菊池寛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
短編集で「スペイン風邪をめぐる小説集」を集めたもので
「100年前の日本人は、疫病とどう戦ったのか?」
というこんなご時世柄、文春文庫さんが文庫オリジナル版を編みなさったわけ。
「マスク」「神の如く弱し」「簡単な死去」「船医の立場」「身投げ救助業」「島原心中」「忠直卿行状記」「仇討禁止令」「私の日常道徳」
「マスク」
見かけは太っていて頑健そうに見えるが、実は弱いからだなんだ、と菊池寛らしい主人公は言う。何ですか、太っていたら成人病予備軍だよ、と突っ込みたくなるが100年前はね、栄養を取るのも大変だったでしょうからね、みんなガラガラにやせていたし、美味しいもの好きの主人公、ガッチリ美食 -
購入済み
漢字タイトルだと印象も変わる
児童書の大定番、みにくいアヒルの子。漢字だと随分イメージが変わるものですね。翻訳の言葉も大人向けのような気がしました。色々な鳥が出てくるんですね。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2002年の昼ドラの時に、興味は持ったもののドラマを観ていなかったので、せめてと買った小説が積読でした。
北村薫の『円紫さんシリーズ』で、芥川をめぐる文壇の謎解きから、この作品に言及され、引っ張り出して読みました。
凄いですね、メロドラマの元祖?
何が凄いって、男性の筆によるメロドラマだから。
女性の怖さ、男の愚かさが余すことなく書かれているから。
そして、文庫版の解説が川端康成だから(!)
川端先生の解説の結びでは、通俗小説ながら家庭の読み物としての健康を保ったのは、瑠璃子の悲劇と処女性に同情があったからのように、瑠璃子が美化されているけれど、この時代ではそうだったのでしょうか?
-
Posted by ブクログ
ネタバレドロドロの昼ドラでやっていたという真珠夫人。すごく刺激的な内容なのかしらとドキドキしながら手に取ったが、大正時代の作品ということもあり、とても美しい印象を受けた。
まず、文章の美しさ。椎名林檎の歌詞カードを読んでいるような仮名遣いの数々。日本語ってこんなに美しい言葉だったんだと、今改めて思い出す。
そして、主人公瑠璃子の心の清さ。悪女といっても、今の時代の悪女とは全く違う、品のある心は真珠のような悪女。
物語も、現代小説を読んでいる時のあの残酷な刺激はなく、最後にはホロホロと涙が流れてしまう程度の心地よい読み終わり。
昼ドラではかなりストーリーが変わって毒々しかったらしいので、是非原作 -
Posted by ブクログ
☆あらすじ☆
真珠のように美しく気高い、男爵の娘・瑠璃子は、子爵の息子・直也と潔い交際をしていた。が、家の借金と名誉のため、成金である勝平の妻に。体を許さぬうちに勝平も死に、未亡人となった瑠璃子。サロンに集う男たちを弄び、孔雀のように嫣然と微笑む妖婦と化した彼女の心の内とは。話題騒然のTVドラマの原作。
500ページ以上もあるかなりの長編だったけど
すらすら読み進められました。
大正、昭和の時代の女性は初恋を大切にしていたのだと
しみじみ思いました。
当時は初恋の人と結ばれて一生添い遂げることが
一番の幸せだったんですね。
面白かったので、再読したいです。 -
Posted by ブクログ
若手作家たちに活躍の場を、と私財を投じて雑誌「文藝春秋」を創刊、破格値で販売。新人作家のために芥川賞・直木賞を創設。作家の地位向上と権利の擁護、文壇の発展に尽力した漢、菊池寛。
……と、菊池寛の小説をひとつもまともに読んでいない私にとって、菊池寛は作家というより実業家の印象が強いのですが、人気作家だったのだそう。(現代では田舎の小さな書店では出会いが無く読む機会に恵まれなかったと言い訳。いずれ読む。)
この本を読んで、菊池寛という人物は根っからの実業家だったんだな、と感じた。実業家への道筋や苦労が書かれているわけではないのだけれど、深い深い土の中で芽を出すタイミングをしっかり見定めていた人 -
購入済み
文語体漢文調の語り口
文語体漢文調の語り口が、数多くの犠牲者を出した闘いの挽歌によくマッチしている。作者菊池寛の描き方は取り立てて新奇なところ、斬新な解釈などはなく定説通りの安定した描き方である。日本では比較的例の少ない「宗教戦争」の体裁をとった戦いであり、宗教というものの持つ怖さをよく描き出している。
-
購入済み
戦闘の様子を詳説
元ネタは帝国陸軍参謀本部の公文書なのだろうか、戦闘の様子が詳説されている。しかし、政府軍 薩軍ともに指揮官や部下たちの気持ち感情は殆ど描かれていない。小説ではないな。同じ田原坂の戦闘を描いた司馬遼太郎の「翔ぶが如く」の同じ場面と比較するとよく分かる。