橋本健二のレビュー一覧
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資本家階級、新中間階級、正規労働者、アンダークラス、旧中間層に区分けして、多くのデータにより日本の就業者の状況を分析している好著だ.旧中間層は戦後間もない時期に最大の割合を占めていた農民層と自営業者層だが激減してきた.問題はアンダークラス 非正規労働者だ.5つの階層は2015年前後でそれぞれ 4.1, 20.6, 35.1, 14.6, 12.9%だ.新中間階級は、穏健保守、自民支持のコアグループ、リベラル派に分けられ、それぞれ 38.8, 14.4, 46.8%だとの分析が面白かった.格差社会の克服には、アンダークラスと新中間階級のリベラル派を結集する新しい政治勢力の形成が必要だとの主張があ
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本書序文の「格差の拡大は1980年代に始まった巨大なトレンド」との指摘は実に重い。「アンダークラス」の出現と存在が誰の目にも明らかになってきた現在、本書の内容を広く世に知らしめるべきとは思うが、加筆した部分が最終章の直近10年分だけとはちょっと不満。
過去の著作の分析が書き直す必要もないほど正しかったという事かもしれないが、著作のほとんどを繰り返し読んだ小生としては物足りない。
本書の最後を悲観的に締めているところも同感出来ない。本書は今後の日本の政策の選択肢として「所得再分配」が大きな政策課題となることを誰の目にも明らかにしてくれている。
おりしも今世界はコロナ禍の真っ只中である。歴史を紐解 -
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各種調査をもとに、日本社会を「資本家階級」「新中産階級」「正規労働者」「アンダークラス」「旧中産階級」の五つの階層にわけて分析している。
階級によって、身長や体重が変わってくるのも意外だった。
(予想どおり、アンダークラスが一番うつ傾向が高い。)
「一般的にいえば、構想に関わる労働は、自らの意思を実現することのできるやりがいのある労働である。これに対して実行のみにかかわる労働は、人の手足となって行う労働であり、労働それ自体に意味を感じることが難しい。マルクスはこのような労働を「阻害された労働」と呼んだ。」
第5章の「女たちの階級社会」は17階層にわけて女性を分類しており、これは分析しづら -
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社会階層についての著書が多い橋本先生による、統計から見た「アンダークラス」の説明本。
SSM調査を中心とした各種統計から、非正規労働者の置かれている境遇を分析し、いろいろな角度から解説を試みている。
ところが、誠実に分析した結果、「アンダークラス」とひとくくりにするのは難しい、というのが現時点での総括になってしまう。
かろうじて、誰しも「アンダークラス」に転落するかもしれない、という論理でつなぎとめるが、当然それだけで一つの結論を導くわけにもいかず筆も拡散気味。
そこで、首都圏に住む「アンダークラス」層のエスノグラフィー8例の記述を挟み、所属階層と政治態度の関連についての分析から、新たな政 -
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なんとも気の重くなる本であるがもう直視せざるを得ない。
「アンダークラス」の現状と真実。身長や体重にまで差が出てきているとはまるで産業革命期のイギリスを彷彿させる。日本はここまで来たのかとため息が出た。
著者は最左派の社会学者だと常々注目していたが、精密なデータを駆使した「アンダークラス」分析は、もはや警鐘というよりも事実確認だ。誰の目にも見えるレベルになったということだろう。
本書では「処方箋」も提示されてはいるが、政策としての実行は極めて困難だろうと思えた。
社会学の本として本書を高く評価するが、同時に真実とは苦いものであるとも痛感した。 -
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自己責任論
僕は否定しません。
チャンスが平等に与えられるなら結果の平等は危険と考えます。
でもAI化が進んでいくと過渡期に大失業時代が来てしまうんですよねσ^_^;
産業革命で労働者が仕事を奪われたとき壮年期にホワイトカラーへの再就職先があったか考えれば自明なことですσ^_^;
本書では
資本家階級
新中間階級(管理職等)
労働者階級に
旧中間階級(自営業者等)
の4階級から
労働者階級の下に
アンダークラスがあるとときます。
アンダークラスはいわゆる非正規雇用等です。
これを見ると労働者階級は管理職登用の芽がありますがアンダークラスに無いと言えます。
資本が無ければ旧中間階級にも移れない -
