菊池寛のレビュー一覧

  • 真珠夫人
    運命に翻弄され周囲を翻弄した一人の女性の人生を描いた良作。昼ドラ的なドロドロした愛憎劇を想像していたが全くそんなことはなかった。妖婦と呼ばれ男を誑かす瑠璃子は、実際のところ初恋の男への操を守り養女に対し惜しみない愛を注ぐ一人の女性であった。その功罪を周囲の視点を交えながら上手く描いている。
  • 真珠夫人
    当時の新聞連載だけあって、とにかく引き込まれる展開、そして速度(勢い)。
    明治の煌びやかな雰囲気と、そして真珠夫人の影と孤独が対比してとても美しい作品だと思った。
    一つの事実をどう捉えるか、誰が見るのか、その視点によってこんなにも印象が変わるのか、と気付かされる作品。
    個人的には「ドガ」と「ゴヤ」の...続きを読む
  • 真珠夫人
    2002年の昼ドラの時に、興味は持ったもののドラマを観ていなかったので、せめてと買った小説が積読でした。

    北村薫の『円紫さんシリーズ』で、芥川をめぐる文壇の謎解きから、この作品に言及され、引っ張り出して読みました。

    凄いですね、メロドラマの元祖?
    何が凄いって、男性の筆によるメロドラマだから。
    ...続きを読む
  • 貞操問答
    私自身真面目な気質かつ姉だからか、ひたすら三女がむかつく!とにかく三女!お前ちょっとはおとなしくできんのか!お姉さんも!と次女に感情移入しながら読みました。いらいらするけどおもしろかったです。観てはいないけど昼ドラにもなったみたいで、やっぱりかって感じ。内容より雰囲気を楽しむといいかもしれません。
  • 真珠夫人

    読みやすく、面白かった。

    サスペンス、愛憎劇、純愛・・・
    とにかく読んでいてとても面白かった。いっき読みしてしまいました。
  • 真珠夫人
    スラスラ読める。すげえ強引な終わり方だったな。最後にヒロインが絵になるのは、「三四郎」と同じですね。
  • 真珠夫人
    ドロドロの昼ドラでやっていたという真珠夫人。すごく刺激的な内容なのかしらとドキドキしながら手に取ったが、大正時代の作品ということもあり、とても美しい印象を受けた。

    まず、文章の美しさ。椎名林檎の歌詞カードを読んでいるような仮名遣いの数々。日本語ってこんなに美しい言葉だったんだと、今改めて思い出す。...続きを読む
  • 真珠夫人
    大正時代の作品。
    当時の生活の様子や価値観が伝わってくる。
    でも、古さは感じない。文章も、キャラクターも。
  • 真珠夫人
    古い作品を引き合いに出しますが「ダークなはいからさんが通る」という印象が残りました。主人公・瑠璃子には大正デモクラシー的思想を感じます。作品が世に出た大正9~10年において、俗ではあるけど下衆ではないこの物語は、当時の文学と大衆、双方の歩み寄りに一役買ったのではないでしょうか。
    正直なところ作中の瑠...続きを読む
  • 新撰クラシックス 高瀬舟(小学館文庫)
    一番最初の短編、じいさんばあさんを読み、森鴎外が大好きになりました。
    ただ、たんたんと事実を綴るような書き方に所々小説のような切なさ、爽快さをミックスさせるのが堪らないと思いました。
  • 真珠夫人
    ☆あらすじ☆

    真珠のように美しく気高い、男爵の娘・瑠璃子は、子爵の息子・直也と潔い交際をしていた。が、家の借金と名誉のため、成金である勝平の妻に。体を許さぬうちに勝平も死に、未亡人となった瑠璃子。サロンに集う男たちを弄び、孔雀のように嫣然と微笑む妖婦と化した彼女の心の内とは。話題騒然のTVドラマ...続きを読む
  • 真珠夫人
    恥ずかしながら菊池寛初体験。
    菊池寛といえば「文芸春秋」創設者で、芥川賞・直木賞を設立した人。
    また「父帰る」や「藤十郎の恋」等の純文学を生み出してもいる。
    大正九年に「真珠夫人」を新聞小説として発表して爆発的ヒットを生んで以来、いわゆる通俗小説を手がけるようにもなった。
    「真珠夫人」ってなんだか淫...続きを読む
  • 真珠夫人
    「処女は何事にもかえがたい宝なのです!」
    みたいな力強い記述が随所に見受けられ、
    汚れた現代人にはゴリゴリの違和感です。
    おおげさかつクソ真面目な文体が
    笑いを誘いますね。
    一昔前のノエビアのCMみたいな表紙の絵がこわいや。
  • 真珠夫人
    当時の女性観からいえば、かなり新しかったろうと思う。今、読んでもおもしろいし、確かにと思わせるのは、未だ男女平等ではない部分があるからだろうか。特に、恋愛面から言えば、平等になることなんて永遠ないような気がしないでもないけれど。
  • 新撰クラシックス 人間失格 櫻桃 グッドバイ(小学館文庫)
    前々から読んでみたかった『人間失格』。わざと面白い行動をとり、人を笑わせる。人に好かれることは知っていても、人を愛する能力はかけている。そんな主人公・大庭葉蔵。そういうところが他人に見破られるところが印象的。クラスメイトの竹一に、わざと尻餅をついたことがばれたとき、友達の堀木に、「世渡りの才能だけは...続きを読む
  • 新撰クラシックス 手袋を買いに(小学館文庫)
    子狐にとって初めての冬。初めての雪にはしゃぐ子狐の悴んだ手を見て、母狐は手袋を買ってやろうと考えました。母狐に片方だけ人間の手に変えてもらった子狐は手袋屋へ出かけます。人間を信用しきれない母狐は、子狐が心配でたまりません。そんな子を思う母の愛が見えてくる絵本だと思います。(by MIKI
  • 吉良上野の立場
    赤穂浪士討ち入り事件は、当然というべきか、吉良上野介が悪人として描かれることが多い。そうではなく、事件を後者の立場から見たらというのが主題である。
  • 応仁の乱
    フィクションの面白さはないが、日本史におけるエポックメイキングな事項を簡潔に書いていて、ひとつの資料として役に立つ。
  • 真珠夫人 3

    イケメン直也さん

    めでたしめでたし!結婚できて良かったわねー!
    久々の少女漫画ー!!学ランの学生の坊やも萌えるわ!綺麗な江柄で目の保養!!
  • マスク スペイン風邪をめぐる小説集
    表題の短編「マスク」では、今も明治も感染症対策は大差無いなと気づかされた。黒マスクって昔からあったのね。
    「身投げ救助業」が印象的。川に身投げして溺れた者を救助して小銭を稼いでいた老婆が...