橋本健二のレビュー一覧

  • アンダークラス2030 置き去りにされる「氷河期世代」
    正社員になれず、収入が少なく、多くの困難を抱える。
    増大しつつある「アンダークラス」が、今後、日本社会にもたらすであろう問題について説き、警鐘を鳴らす書籍。

    バブル崩壊後の1994年から2007年までを「就職氷河期」、この時期に大学卒業を迎えた世代を「就職氷河期世代」と呼ぶ。
    今回のコロナ禍で、就...続きを読む
  • 〈格差〉と〈階級〉の戦後史
    2000年代にあった「『格差論争』」に終止符を打った」本ということで読む。

    20年経った現時点からわかるのは、確かに、日本社会は「格差社会」に「なった」ということ。その原因は、次の3つに思われる。

    1つは、高齢化。2つめは、非正規雇用。3つめは、雇用されている者のなかでの格差拡大(専門職vs労働...続きを読む
  • 東京23区×格差と階級
    東京23区に限定して、社会階層とその格差をデータに基づき分析した結果を「格差社会と都市空間」という本をベースにして、一般人にもわかりやすく書いたものであるらしい。
    データを地図上で表現したものを豊富に掲載しているので、読むものにはわかりやすいが、東京の地理に詳しくない人にはいまひとつ十分な理解が進ま...続きを読む
  • 〈格差〉と〈階級〉の戦後史
    サンデルさんの著作を読んで日本の格差の状況を詳しく知りたいと思い購読。格差社会、ワーキングプア、アンダークラスなど、格差を示す単語が広まったのは比較的最近のことで、ちょっと前まで一億総中流とか言ってたなあと思うが、考えてみると、歴史上格差がなかった時代なんてなかったわけで、貴族や武士が実権を握ってい...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    各階層の分断が進んでいる現状を各階層の認識調査を用いて説明しているので、わかりやすい。分断が進んで貧困層が見えずらくなっているのがよく分かる。
    ただ、格差解消に向けた提案がなされている(ベーシックインカム、資産税など導入、固定資産税増税など)が、政策に興味を示すのは貧困層の人々ではないので、支持を得...続きを読む
  • アンダークラス2030 置き去りにされる「氷河期世代」
    階層を①資本家階級②新中間階級③正規労働者④アンダークラスに分類する。就職氷河期世代は圧倒的にアンダークラスに属している。アンダークラスは非正規雇用労働者で低賃金に甘んじ、家庭を持たず、社会的に孤立している。氷河期世代内でも「アンダークラス」と「それ以外」と分断が起きている。また、自己責任論を肯定し...続きを読む
  • 中流崩壊
    「社会学」はどんな主張をしても5年~10年後にはデータが出揃うことによってその主張が正しいかどうかがはっきりしてしまう。本書では多くの社会学者の過去の主張とその変遷まで言及しているから、思わず笑ってしまった。
    本書での「1970年代からはじまる格差のトレンド」を鋭く追求する論考は政治家のごとく断定的...続きを読む
  • 〈格差〉と〈階級〉の戦後史
    長期にわたる調査データを駆使して格差拡大の実態を描き出す。学者ならではの著作。格差拡大についての評価、認識の変遷についても詳しく、勉強になることがたくさんあった。
  • 新・日本の階級社会
    とても丁寧な本。統計数値を一つずつ確認して日本社会に存在する格差の姿を確認していく姿勢がとても几帳面で信頼感がある。その書き方ゆえに退屈な印象だったり、面白くないと感じるかもしれないが、こういうテーマなので丁寧さは欠かせないと思う。
     
    そういう手順で導かれたのが、
    「格差是正ー平和主義ー多文化主義...続きを読む
  • 〈格差〉と〈階級〉の戦後史
    本書序文の「格差の拡大は1980年代に始まった巨大なトレンド」との指摘は実に重い。「アンダークラス」の出現と存在が誰の目にも明らかになってきた現在、本書の内容を広く世に知らしめるべきとは思うが、加筆した部分が最終章の直近10年分だけとはちょっと不満。
    過去の著作の分析が書き直す必要もないほど正しかっ...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    資本家階級、新中間階級、正規労働者、アンダークラス、旧中間層に区分けして、多くのデータにより日本の就業者の状況を分析している好著だ.旧中間層は戦後間もない時期に最大の割合を占めていた農民層と自営業者層だが激減してきた.問題はアンダークラス 非正規労働者だ.5つの階層は2015年前後でそれぞれ 4.1...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    各種調査をもとに、日本社会を「資本家階級」「新中産階級」「正規労働者」「アンダークラス」「旧中産階級」の五つの階層にわけて分析している。

    階級によって、身長や体重が変わってくるのも意外だった。
    (予想どおり、アンダークラスが一番うつ傾向が高い。)

    「一般的にいえば、構想に関わる労働は、自らの意思...続きを読む
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現
    社会階層についての著書が多い橋本先生による、統計から見た「アンダークラス」の説明本。

    SSM調査を中心とした各種統計から、非正規労働者の置かれている境遇を分析し、いろいろな角度から解説を試みている。
    ところが、誠実に分析した結果、「アンダークラス」とひとくくりにするのは難しい、というのが現時点での...続きを読む
  • アンダークラス ──新たな下層階級の出現
    なんとも気の重くなる本であるがもう直視せざるを得ない。
    「アンダークラス」の現状と真実。身長や体重にまで差が出てきているとはまるで産業革命期のイギリスを彷彿させる。日本はここまで来たのかとため息が出た。
    著者は最左派の社会学者だと常々注目していたが、精密なデータを駆使した「アンダークラス」分析は、も...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    今自分が置かれている状況、日本の状況が数字で書かれており、ある程度理解できた。今後の洗濯をする上で自分の立ち位置を少しは意識することができるようになったと思う。
  • 新・日本の階級社会
    現在の日本社会に格差があるのは明らか。
    それも結構細分化された階層構造になっていると思うのだが、著者は客観的なデータをもとに検証し、格差・自己責任論・所得再分配をどう統合していけばよいのか、あるべき国の姿を提唱する。
    そも格差ひとつとっても、格差などないんだとする層も一定数存在するのが現実だ。すでに...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    所得格差に触れる本はたくさんあるが、これは世帯所得に対して男女による分析行うなど詳細なデータがあり説得力があった。今日の日本の問題である累進課税や消費税に関する問題による階級の継続性の考察は他の本とあまり差はないが、政治的思想の分析は興味深かった。自己責任論と格差拡大の認識、この2つは重要なキーワー...続きを読む
  • 新・日本の階級社会
    豊富なデータに基づき、現在の格差社会の現状を明らかにする。もはや、格差社会ではなく階級社会である。
    アンダークラスに陥った場合、再び上昇することは難しい。無機質な数字が、恐ろしく見えてくる。
  • 新・日本の階級社会
    自己責任論
    僕は否定しません。
    チャンスが平等に与えられるなら結果の平等は危険と考えます。
    でもAI化が進んでいくと過渡期に大失業時代が来てしまうんですよねσ^_^;
    産業革命で労働者が仕事を奪われたとき壮年期にホワイトカラーへの再就職先があったか考えれば自明なことですσ^_^;

    本書では
    資本家...続きを読む
  • 東京23区×格差と階級
    東京における経済格差を示した本

    平均所得が高くなる地理的要因がわかり
    「年収は住むところで決まる」とセット読みすることで価値が最大化する