菊池寛のレビュー一覧
-
購入済み
色々と考えさせられる
読み終わって思ったことは、これってAKB48じゃん!ってことです。AKB以外にも色々と置き換えて読むことができそうです。非常に短いけど色々考えて楽しめる読みものだと思います。
-
Posted by ブクログ
近代文学なのに、このストーリー。
ちょっと刺激的すぎるところが、ドラマ化した理由なのかしら~。
まさに、昼ドラの内容。
でもね~、この菊池寛の描写がきれい分かりやすいので
自分の身において考えられるのが嬉しかったのよね。
読んでて
「ああ、この気持ちよくわかる~」
って思うところがいっぱいあったのよ。
ストーリーの背景は、ずーっと前のことなのにね
何か通じるものがあるってことは
時代は移り変わっても人の心持ちは進化しないのかな~って思ったわ。
この小説の中に『処女』っていう言葉が何回も出てくるのよ。
今の世の中に、こんな清い言葉が小説の中に入ってるのが驚いた。
今の時代、簡単に『処女 -
Posted by ブクログ
瑠璃子の心の奥に秘められた思いの強さ、その苦しみからの行動、なんというか非常に切なかった。最初の可憐な瑠璃子が本当に愛していた人と引き裂かれて不本意な結婚を強いられてしまう。借金と名誉のために、ほぼ身売りのような形で。ただ、それは勝ち気な瑠璃子にとっての「負け」ではすまされなかったのだろう。負けてなるものか、見返してみせるっていう強い気持ちで戦いに立ち向かったのだと思う。彼女は「妖婦」となって、社会を敵に回してでも戦おうとしたのだ。
この時代設定からしても、こんな女性は当時実際に居なかったのではないだろうか。「男性が女性を弄んでも誰もとがめない、国も認めている。でも女性が男性を弄ぶことは許さ -
Posted by ブクログ
菊池寛文学忌、寛忌
菊池寛は新思潮派と呼ばれた「恩讐の彼方に」等の後、通俗小説とされる作品が人気となる
あの大傑作「真珠夫人」に続き「受難華」
女学校の仲良し三人組
もちろん良家の子女達
彼女達はお約束する
結婚して何年かしたら会ってお話ししましょうねと
彼女達はそれぞれ一回目の結婚(恋愛)が成就しないのです
そこからが、わくわくの昼ドラ的大正エンターテイメント!
一人は、渡仏する外交官の婚約者と秘密の結婚(本文より)をした後、フランスで病死
一人は、心惹かれた素敵な研究者に妻子が居た
一人は、素敵なイケメン男性と結婚後、愛人と隠し子を知る
もちろん結婚感に古さはありますが
当時の名家の -
購入済み
悲惨な死
底辺に蠢く人の悲惨な死に様を比較的抑えた筆で描き出している。プロレタリア文学というほどのことはないが、ちょっと社会派的に要素も持った作品である。最後の指輪のエピソードで作者菊池寛は、小説として味付けをうまく行っている。
-
購入済み
家族各々の気持ち
二十年前に家出をした父親の帰宅に対する家族各々の気持ちをメロドラマ風のタッチで描き出している。実際に父親を知っているかどうかで態度が変わる ということにしているが、実際のところどうなんだろうか?結末を描いていない所が良いのかもしれない。
-
購入済み
焦燥感があふれている
菊池寛のデビュー時の焦り 劣等感 嫉妬を私小説として実にリアルに描き出している。文筆家は劣等感に苛まされ、明日は書けなくなるのではないか という恐怖に怯えているらしいが、その「業」を赤裸々に描いている。気楽な一読者としては、なるほど文壇デビューというものはこのような手順をたどるのだな ということがわかって面白い。
-
購入済み
我が身に降り掛かってくると
世間から超然として理想論を述べているような人が、現実に問題が我が身に降り掛かってくると、まるで違った言動を取ってしまう ということがしばしばある。この作品はそのような事態を端的に描き出している。被害者の立場からも見なくてはいけない、というあたり前のことであるが。
-
購入済み
仇討ちの悲喜劇
いろいろな諸制度が整った江戸時代において異色のしきたり 制度がこの仇討ちである。儒教制度朱子学をベースにした政治のやり方が現実社会とマッチしていなところに、この仇討ちの悲喜劇があると思う。一生をこの制度によってすり潰された第二話が特に印象に残る。
-
購入済み
過渡期の悲劇
幕末から明治初年への過渡期の悲劇をしっかりとした筆で描き出している。藩を救うための殺人とそれに対する仇討ち という避けようのない事件が、近代日本の仕組みが変わることによる、仇討ち禁止令となってしまう。「救われた」という想いがあったが、最後はなんとも言えない悲劇になってしまう。作者菊池寛の筆はなかなかに冴えている。
-
購入済み
毛利元就 会心の戦い
桶狭間の戦い、河越夜戦 と並んで日本三大奇襲に挙げられている厳島の戦いである。作中で作者菊池寛も語っているように、練りに練った戦略が戦術がその真価を発揮した戦いで、そのレベルは桶狭間の戦い、河越夜戦を遥かにしのいでいると思う。文章は簡潔で読みやすい。いくらでもドラマチックに描けるのだが。
-
購入済み
戦時における
ストーリーの舞台が第一次世界大戦のドイツ.ロシア戦線 ドイツにとっての東部戦線という、現在ではあまり取り上げられない場所なのがまず面白い。戦争に関する全てを変えたという第一次世界大戦であるから、戦時における人々の生活 考えは、普仏戦争を彷彿とさせるものであったことがよく判る。
-
購入済み
ご存知忠臣蔵
歌舞伎や人形浄瑠璃であまりも有名な忠臣蔵なだけに、明治以降も芥川龍之介をはじめ様々な作家が様々な視点から描いている。この作品もその一つである。最期まで悪いことをしていない と確信している上野介の理不尽な思いがよく描き出されている。
-
購入済み
大岡越前とルッキズム
「人相学」とはいうものの今風に言うとルッキズムとも言える。年を取ってくると人格が顔に出る と言われるが、実際のところはどうなのだろうか?作中の大岡越前も人相学を十二分に活用したようだが、作者菊池寛も人相学へは肯定的な評価をしているように思える。見かけで評価を下すことをルッキズムとして排斥する現在との差を感じる。