橋本健二のレビュー一覧
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新しい階級、、、
資本主義的企業の領域を
①資本家階級 3.9% 企業の経営者・役員
②新中間階級 32.1% 専門家・管理職・正規雇用の事務職
③正規労働者階級 27.4% 販売・サービス・製造・建設等 新中間階級以外の正規雇用労働者
②③パート主婦12.3% 有配偶の女性 非正規雇用労働者
④アンダークラス 13.9% パート主婦以外の非正規雇用労働者
59歳以下で専業主婦以外の失業者・無業者 273万人
自営業者の領域
〇旧中間階級 10.3% 自営業者 家族従業者
に分類している。
ちょっと②③の分け方はどうか、と思うところはあるが、まあいい。
自分に振り替えれば、②にいる。
この新書は出自も分析しているので、親の仕事を考えると、旧中間階級だったことになる。
自営業者だ。
親の階級、学歴、性別が今の階級に影響している、という。
学歴も親次第なところがあるから、これは自己責任で片づけていい問題ではない。
まして、アンダークラス、結婚も子育ても難しい階級890万人は、性別はともかく、
親の階級、学歴でそうなる比率が変わってしまう。残酷だ。
。。。このあたりを分析した後で、この新書は保守、リベラル、政党支持を絡める。
政党を大きくリベラルと伝統保守と新自由主義右翼 に分ける。
新自由主義右翼ほど、こうした格差に肯定的で、排外主義で、、、
民主党政権ができた時に受けを狙って自民は一気に変わったのだ。
そして、岸田から石破政権が伝統保守に近づけようとしたときに、票が保守党、参政党に流れたので、
高市を首相に掲げ、新自由主義右翼を徹底し、正月の解散で議席を奪い取ったのだ。
今の自民に「新自由主義右翼」という言葉を使うのが適切かといえば、私はそうは思わない。
新自由主義 は決して悪いものではない。国の関与を減らすという方向は間違っていない。
人間が介在するのがよくないとフリードマンは言っていた。だから負の所得税という概念があったのだ。
要するに給付付き税額控除。
財務省が補助金をばらまく仕組みは新自由主義でも何でもない。
所得再配分を自動的に行うのが新自由主義。
今の自民は給付付き税額控除を歌いつつ、実態は弱者切り捨て、国が一番、に過ぎない。
右翼、、も。今の排外主義と右翼は何の関係もない。右翼に失礼だ。
家父長制を右翼がどう見ているか、そこは自民と一致しているかもしれないが、、、
いずれにしても家父長制かつ格差肯定、補助金による大企業優遇が今の自民。
しかし自民の中にも伝統的保守を貴ぶ人はまだいるはず。
そしてリベラル、、、要は国より個人。
ここは表現次第で誤解を招くが、国のために個人を犠牲にするかしないか、、、
私は個人あっての国だと思う。
いずれにしてもアンダークラス890万人を放っておけば国力はどんどん落ちる。
結果正規労働者階級も新中間階級もどんどんアンダークラスに落ちていく。
沈む船の突端にいるのが世襲政治家と官僚と大企業の経営者、、、
結局は皆沈んでしまう。
それよりは皆が浮かぶ方法を考えたほうがいいだろう。
今の高市政権では無理だ。
発足当初は期待したが、期待できないと判断した。
この新書の分析が世の中を変える一歩になるといいのだが。
階級構造、それは人生の舞台装置───序に変えて
第一章 「新しい階級社会」とは何か
第二章 「新しい階級社会」が生まれるまで
第三章 五つの階級:それぞれの生い立ちと日常
第四章 哀しみのアンダークラス
第五章 男の階級・女の階級
第六章 人の階級はどうやって決まるか
第七章 階級格差を拡大させた新型コロナ
第八章 格差をめぐる対立の構図と日本の未来
参考文献 -
