橋本健二のレビュー一覧

  • 東京23区×格差と階級

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    東京23区を町丁目単位まで分解して格差と階級について視覚的に分かりやすく分析。大きな話の流れとしては東京の東西、山手・下町に格差があるというもので、違和感のあるものは少なかった。
    学びのあった点をいくつか挙げると、
    ・東京23区は他の都府県と比べても格差の大きい都市であること
    ・江戸期の山手は田舎侍が多く、むしろ下町の方が商売の活気もあり文化的に優位であったこと
    ・明治期以降、山手と下町に逆転が見られ、山手側住民は子供への教育等を通じて下町を下に見る考えを再生産・固定化させていったこと
    ・そうした中にあっても、所得の高い区に低所得者層の多いエリアがあったり、所得の低い区に利便性の高い沿線一帯な

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    2022年01月17日
  • 東京23区×格差と階級

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    ネタバレ

    東京都内ではホワイトカラー ブルカラーの労働者が混在しており、格差が生じている。下町山の手都内の3箇所の地域に住んでいる人々の平均年収や労働者種類を統計して推察して格差の状況を調べる内容となっている。山の手と下町または西と東ではっきりと格差が見える結果となる。著者は階級を無くすことは難しいが、行政のサポートで少なくし、どの地域でも色んな階級が混在できる社会が望ましいとのこと。

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    2021年12月15日
  • 中流崩壊

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    教科書に載ってる話ではあるけど、資本家が生産手段を持ち、労働者は生産手段を持たない、というのを改めて思い出した。自営的に小規模だけど、生産手段を持って自分で生産するという意味では、ソフトウェア技術者とかゲーム開発者は、この本の言う旧中流に近いし、実際、ゲームエンジンとインディーの流れで、旧中流の位置でやってる人が、周りでも増えた。社会の仕組みも、それに合わせて変わると良いなあ。お役所とか。

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    2021年06月06日
  • アンダークラス2030 置き去りにされる「氷河期世代」

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    2030年、フリーター第一世代が65歳になる。この世代は内部格差が大きい。
    21世紀になって、老人の非正規労働者が増えた。
    アンダークラスと失業者と無業者は同類。
    就職氷河期は1994年から2007年まで。

    戦後、専門学校は大学に昇格。一部できない学校は短大になった。やがて廃止されるはずが、女子学生が増えたため、恒常的制度になった。今は4年制大学が増えたため、全盛期の2割程度になっている。

    第三次ベビーブームは幻だった。
    第2次ベビーブーム世代は、氷河期世代とかなりダブっているため。
    氷河期世代のアンダークラスは、塾や予備校に通ったことがない人が44%と多い。

    アンダークラスはネオリベラ

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    2021年01月13日
  • 新・日本の階級社会

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    アンダーグラスという新しい下層階級の人たちを自己責任で片付けてよいのか、自分が良ければそれでいいのか。
    アンダーグラスが増えることは将来的に自分たちにも何かしらの負担がのしかかる。他人事ではないのだ。

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    2020年08月16日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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    男性より女性の方が全体に幸福感が高いとか、年齢と共にメンタルが安定していくが男性の30代は今後の人生の現実が見えて不安定になるとか、詳細なデータに基づく分析はなるほどと思う。
    最後にアンダークラスの不安定な経済状態を政治的に汲み取り解消していく方策が提案されるのだが、消費増税を巡る議論が絶えない昨今、著者のいう「再分配」がどのようなものかもう少しイメージを示しても良かったのではないか?

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    2020年06月28日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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    社会的排除を勉強する途中で収集.アンダークラスという言葉はアメリカとかでは先行してすでに使われている言葉.それを日本に当てはめて,ひとくちにアンダークラスと言ってもいくつかのパターンと様態がありますよと提示しているのが新しかった.

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    2020年06月10日
  • 〈格差〉と〈階級〉の戦後史

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    金銭的格差はなくなる事はないだろう。
    その格差が例えば、心情面や健康面にそのまま広がりを見せるのをどこまで防げるのか、というのが、一人一人の、社会の、政府の成すべき事ではないかと感じた。
    その一つが所得再分配の考えであり、どこまでそれを受け入れるか。

    アフターコロナで広がるであろう格差を考えたい人にオススメ。

    ジュンク堂書店あべのハルカス店にて購入。

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    2020年04月11日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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    秋葉原で通り魔殺傷事件を起こした加藤智大の掲示板には、誰にも相手にされない孤立感、派遣労働者である自分の境遇からくる劣等感、そして将来への絶望が、赤裸々に綴られていた。雇用は不安定で、職場は固定せず、しかも仕事内容は常に単純労働の繰り返し。書き込みからは製造業派遣で働く若者の寒々とした心象風景が鮮明に浮かび上がってくる。インターネット上には、加藤を非正規労働者の代表として賞賛する書き込みが多数出現している。その後、通り魔殺傷事件は、何度も起きている。いま日本は危機的状況にある。アンダークラスの問題はいつ身に降りかかるか分からない問題。他人事と等閑視はできない。格差を縮小し貧困をなくすことは喫緊

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    2019年12月21日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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    928.7万人のアンダークラスを年齢と性別で4グループに分けて分析。データからの引用が多く、読みづらいが、その分客観的な重さはある。失業者・無業者が283万人、合わせて日本の人口の1割程度か。普通に暮らしていると気づかないだろうが、仕事柄良く目にする人々ではある。うなづける部分もあれば、腑に落ちない部分もあった。

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    2019年09月25日
  • 新・日本の階級社会

