橋本健二のレビュー一覧

  • 新・日本の階級社会
    あなたは格差を認めますか?

    明治時代になって、親の職業や身分を受け継がなくてよくなり、そうして生まれたのが、立身出世、モラトリアムだと、現代文の先生が教えてくれた。今、階級は固定化し、格差は広がるばかりだ。本当に?
    筆者は収入や意識調査を用いて、格差の問題、格差是正になぜ動けないか、政治の問題を語...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
     直接的なタイトルに手が伸びやすい一冊だと思う。最近出版されているこの類の例に漏れず、個別のサンプルデータを統計的に処理した結果から見える状況の説明である。
     本書の特徴としては、階級社会への議論を導く印として、女性を17種類に分けて、それぞれの特徴を細かく分析していることにある。確かに、これらの分...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    格差の拡大、固定をデータで示す。
    資本家階級、専門家・管理職、正社員の収入が増える一方、アンダークラスとされる非正規の収入は減少。かつての中間階級層であった個人事業主も、いまは貧困層に近い。だが時間の自由はあるので、生活の満足度は高い。

    子は父親の出身階級になりやすい。
    アンダークラスは親もアンダ...続きを読む
  • 「格差」の戦後史 階級社会 日本の履歴書【増補新版】
    戦後60年の格差。所得格差は戦争で大きく低下したがその後上昇、60-80年高度成長期に低下、その後はまた上昇している。80年代以降、出身階級の格差も、固定化・拡大傾向にある。

    格差の縮小した高度成長期は、身分が変り得る、戦国時代的な特異状況でもあったと。
  • 階級社会 現代日本の格差を問う
    日本の急激な階級社会への移行への警鐘を示した本であった。最後に引用した,マキャベリの言葉「・・・人間に,人間の社会の流れを変えることができないはずがないのである。」という部分に希望がもてた。
  • 階級社会 現代日本の格差を問う
    「格差とは経済問題ではない。『私には価値がある』という思い( 自尊 )を破壊することである」 価値ヒエラルキーとしての階級格差。戦後日本を、資本家階級(経営者・役員)/前近代的中間階級(農業・自営業主)/新中間階級(Wワーク被雇用者)/労働者階級(単純労働Wワーク&Bワーク被雇用者)の4つに区分し、...続きを読む