牛島信のレビュー一覧

  • 上場廃止

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    ネタバレ

    【上場廃止】 牛島 信 著

     「一緒に日本のコーポレート・ガバナンスを変えていきましょう!」と、以前、ある検討会に引っ張り込まれました。政治家、東証、マスコミ、弁護士、会計士、証券アナリストらのお歴々が揃い、なぜ自分がここにいるのか不思議なほどでした。今でこそ、「コーポレート・ガバナンス」と言えば、よく聞く言葉ですが、当時は「はぁ?」という感じ。この検討会は形を変えて、「日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)」となり、現在、牛島信氏が理事長を務めています。牛島氏の本業は弁護士ですが、小説家としても多数上梓されており拝読しました。

     これは、面白いです。さらに、優れた経済小説で、専門書など読まなくとも、企業の統治機構がよく理解できます。企業統治とは本来どういう建付けなのか、実際にはどう運用されているのかなどが、小説を読みながら自然に身につく感じです。

     2010年に『利益相反』として上梓されたものの文庫化で、「文庫版あとがき」には、「カルロス・ゴーンの犯罪を予言した本でもあった」と述懐しています。不動産業界の上場企業におけるワンマン社長の話ではありますが、いまのニデック(日本電産)にも通じるものもあるかと思います。企業にお勤めの方には必読と言ってもいい一冊です。

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    2026年01月31日
  • 少数株主

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    ー 目の前の仕事は、人類の歴史の流れが君の目の前で一つになって焦点を結んでいるものなんだ。原始、人の世に不動産というものはなかった。あったのは地面だ。いや、地面という意識も、言葉もなかったのが始まりだ。それが、1万年前に農業が始まって、すべてが変った。ここは自分のものだと標をつける奴が出てきて不動産という法的概念が生まれる。やがてその権利を売買し、貸し借りし、そのうち証券化までするようになった。だから、紛争が起きたら弁護士に頼るほかなくなる。すると、紛争予防のための契約書も弁護士に頼んでつくらなくてはならないことになる。紛争もその予防も、どちらも同じことだ。弁護士にしか見えない世の中の切り取り方があるということだ。

    反対に、そこが子どものころの幼い恋の舞台だったこと、或る人間にとって無限のセンチメンタル・バリューがある場所だということなど、弁護士には認識できはしない。地質学者にとっての土地と弁護士にとっての不動産は違う。同じ地面なのに、まったく別物だ。しかし、弁護士は場合によっては地質学者の意見を聞かねばならない事件も扱うのさ。法律は言葉と同じ。なんにでも絡みつく。そいつが、今、君の体の正面にうずくまって、君の手で触れてもらうのを待っている。勉強する奴には見えるものが、勉強しない奴には見えない。 ー

    勉強にもなるし、小説としてしっかり面白い。
    “大人の会話”がお洒落だけど、嫌味なくこんな会話する人がいるのかなぁ〜、と思ってしまう。

    人は究極的に何のために“働く”のか、を問う作品。

    非上場企業にこそコーポレートガバナンスを求め、少数株主の権利を主張しよう、というのは物語を面白くする仕掛けであって、上手く出来ている作品。

    他の作品も読みたくなったので、数冊購入。

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    2021年11月29日
  • 株主総会

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    リストラ対象になった中間管理職が会社を乗っ取るというびっくりなお話。平成11年初版、今では現実となってしまった手法が駆使されている。短いが読み応えあり。

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    2019年01月21日
  • MBO マネジメント・バイアウト

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    ネタバレ

    マネージメントバイアウト。
    株式会社の買収について、詳しく書かれている。
    増資をして、株式を割り増し発行し、元々過半数を占めていた株主を筆頭株主から引きずり下ろす。
    その先は?
    会社の運営を筆頭株主として考える、というのは、一部の人にしかできないことであり、その立場に上り詰められた人は、別次元で物事を考えるものだ、という成海の考えは、私には一生わからないものだろう。