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    データとしてはとても面白い。政治的な質問もたくさんしていて興味深いものも多い。
    著者の政治思想を載せてるのはまあいいんだけど、貧困層は政治の考え方が間違ってる、みたいな論調になってるのはなんだかなーと言う感じがした。ある意味で著者自身が自己責任論を後押ししてるのではと思った。
    あと、貧困層はこの本読まないでしょ。

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    2019年03月17日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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    アンダークラスを簡単に言うと、経済的に再生産が困難な所得階層のこと。心理的な困難から支持政党にも特徴がある。次世代に影響する観点で、アンダークラスの発生はよくない。

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    2019年03月03日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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     読み終わってみて、普通。この類の内容のものが非常に多くなった最近の状況で、何か新しいものを付け加える難易度は確実に上がっている。そういうところからすると本書に新味はない。
     本書のメッセージがあるとすれば、それは、現時点ではまだバラバラな状態にあるアンダークラスと分類される人たちを結集して、それは政治的な意味においてもそうであるが、他の恵まれたグループに立ち向かう力を発揮させることにあるということであろうか。ある種のアナーキーな、大正後期から昭和の初めにかけて一時期存在した無産勢力にも類似する、そういった新しいグループの組織化である。
     革命を起こすのか、テロなのか、言いっぱなしの感がある本

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    2019年02月10日
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現

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    多様性が生まれ格差が拡大した労働者階級の中から生まれた「アンダークラス」。

    新書のボリュームゆえか元々のスコープゆえか、地方におけるアンダークラスの課題について掘り下げがない点は片手落ちに感じてしまった。
    都市部のアンダークラスについては性別、年齢、学歴など様々な観点から詳細に切り取っていただけに惜しく感じる。

    それにしてもこれは重大な社会課題で、誰しもがアンダークラスと隣合わせ。さらには失業・無業との距離も遠いわけではない。
    個人個人の営みの重要性もさることながら、集団として我々がなすべきことは何なのか考えさせられる。

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    2018年12月17日
  • 新・日本の階級社会

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    いろんな階級(と思われる)の人のアンケート分析が中心。アンケートの分析と考察はこう書け!という見本のようなものなので、読んでいてもあまり面白みがない。各種データ、グラフから読み取れることを書き連ねているので、「だからどうなの?」となってしまう。最後の処方箋的なものもいまひとつだった。

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    2018年10月14日
  • 新・日本の階級社会

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    格差拡大を感じるものの、それは選択や努力の差の結果であり、自己責任として容認されてきた。が、労働者階級は正規と非正規に分離し、格差というより分断された階級社会といえる状況になってきている。

    統計ベースゆえ女性を分離したデータがあまりないとのことですが、困った人を助けようという意識の高さは男性とは別次元。女性に力を持たせたなら、社会が変わると思いました。

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    2018年10月13日
  • 新・日本の階級社会

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    ネタバレ

    格差社会と言われる日本には、新たに5つの階級構造があると筆者は言う。この階級は、格差容認や自己責任論によってなかなか解消はできない状態にある。筆者は最後に、格差縮小に向け3つの方法を述べている。1賃金格差縮小2所得再分配3所得格差を生む原因の解消

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    2018年08月28日
  • 新・日本の階級社会

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    ネタバレ

    あなたは格差を認めますか?

    明治時代になって、親の職業や身分を受け継がなくてよくなり、そうして生まれたのが、立身出世、モラトリアムだと、現代文の先生が教えてくれた。今、階級は固定化し、格差は広がるばかりだ。本当に?
    筆者は収入や意識調査を用いて、格差の問題、格差是正になぜ動けないか、政治の問題を語っている。階級や格差について、またそこに属する人の思想について、思いこんでいることも多かった。自分はどこに属し、何を求めているのか。せめて、多くの人が幸せに生きてほしいとは思うけれど、万人が一致して求める政策は難しい。
    富める者が自分の持ち物を分け与える痛みを受け入れられるか、貧しい者が努力すれば上

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    2018年06月25日
  • 新・日本の階級社会

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     直接的なタイトルに手が伸びやすい一冊だと思う。最近出版されているこの類の例に漏れず、個別のサンプルデータを統計的に処理した結果から見える状況の説明である。
     本書の特徴としては、階級社会への議論を導く印として、女性を17種類に分けて、それぞれの特徴を細かく分析していることにある。確かに、これらの分析を読んでみてよくわかることがある。ただ、その分類は配偶者の立ち位置に強く起因していて、少し運命論的なようなところもあり、本当にそうなのかと疑うぐらいがちょうどいいかもしれない。サンプルデータというのはその切り方でどうにでも見せることができるという一面があるからである。
     問題設定そのものは、これか

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    2018年06月17日
  • 新・日本の階級社会

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    格差の拡大、固定をデータで示す。
    資本家階級、専門家・管理職、正社員の収入が増える一方、アンダークラスとされる非正規の収入は減少。かつての中間階級層であった個人事業主も、いまは貧困層に近い。だが時間の自由はあるので、生活の満足度は高い。

    子は父親の出身階級になりやすい。
    アンダークラスは親もアンダークラス、高等教育を受けず、学校でいじめられ、遅刻や不登校などの問題行動が多かった。そして支持政党もない。要するに、社会の動向に無関心。配偶者の有無や、夫の収入次第で、女性はとくにこの階級格差を受けやすい。

    著者は解決策として、金融資産への資本税導入や、ベーシックインカムを推奨する。が、すでに手垢

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    2018年05月03日