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女という階級、という言い方がものすごくしっくり来た。そこからのフェミニズム。P28でパート主婦を階級として一つとるのだが、もう少し突っ込んでほしかった基本属性を読むあたりは少し根気がいる。自分が世代の典型的なライフコースを辿ってきたのだなあと感心する。再生産部門、どうすべきか。ケアの倫理に向かうのがいいのか?p225の階級移動の話は当然だが納得。アンダークラスへの移動、コロナの階級差の話は身につまされる。貧困の自己責任論が労働者に浸透しているが全体では思ったより少数派なのは意外。p302の意見動向p316の支持政党の話は実感に近く説得力あり。だからといって最終提案が当たっているかというとちょっと疑問。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前著に続き、2022年三大都市圏調査から階級分析。
・階級を5つに分類
資本家階級:従業員5人以上の経営者・役員 250万3.9%
新中間階級:専門職・管理職・正規雇用事務職2051万32.1
正規労働者階級:販売・サービス・製造・建設等新中間階級以外の正規雇用労働者 1753万人 27.4%
旧中間階級:自営業者・家族従業者 658万人10.3%
アンダークラス:パート主婦以外の非正規雇用労働者 890万人 13.9%
その他:失業者・無業者 273万人 パート主婦788万人
・マルクス史観による資本主義による階級構造の変遷を述べ、フォーディズム資本主義・福祉国家から1970年代から90年ごろに、フレクシ=グローバル資本主義・新受有主義国家に転換し、その中で労働者階級が正規雇用者と非正規雇用のアンダークラスに分解し、アンダークラスの賃金はもはや再生産可能コストを割り、社会の持続可能性に赤信号。再生産不能者は江戸時代には減少し、残存した名子、京阪・江戸の都市下層民だけだったのだが。
・政治意識によるクラスター分析結果
①リベラル(26.4%)再分配支持・憲法擁護・排外的でない・中道革新野党
②伝統保守(21.0%)再分配支持・憲法改正・やや排外的・自民党
③平和主義(20.9%)再分配あまり支持しない・憲法を強く擁護・無党派
④無関心(18.5%)まったく排外的でないが他不明確・無党派
⑤新自由主義右翼(13.2%)反再分配・憲法改正・顕著な排外主義・自民党・維新
・新自由主義右翼は、男性・高所得・資産・高学歴。資本家にやや多くアンダークラスにやや少ないが、広く分布。 -
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ブルデューの理論を基に格差と階級に言及し、それを東京23区にあてはめているのが面白く感じた。
下町のジェントリフィケーションが進んでいく結果、経済的に豊かな人たちはますます新自由主義的な考え方を強め、経済的に貧しい人たちが空間的にも政治的にも追いやられてしまうという予測が著者によって提示されている。
東京を「階級都市」でなく、著者が言う「混淆都市」にするために新中間階級の一員である自分ができることは、なるべく自分の集団から想定しにくい場所(≒らしくない場所?)に住んで、かつなるべく地域コミュニティとの接点を増やしていくことなのでないかと考えた。これにより、微力ながら社会空間の多様性を喚起するのに寄与できればと思った。
もちろん、多様性そのものが称揚されるべきものではないと思うし、綺麗事で済まされない軋轢が生まれることが容易に想定できる。ただ、それでも、終章で著者が提示している悲観的予測がそのまま当たってしまうのは悲しすぎるので、自分の立場でできることを生活の中で実践しようと考えた。 -
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ネタバレ階級ごとの説明が詳しくて、わかりやすい。
自分はここの階級だろうかと想像して読み進めたが、異なる階級の人とは普段暮らしていて接点がないものだと改めて自覚できた。
階級ごとの性別役割・軍備・中国韓国・外国人などへの考え方の違いも、こんなに大きいのかと驚いた。自民党のコア支持層のある種の安定感は、驚くものがある。
以外、備忘録的にまとめ。具体的でわかりやすい指摘ばかりだった。