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    2016年07月08日
  • 社外取締役

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    大学教授→社外取締役

    こんな道があるのかと、素直に驚いた。
    あと、社外取締役がどんなもんかとわかった。

    幻冬舎の出す本はタイトルが上手い・・・というかセコイ笑

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    2009年10月04日
  • 株主総会

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    ネタバレ

    気づいたらイッキ読みしてた。
    委任状を盾にとってクーデターって、奇想天外すぎるけど、やろうと思えばできちゃうのがこわい。
    最後、外資ファンドにTOBされるけど、この作品が書かれた当時よりも円安の今、日本企業はもっと買収対象になりやすくなってるよなー、なんて思ったり。
    作者の他の作品も読んでみよう。

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    2026年08月12日
  • 第三の買収

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    途中までMBO、TOBの駆け引きが面白かったが、最後がバタバタだったのは残念。
    CEOも適任なのか。

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    2022年01月03日
  • 少数株主

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    非上場企業(同族会社)のガバナンスをテーマにした経済小説だけど、勧善懲悪的な痛快さと、シニアロマンスの切なさも楽しめる意欲的な小説。少数株主について、学べます。

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    2021年12月08日
  • 少数株主

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    非上場の会社が、日本では圧倒的に多い。
    多くは、中小企業で、赤字会社である。
    そして、同族会社であり、株式は会社/取締役会の承認がなければ、
    株は売買されない。
    その中には、長い歴史を持っている会社もある。
    また、不動産を所有している会社もある。
    その場合の 会社の価値は、株式の価格だけではなく
    会社の評価から、株式が評価される。

    金鳥の株式の相続で譲渡を受けた男が、
    わずかな株式にも関わらず、1億円近い相続税を要求された。
    含資産を持っている非上場会社の株式を、どう扱うか?
    その少数の株式を、金融財産にできないか
    ということから、話が始まっているのである。
    面白い視点からの切り込みである。
    また、少数株主の権利がきちんと明記されている。

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    2021年04月15日
  • MBO マネジメント・バイアウト

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    「マネジメント・バイアウト」牛島信

    1.購読動機
    出口戦略の一つであるマネジメントバイアウト。
    正確にいえば、経営陣に資金を提供する実質的な経営社による買収。

    経営する側。
    経営をコントロールする側。

    その関係と駆け引きを関心があったから。

    2.読みおえて
    小説の域ではあるが、その通りなんだろう と納得が進むのは以下の点である。

    ①株主
    高く売り抜けたい。
    ②マジョリティ、マイノリティ
    マジョリティであるがゆえに、譲渡先と条件交渉しやすいこと。
    ③キャッシュフロー
    赤字、キャッシュ流出はジリ貧。
    立て直しは、時間を区切ること。
    ④取締役会
    過半数を外部とするのか? しないのか?
    経営に監視を行き届かせることは目的ではあるが、その手段、方法は取締役会に限定することではない。

    #読書好きな人とつながりたい

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    2021年02月07日
  • 株主代表訴訟

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    まるで、三越の岡田会長を想起させるような物語。
    会長と女帝で成り立っている取締役会。
    社長も、取締役も、監査役も事なかれ主義。

    名門 百貨店 赤木屋を舞台にする。
    黄昏ている水上監査役。
    閑散役とか、閑茶役と言われていた。
    あと3年勤めれば、サラリーマン人生終了のところ。
    監査役に、株主代表訴訟の通知が来る。
    会社を経営していても、小さな会社であれば、
    代表訴訟も監査役の役割もよくわからない。
    「三十万株以上の株主」からの代表訴訟。

    水上監査役は、相手に説得されるままに
    監査役の役割を最大限発揮しようとする。
    東郷社長室長は、薮田会長と保科美恵子の指示のままに
    立ち向かうが、監査役の権限があり、やっつけることができない。
    株主総会でしか、監査役を解任できない。

    大木弁護士のパートナーである辻田弁護士が活躍する。
    そこは、弁護士と弁護士の戦いとなる。
    薮田会長と保科美恵子の不正を暴くことができるのか?
    取締役たちも、どちらについたらいいのか悩む。
    水上監査役には、外資がついていたことが判明して
    局面は変わるように見えたが。

