのか。
    おそらく「新聞小説」であることが関係しているのではないか。
    当然「新聞小説」はすぐに続きが読めないものだ。
    同じ新聞を購読している人と話すと「今回の小説は面白くないから読むのをやめた」という話をよく聞く。
    そうなのだ。
    単行本なら多少面白くない場面が続いても、我慢して読み進めればいい。
    しかし、新聞小説はその「我慢して読み進める」ことができないのだ。
    面白い場面が来るまで何日も待たなければいけないのだ。
    しかし、この「真珠夫人」は毎日、読者を飽きさせないような展開が待っている。
    その結果、単行本で一気に通読すると、胸やけがするほど面白い場面の連続である。
    だが、それがいい。

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    2026年07月05日
  • 貞操問答

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    ネタバレ

    まさに昼ドラ。
    主人公を取り巻く人物全てにイライラする。特に姉と妹はものすごい腹が立つのに最後妹のおかげでスカッとするオチが待っているという。
    日本が破滅に向かっていく1933〜1934年頃の連載であるが、古さを感じずにのめり込める作品であった。
    2005年のドラマ、少し気になる。

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    2026年05月13日
  • 真珠夫人

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    『真珠夫人』



    憧れの おびのり姐さん♥ に
    お薦めしていただいた一冊です
    姐さん ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝ありがとうございます♪




    3月から月に一冊文豪たちの小説を読む…
    という【月イチ文豪生活】を始めました
    初回の作品は 菊池寛氏 「真珠夫人」 ♥




    いやぁ……びっくりしました(*´艸`)
    「昭和の昼メロっぽいから楽しんでー」
    姐さんはサラッと云うんです




    結構 分厚い その小説を読み始めました





    六月の初め、信一郎は妻 静子の待つ 湯河原へと向かうため列車に乗っていた。湯河原まであと列車で3時間程だが車だと1時間程で着くこともあって信一郎は相乗りをして車で行くことに…。青木君という青年と相乗りをするのだが途中 車は事故に遭い青木君は命を落としてしまう。死ぬ間際、青木君は信一郎に瑠璃子という女性に時計を返して欲しいと頼むのであった。


    …と いう感じで始まるのですが



    あぁ…それにしてもの うっかりミス
    すいません 姐さん( ・᷄ὢ・᷅ )



    今回、姐さんに薦められて嬉しくって…でも
    私の感想をきちんと伝えなければ…そしてそれは自分の言葉でと思い、姐さんのレビューはあえて読まずに挑んだ結果がこれです。


    はい!間違えてしまいました。
    私は主人公は信一郎と思い込んでいました。
    なんか変! …で、すぐに姐さんのレビュー確認って。自分が情けない。まるで 鶴の恩返しの旦那みたいなことをしてしまいました ( ¯꒳¯̥̥ )



    そう…主人公は瑠璃子ちゃん♡
    はい スッキリ♪

    注:レビューは おびのりさんのを参考にしてください
    私では稚拙すぎてダメです!
    興奮は伝わると思うのですが フフフ(´^∀^`)フフフ…



    波乱万丈な展開ではじまるこの小説。
    「昼メロ♡」上等!!!
    菊池寛さんの描く文章に 天晴!!!
    不思議と その時代その時にタイムスリップです。
    大正九年に描かれただなんて思えない程です。言い回しだったりは読み辛い部分もありますが そんなの気にならないんです。とても上質な文章。
    殺人があったり、初恋の人を思う気持ちに泪まで流してしまうそんな とても贅沢な読書でした♡
    解説が川端康成っていうのも凄すぎるでしょ!



    読みおわれてホッ(*´∀`)-3としております!
    皆さん、ぜひ読んでみてください!
    『昼メロ』の世界に一緒に行きましょう⸜(*ˊᗜˋ*)⸝



    姐さん大丈夫でしょうか?大袈裟?
    こんなんで…ちょっぴり不安です( ᵒ̴̶̷᷄ д ᵒ̴̶̷᷅ )



    さて、姐さん 来月のお題お願いしまーす♥
    それでは、また来月!

