あらすじ
井の頭公園で〈秘密の結婚〉をする照子、道ならぬ恋に胸を焦がす寿美子、結婚後に夫の秘め事を知る桂子。女学校の仲良し三人組の恋愛と結婚に、思いもよらぬ試練が次々とふりかかる――。
「低級でも善良」な夫を愛せるか? 自分を欺いた夫を許せるか?
怒濤の昼ドラ的展開で読者を魅了し絶大な人気を博した、『真珠夫人』をしのぐ大正エンターテインメントの傑作。
〈解説〉酒井順子
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
菊池寛ってなんとなくお固い作家なのかなーと思っていたけど、こんなドラマチックかつ可愛らしい恋愛小説を書いていたとは!
3人娘の大正ロマンな言葉遣いを読んでいるだけで、エレガントな気分になって心地よい。
寿美子が「恋愛以外にも、生活はあり、生活のあるところ、どこにでも欣びはあるのだ」という境地に至った後での「終曲」のエピソードが、一波乱ありそうでニクイ。これからも続く3人の人生に思いを馳せてしまう。
Posted by ブクログ
菊池寛文学忌、寛忌
菊池寛は新思潮派と呼ばれた「恩讐の彼方に」等の後、通俗小説とされる作品が人気となる
あの大傑作「真珠夫人」に続き「受難華」
女学校の仲良し三人組
もちろん良家の子女達
彼女達はお約束する
結婚して何年かしたら会ってお話ししましょうねと
彼女達はそれぞれ一回目の結婚(恋愛)が成就しないのです
そこからが、わくわくの昼ドラ的大正エンターテイメント!
一人は、渡仏する外交官の婚約者と秘密の結婚(本文より)をした後、フランスで病死
一人は、心惹かれた素敵な研究者に妻子が居た
一人は、素敵なイケメン男性と結婚後、愛人と隠し子を知る
もちろん結婚感に古さはありますが
当時の名家の美貌も備えたお嬢様達が有り余る縁談の中、なぜか受難が待ち受ける
いつの時代も幸せと資金は別なのか
資金あっての自由さなのか
最後は、三人共収まるところに収まりつつあるのだけれど 作者のイタズラ心で小説が振り出しに戻りそうな洒落たラスト
代筆疑惑がある作品のようですけど
もう100年以上経過しているし
面白いから(^_^)v
Posted by ブクログ
結構展開もりもりなのに面白すぎて無理なく一気に読めた。女性雑誌に連載されていただけあって、一途に相手を求めるのはイケメン男性側。
普通に当時の小説として読めば面白いんだけど、美人で、紳士なイケメンから愛されて、昼間ッから金使いまくって、現代に生きる女としての立場から見るとただただ羨ましくはある。でも彼女たちから見れば私の生活のほうが羨ましいんだろうなあ。
途中若干寿美子が嫌いになりそうになった笑
林の旦那、あんたが一等賞だよ
Posted by ブクログ
帯が「真珠夫人」をしのぐ!とうたっているので、もっとドロドロしたものかと思ったけど、全然そんなことはなく読みやすかった。
登場人物がみな、少し滑稽で可愛らしくて読みやすかった。
林さんが報われていちばん嬉しい。