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書名:新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉
著者:橋本健ニ
発行:2025年6月19日第一刷
現段日本社会には明確な階級が存在するという立場から、その背景を考察。数日に分けて読んだのが悪くて読後感は不完全燃焼。全体をまとめてみると、資本主義のは段階変化→社会構造の変化(格差の拡大と固定)→社会全体の持続可能性低下 と言える。ほったらかすとまずいことになるね。
政治:
自民党が民主党に政権を奪われ野党化した後、差別化のために国家主義的右翼によって行った。(新自由主義右翼=豊かでマッチョな思考の男性)安倍首相から岸田首相までの間、新自由主義右翼の意見が強く反映され、格 -
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ネタバレ◯第一章
現代日本は、単なる「格差社会」を超え、固定化された「階級社会」へと変貌を遂げた。
かつての「一億総中流」意識は崩壊し、所得、職業、生活スタイルが階級ごとに明確に分断されている。
格差は一時的な現象ではなく、構造的なものとして定着している。
◯第二章
現代の階級構造は、従来の「資本家階級」「新中間階級」「労働者階級」に加え、巨大な「アンダークラス」の出現によって特徴づけられる。
資本家階級:企業経営者や役員。高所得で資産も多い。
新中間階級:専門職や管理職。比較的高学歴で安定している。
旧中間階級:自営業者。かつては厚かったが衰退傾向にある。
正規労働者階級:現業・非専門的な正規社員 -
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現代日本社会の階級を六種類に分けて、さまざまな調査データを紹介していく。
六種類というのは、資本家、新中間階級、旧中間階級、正規労働者階級、パート主婦、アンダークラス、の六つである。
平たく説明すると、新中間階級は管理職や専門職であり、旧中間階級は自営業者である。正規労働者階級は正規雇用だが平社員、アンダークラスは非正規雇用者である。
本書では主にアンダークラスについて、特に詳しく触れられることが多い。これはきわめて現代的な(とはいえ本書によると80年代以降の現象なのだが)事象だからである。
なお、アンダークラスの出現は先進国において起きていることであり、「アンダークラス」という呼称は英米 -
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なんとなく格差拡大は進んでいると思っていたけど、具体的にどういう状況になっているんだろうと興味が湧いて手に取った。
たくさんのアンケートデータで格差があることがはっきり示されていて、アンダークラスの人たちが生活において命や幸せに関わるレベルで切羽詰まっていることを知った。そしてこの格差は他人事じゃなくて、別の階層の人間にも不利益があるという指摘も印象的だった。
ただ、それ以上に驚いたのは自分自身のことだった。読み進めていくうちに、自分が無意識に「努力は報われるべき」とか「頑張ってこなかったら貧困でも仕方ない」みたいなことを思っていたことに気づいて、正直怖くなった。
冷静に考えれば、自分が -
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本書は、大規模調査データを元に、日本に住む人を5つの階級に分けて、それぞれがどのような傾向にあるかをまとめている。
複数のデータを組み合わせることにより、その階級に属する人はどんな人達なのかを多面的に見ることができるのが一つの特色と感じた。
また格差是正には政治との関わりが不可欠ということで、階級と政治との関わりもまとまっている。 支援の必要な層が政治に無関心で、結果支援を受けられないという現実がある一方、与党、野党の掲げることが国民の求めることと一致しにくいという点は、個人的に納得感を感じた。
この点が変わってくると、政治への向き方というのも変わっていくのかもしれない。 -
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最初は、格差の固定の話かと思ったら、そうではなくて、アンダークラスの生活が悲惨という話と、男女間の格差の話になり、コロナの影響の話が続き、最後には、政党ごとの支持者の傾向と格差の関係を持ち出し、自民党は、所得再配分については、野党主流派とそう変わらないのに、一部の新自由主義者を取り込むために、政策が右傾化しているという。そして、新自由主義者を集める別の政党が出てくれば、最右翼は自民党を離れてそちらに行くので、自民党は、逆にリベラル陣営との協調をしやすくなるだろうと予測している。
この本が出たあとの、2015年7月の参院選では、現実に、参政党などの新自由主義政党が躍進したので、この著者の予測が正