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    2026年04月01日
  • 藤十郎の恋

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    役になりきる

    名優と言われる役者は役に没入するために体型 容貌 言動 そのすべてを役にあわせる と言われるが、作者菊池寛は、その典型例 極端な例を描きこんでいる。作品の最後の部分、女の死を振り切って舞台へ向かう主人公の振る舞いが役者としての「業」を象徴していて大変に印象深い。

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    2025年05月03日
  • 義民甚兵衛

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    祭り上げ

    福祉制度が整い心身障害者が比較的まともに生活できるようになったのは、ごく最近のことである。それまでは家族の重い負担になっていたはずである。この物語のような話もきっとあっただろうと、リアル感を持って描きだされている。民衆の間で「義民」と英雄扱いされた人々の中にも、このような例があったのではないかと想像される。

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    2025年03月02日
  • 乱世

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    なんとも残念

    幕末の最後の動乱期の悲しい話である。生死のあわいに立った人間の判断の困難さ 是非を比較的抑えたタッチで、しかしくっきりと描き出している。残念な結果になったことが、更に読者にとって印象深くしている。きっとフィクションなのであろうが、リアル感に満ちている。題名がイマイチな気がする。

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    2025年03月02日
  • 真珠夫人

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    通俗小説、もう昼ドラ。大正09年の連載と言うから100年以上前の昼ドラ。純文学の菊池寛の方がいい作品たなあとは思うものの、こっちは一気読みできる面白さがある。瑠璃子、ちゃんと読んでもどうしても好きになれない。これは人によって感想が違うのかなあ。

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    2025年03月01日
  • 船医の立場

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    些細なことが

    有名な吉田松陰の密航失敗事件を取り上げている。菊池寛の歴史モノには、定説通りのものと斬新な視点から描いたものの二種類があるが、この作品は後者の好例である。もしこの時、密航が成功していたら、松下村塾は開かれず、維新の英雄たちも随分と違ってきただろう と歴史ifを想像して面白い。

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    2025年02月02日
  • 身投げ救助業

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    人生の皮肉

    自殺者を助ける副業をしている女が自らも という大変に皮肉なめぐり合わせを描いている。語り口の中に抑えたユーモアが含まれているのがとても良い。短い作品ではあるが、私は作者菊池寛の数多くの作品の中でも名作と言えると思っている。

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    2025年02月02日
  • 俊寛

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    なにが幸せか?

    鬼界ヶ島に流された俊寛が流人が自分一人になったあとも、ロビンソンクルーソー的な生活をして家族も持って生き続けるとあっても不思議ではない物語である。終盤のはるばる訪ねてきた都人と、俊寛自身の感じ方の対比が実にくっきりとしていて印象的である。なにが幸せか?を考えさせられる名作である。

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    2025年02月02日
  • 極楽

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    迫真のリアル感

    阿弥陀経で説いてあるとおりの極楽へ行けた夫婦が、退屈しきってしまって...という話を、迫真のリアル感を以て描き出している。「隣の芝生は」の究極のたとえである。作者菊池寛は、このような冷徹な味方ができる作家だったんだな と認識を新たにした。

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    2025年02月02日
  • 屋上の狂人

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    人の幸せとは?

    知的障害を持った人の幸せとは?ということについて正面から描いた短編戯曲である。現在でも知的障害者は敬遠され気味であるが、ましてや菊池寛の時代では「狐憑き」と言われて爪弾きにあっていた。その時代にこのような作品を書いた菊池寛に敬意を表したい。

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    2025年02月02日
  • 蘭学事始

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    フルヘッヘンド

    フルヘッヘンドに象徴される、パイオニアの苦しみと喜び を小品の中に鮮やかに描き出している。中学校の国語の教科書に出てくるほど有名な「蘭学事始」であるが、流石に菊池寛は杉田玄白の前野良沢に対する複雑な感情を視点を変えて描いている。拙速か巧遅か 現在でも様々な決断につきまとう問題である。

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    2025年02月01日
  • 忠直卿行状記

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    古さを感じさせない率直さ

    生まれたときから忖度され続け、真の意味の自尊心 アイデンティティを見出すことができない青年藩主の悲劇を描き出している。朱子学的な忠義に縛られた家臣群が更にそれを助長してしまっている。現在の日本においても皇室関連の人々が、忠直卿と同じような心情を抱いてしまっているのではないか。100年以上も前の作品なのに、作者菊池寛の筆は近代人としての忠直卿の心情を古さを感じさせない率直さで描き出している。

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    2024年10月01日
  • 形

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    まず形から入る

    ハロー効果 というか 人は見た目が9割 というか、外見の持つ力 威力 そして怖さを十分に感じさせる作品である。昔 高校の国語の教科書に乗っていたので印象に残っている。最近の、反ルッキズムという運動 活動を考えると感慨ひとしおである。

