衿沢世衣子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
もうね、雰囲気が大好き。
一風変わった妙ちきりんな青春群像劇。
元々は講談社から全3巻で刊行されていたものを一冊にまとめた合本版。当たり前だが分厚い。
合本版への加筆部分は各話幕間の「無用力者メモ」と巻末の「座席表」。
まず、本作に登場する「思春期性女子突発型多様可塑的無用念力」すなわち「無用力」。少年少女が思春期に差し掛かると発現する事がある各種超能力の事を指す。ある日突然備わり、そのうち消滅してしまう儚い能力。稀に成人後しばらく保有しているケースもある。
と、ここまで聞くとちょっとロマン溢れる設定だなと思うけども、本作が尖っている理由はそれら「無用力」のどれもこれもがヘンテコで、意 -
Posted by ブクログ
思春期を迎えた女子に発症する能力、無用力。
その能力は思春期しか使えない上に
その名の通り、ほとんどは何の役にも立たない能力ばかり。
そんな女子たちが集められたクラスのお話。
衿沢先生の作品としては異色作だと思うね。
しょぼい能力とはいえ、能力系の作品を描くとは思わなかった。
なのでこの作品で初めて衿沢作品に触れて
過去の作品を読もうとすると、きっとかなりの高確率で失敗すると思う。
普段描かれているのは女子を中心とした単なる青春日記のようなものですからね。
しかしこの無用力、本当に使えない能力ばかりで
心拍数が上がると物体が透けて見える。
イライラすると指がタコになる。
動揺すると20代後 -
Posted by ブクログ
モンナンカール女子高等学校・中等学校を舞台に
山も無く谷も無い女子高生の日常を描いた作品、普通だからこそ面白い。
26名のクラスメイトが各話入り乱れる全部で12のお話で
・生物室から逃げ出したヘビを雨の中捕まえるお話。
・壊れたエアコンを直すお話。
・文化祭の看板を作るお話。
・ダンスに没頭する女子と音楽を愛する女子が心を通わせるお話。
・天然サッカー少女のお話。
・極短時間で家の片付けをするお話。
・うんちくの無いコーヒーのお話。
・地下室の物置に閉じ込められるお話。
・謎のおばさんと草むらでバドミントンを体力の続く限り続けるお話。
・茶の湯ごっこのお話。
・写真の楽しさに気づき始めた女の子