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    2019年07月07日
  • 株主総会

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    リストラ直前の総務部次長 各田が、株主総会で社長を解任する。
    各田の名前で、金融機関などが委任状を出すということから、
    発想された物語で、なるほどと思わせる。
    1999年の作品なので、現在は織り込み済み何でしょうね。
    社長と金融機関の関係が希薄になっている。
    銀行は、訴訟を好まないというところが落とし所。
    それにしても、社長になる自覚と覚悟が、きちんとしないと
    トップの腐敗を摘発できないものだ。
    二十人近い取締役が解任されて、仕事に支障がないというのは、
    この取締役は、ほとんど機能していないのかもしれない。
    蒔山前社長のワンマンと言える状態で、コーポレートガバナンスが
    成り立っていないとも言えそうだ。
    そして、弁護士の戦いとなるのが 興味ふかい。
    中林弁護士は、企業弁護士として成功者。
    大木弁護士は、国際派。
    弁護士の経費は、高いねぇ。
    勝たなくても、お金がもらえる仕組みが、いいねぇ。
    各田の手のうち方が早い。銀行に対するアプローチがうまい。
    銀行の保身主義をうまく使い回す。
    そして、蒔山があまりにも稚拙な個人の利益の誘導。
    多分、ゴーンも グローバル化の中で、巧みにやったんでしょうが
    まぁ。社長の利益の独占というのは、無理がある。
    各田は、うまく不正をあぶり出す。
    しかし、不正をあぶり出すことは、
    結果として会社の評価を落とすことになる。
    仮処分、そして、少数株主。銀行は戦えない。
    法定職務代理人は、次の株主総会を開くだけの役割。
    定員が足りなくなった時の 仮取締役の任命。
    最後の着地点が、そのまま 各田が社長に居座らないのがいいね。
    企業弁護士の考えているストーリー編集能力がいいね。

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    2019年07月03日
  • 社外取締役

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    「代表取締役の独断専行を牽制・抑止するのが取締役である」とは知らなかった。ウチの会社の取締役は代表取締役のお追従役。

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    2018年11月04日
  • 株主代表訴訟

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    こちらは面白かった。商法、会社法を身近に感じられる本。それにしても、監査役ってのも、実は結構なリスクをしょったお仕事なんですね。

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    2014年07月06日
  • 買収者 アクワイアラー

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    作り話ではあるけれど、それを前提として読めば、ドラマチックで面白い。作者の弁護士としての知見が活きており、臨場感もあった。

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    2013年06月10日
  • MBO マネジメント・バイアウト

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    2007年、WOWOWでも三上博史主演の2時間枠ドラマとして放映された作品。ドラマも面白かったけれど、その前に読んだ原作もなかなか。
    ちょっと現実離れはしているけれど、こういうのって素直に憧れるね。

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    2013年05月31日
  • MBO マネジメント・バイアウト

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    小野里を「しょぼい」とばっさり切り捨てられる器の大きさは自分にはないなあ。それにしても、現代というのはかくも複雑な時代になっているのですね。ファンドというものの冷酷さが印象的です。

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    2012年09月08日
  • 株主総会

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    確かにできないことはなさそうだけど、本書のように「巨悪を糾弾する」という名目がなければ早々に頓挫しそうな気がします。そして、これだけのことをやろうとするにあたっては冒頭の妻の言葉は心強い。

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    2012年07月22日
  • MBO マネジメント・バイアウト

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    2011/09/16
    久しぶりに小説読んだけど、ビジネスに携わってから企業買収系の
    小説読むと昔よりリアリティあっておもろいなー。
    社長とかやってるともっと身近なんやろうけど。
    頭ん中で関係図描く訓練にもなる!

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    2011年09月16日
  • 利益相反

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    今まで読んだ著者の作品の中で最も読み応えがあった。
    ビジネスの知識の観点でも、人間の物語の観点でも、非常に濃い内容だった。

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    2011年04月03日