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    2024年04月03日
  • 真珠夫人

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    芥川賞と直木賞の創設者であり、文藝春秋社の創始者である菊池寛の長篇小説。

    園遊会に招かれた華族に生まれた若い恋人達が、拝金主義の主催者の男と口論になり、お金こそ全てと信じて疑わないその男は、侮辱された恨みを晴らすため、女性の父が金策に窮することにつけ込んで罠に嵌めます。
    追い詰められた女性は、恋人と引き裂かれて、憎むべき男と愛の無い結婚を選ぶことに。体を許さぬうちに、その男も亡くなりますが、美貌の未亡人を世の男性たちが放っておくはずも無く、サロンと化した自宅に集う男たちを翻弄することが常態化していきます。そのような様子から、しだいに妖婦と言われるようになりますが、はたして彼女の本当の心の内は…。

    この小説は、新聞に連載されていたこともあり、それぞれの章が短くて読みやすかったです。しかし、短いが故に主人公と父が、拝金主義者に追い詰められていく過程の中で、若い恋人とのやり取りや葛藤などが、もう少し書かれていたらなとは思いました。とはいえ、小説全体からすると些細なことで、話しはとても面白かったです。

    この『真珠夫人』というタイトル、愛する人のために守るものを守った女性の真の強さをよく表していると思います。ただ、これが小説だから心情を解することができますが、リアルの世界では、彼女はかなり嫌われるでしょうね。通俗小説として割り切って読むことが肝要です。

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    2024年01月21日
  • 真珠夫人

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    長さを感じず、あっと言う間に読める。面白い。
    人間の表裏一体な感情が見事に描写されているように思う。特に女性の揺れ動く様々な感情が、さらけ出したくないのだが良くわかる。菊池寛、男なのに恐るべし。

    人の感情は常に揺れ動く。しかし信念、信条をもって覚悟を決めれば揺るぎない人になれる。瑠璃子しかり、信一郎しかり...

    この時代ならではの事情で、自分の思い通りにいかない結婚になった瑠璃子だが、揺るぎない覚悟は相当だったのではないか。自分の信念を貫くのか、人としてどうかという道徳。相反するときにとる行動は?

    人としてを選んでいる私。そして常に不満を抱いている私。

    瑠璃子は、芯があり、最高の美貌をもってしても、あのような生き方しか出来なかったのか…?時代のせいなのかも知れないが、初恋は拗らせたら駄目なのね。
    最後は報いを受けるが、一番解放された瞬間だったのだろう。胸が痛くなる。

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    2022年10月19日
  • 真珠夫人

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    「瑠璃子」さんにどんどん魅かれて、読むスピードも早くなってあっという間に読みきってしまった作品でした。本当に男性が書いたのかと思うような女性目線の作品です。時代設定もあるからか、男性と女性の価値観に関して、当時の社会や文化を知ることもできる。男性優位の社会のなかで、このような強い女性を描かれているので、時間が経っても色あせないので、今でも読まれている作品なんだと思いました。

    最後のほうの主人公が瀕死状態のときに現れた昔の恋人とのシーンが忘れられません。唯一本当の主人公の姿を知っている昔の恋人への最後の笑顔を塑像すると、彼との約束を守ったことを無言で伝えたのではないだろうかと思えてきました。

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    2022年09月18日
  • 真珠夫人

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    ストーリーの展開を含めて、ぐいぐいと惹きこまれていく。
    大正時代の小説、古臭い小説、との先入観を持つ必要は全くない。いや、大正時代だからこそ、新たな価値観の萌芽の時代だからこそ、男女の価値観において、このような興味深い小説が書けるのかもしれない。

    女性の生き方、フェミニズムをテーマにしているのだが、今でも色褪せないテーマであるし、考えさせられることも多々ある。

    ***
    「男性は女性を弄んでよいもの、女性は男性を弄んで悪いもの、そんな間違った男性本位の道徳に、私は一身を賭しても、反抗したいと思っていますの。今の世の中では、国家までもが、国家の法律までが、社会のいろいろな組織までが、そうした間違った考え方を、助けているのでございますもの。」

    「そうそう、ワイルドの警句に『結婚の適当なる基礎は双方の誤解なり』という皮肉な言葉がありますが、貴君の私に対する、結婚申し込みなんか、本当に貴君の誤解から出ているのです。」

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    2022年05月04日