Posted by ブクログ
2018年11月08日
なんてことない日常に、
藤子不二雄先生のSFよりも薄いほんの若干の不思議な要素を取り入れた
日常にありそうでなさそうなことを描のに長けた衿沢先生の特色が光る短編集。
物事はなるようにしかならないのではなく、なんとかなるのでもなく
なんとかするものだという力強さを感じるのも面白さの1つでしょうか。
...続きを読むタイトルが意味不明で、何か深い意味があるのだろうか?と
読み進めようとしたとき、もくじで納得。
10ある短編のうちの三作品
ベランダを介して得られる、お姉さんと小学生の妙な仲「ベランダ」
癖のある5人の男女の友情を描く「難攻不落商店街」
ある姉妹の地下室でのちょっとした秘密を描いた「ラ・フランス」
の題を繋げただけのものでした。
しかし表題に使われるだけあって、この三作はよくできてます。
材料はやや奇妙なのに着地点は割と普通、この静かな快感はやめられません。