・かつての仮説ともいえた、「労働者階級は格差是正を求め、平和を愛し、軍備を否定し、海外侵略の責任を認め、かつての侵略先の人々と友好的な関係を築いていく」という説は、いまは現実から離れている。
・労働者階級は、新中間階級、正規労働者、アンダークラスに分裂している。
・これらの層は格差を認識しているが、自己責任論を認めており、新中間階級と正規労働者は所得再分配政策を支持せず、アンダークラスに対して敵対的になっている。
・アンダークラスは、古典的な労働者階級と異なり、格差への不満と格差縮小の要求を持っているものの、平和への要求ではなく排外主義と結びつきやすくなっており、「誤爆」状態である。
★★アンダークラス、パート主婦、専業主婦、旧中間階級、そして新中間階級と正規労働者のなかのリベラル派を、格差社会の克服という一点で結集する政治勢力が求められている。
・自民党の支持は強いが、排外主義と軍備重視に凝り固まった人に偏っているという弱点はある。 -
Posted by ブクログ
日本は比較的格差が小さい社会である…というのはたいへんな誤解で、日本の貧困率は先進国の間でもたいへん大きく、また拡大し続けている。それは昨今始まったものではなく、1980年代頃から続いているものである。
本書はその日本の格差について、簡単な傾向や、調査方法・説明方法について解説したあと、敗戦後から2015年ごろまでの流れを詳細に説明する。一部の説明が厳密に時系列ではなく行き来することはあったが、時代背景として当時の文化や事件に軽く触れたり、用語が比較的丁寧に解説されたりと、読みやすかった。
格差は小泉改革といった短期的な要因で語れるものではない、という触れ込みが冒頭でされているが、その小泉改革の評価について触れられていない点は気になった。他にもいくつか、背景にあった政策について解説が不十分な点があった (小渕内閣や民主党政権での変革については触れられているなど、解説されている部分もある)。とはいえ筆者は政治学者ではなく、語るのに難しい部分はあるかもしれない。結果として明確に存在する格差そのものについて戦後全体を俯瞰し、易しくも詳細に解き明かしている点で、素晴らしい書である。
格差問題の実態はほとんど知られておらず、注目されることも少なく、誤解されている部分も多い。社会の格差意識の変化が、格差構造や格差の大きさそのものの変化と連動していることもない。
非正規雇用が急拡大し「アンダークラス」が急増している昨今、格差問題がより市民に知られるところとなり、政治による解決が目指されることを期待したい。様々な人に勧めたい1冊。 -
Posted by ブクログ
一般的に日本は中流家庭が多く、その上下に
少しの特別な家庭が存在すると信じられて
きました。
しかし現実は違います。
下流よりもさらに貧困層と言われる人たちが
存在して、その数は増え続けているそうです。
この本では、それを裏付けるデータをいくつ
も提示して現実を突きつけます。
しかも、このままの状態が続くのは社会に
とっても非常に危険なことであることに
警鐘を鳴らします。なぜなら海外の例を
あげるまでもなく貧困層はテロの温床になる
からです。
一方で誰もがアンダークラス
に落ち込む可能性があることも示唆します。
現在の「新しい階級社会」の構造では、
誰がアンダークラスに転落してもおかしく
ないと言えるからです。
現在の社会政策に一石を投じる一冊です。 -
Posted by ブクログ
格差を認識しているのは主にアンダークラス(負け組)であること。
“自己責任論”はアンダークラスが自分自身をさらに追い詰めてしまうイデオロギーであること。
“新中間階級”の親に育った子どもが“新中間階級”になれず、強い敗北感を感じていること。
女性は、結婚相手の階級に依存せざるを得ないこと。
書かれていた内容が、共感できることばかりで、
そして、誰にも言えなかったことばかりで、
言えたとしても、負け組同士で愚痴り合うことしかできなかったことばかりで、
なぜ、こんなに私たちのことをわかってくださるのだろう、と。
“アンダークラスの労働も評価されるべき。”
誰も言ってくれないことを、なぜ言ってくださるのだろう、と深く感銘を受けた。