田中創のレビュー一覧
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逆にコメントに困るくらい良質なノベライズ本である。まさかここまで原作の雰囲気を大切にしながら、身を詰めた良い作品を出してくるとは、ノベライズも侮れないものである。
内容的には短編集のSと同様に、パラレル的な要素を含んだものである。アイドルとなるあの三人をプロデュースするうまるちゃんや、勇者としてエビナちゃんを救ううまるちゃん、うまるちゃんのために夏コミに突入する切絵に、ゲーム実況生放送をしているシルフィンと、内容の幅広さはあちらと同様だろう。
それにしても、質の高い小説ばかりだった。どれも話としてのまとまりが良いし、原作のゆっくりとした雰囲気や、どこかとぼけた調子がよく表現されている。どことなく漂う哀愁なども、原作に忠実な点だろう。
望むべくもないほどの一作だった。文句なしに星五つと評価したい。 -
Posted by ブクログ
あざみと美桜は、どうして友だちになったのだろう。本篇で性格の違う二人を見て、そんなことを思っていた。ゲーム『都市伝説解体センター』のスピンオフである本書は、六人の作家によるアンソロジーだ。中でも今村昌弘の「ムラサキカガミ殺人事件」は、構成の妙で最もよかった。謎めいていた富入の人間性や有能さが浮かび上がり、司書との関係を知ると、本篇での振る舞いにも背景が見えてくる。事件を追う面白さと、人物を知る楽しさがつながる一篇だ。月並きらの「降り注ぐ凶兆」は、都市伝説の使い方や意外な展開が本篇に近く、満足度が高い。日部星花の「容疑者:ガイド」は緩急がうまく、読後のぞくっとする怖さでは一番だった。梨の「N番目の臨時ニュース」は、都市伝説系モキュメンタリーの手法で読ませる。宮本深礼の「囲う絆、祟る器」では、松田が意外とちゃんと仕事をする男だったとわかる。本篇で少しうさんくさかった人物が、ぐっと身近になる。そして田中創の「幽霊の手が繋ぐもの」が、あざみと美桜の出会いを描いてくれる。六篇それぞれの怖さや謎解きを楽しみ、本篇の人物たちを前より少しよく知ることができた。本篇を知っている人にこそ読んでもらいたい。
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ネタバレ私が唯一しているゲーム「刀剣乱舞」の無双が発売され、嬉しかったものの操作するのも続けるのも苦手なため、どうしようかと迷っていた。
ストーリーが凝っているらしく気になっていたところ、小説版の発行を耳にした。
とても有り難く思う。
小説版は読みにくい印象があり、楽しめるかどうか不安もあったのだが、とても読みやすかった。
五部隊編成の刀剣男士たちで物語は進んでいく。
「強襲調査」という名の任務中、面影という人物と出会う。
この「強襲調査」とは一体何なのかという謎とともに、面影が抱えていた背景も解き明かされていく。
「審神者を失い漂流を余儀なくされた本丸」という設定に、不穏な空気を感じていた。
しかし刀剣男士たちは彼ららしく、思いを一つにして戦っていた。
かつての主(歴史上の人物)と再会し、心を痛めながらもまっすぐに戦う姿は眩しかった。
面影と共闘すると決まったとき、信頼に値する人物なのかと揉めていたが、彼らが仲間として結束していく様子は胸が熱くなった。
面影と「黒の面影」の関係を知ったとき、一番に思い浮かんだのは私の推しのことだった。
「数振りの刀が集まった存在」故に起きた「欠落」「分裂」は、他人事ではないように思えた。
物語の最後の場面は、面影が見ている「夢」ということなのだろうか。
面影はずっと、夢の中で生き続けているのだろうか。
少し寂しさが残るラストだった。
読めて良かったと思う。 -
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ネタバレ五人の妹たちが織り成す楽しい高校生活が描かれたノベライズの二巻である。
この巻では本編で描かれなかった学校生活の様々なイベントが描かれていて、兄たちそっちのけで物語は進んでいる。
体育祭、学校の七不思議、修学旅行、文化祭と実に学生らしいイベントの類が描かれているが、そこでのエピソードはほのぼの愛らしい類ばかりである。
個人的には「高校生というより小中学生……?」と思わないでもない面もあったが、そうした純朴さがこの物語の根幹でもあるし、似つかわしいエピソードたちだったとも言えるだろう。
七不思議に怯える風情や、トラブル続きの修学旅行、本当の意味で全員勢ぞろいとなった文化祭など、彼女らが目一杯青春を過ごすさまは眩しいばかりである。
最終巻と同時期に発売された、本編を補完するようなノベライズは、ファンにとっては嬉しい内容だっただろう。
星四つ相当と評価しているが、内容的には本編ファンが読んで十二分に楽しめるものだと思う。 -
Posted by ブクログ
なるほど。このテーマで行こうと提案した人も、作者も、関係者全員、頭のネジが外れているのだな。
ナポレオン、アリストテレス、呂奉先、エジソンの四編からなる、ちょっとエッチな歴史ファンタジーです。あくまで歴史ファンタジーです。
『才能』を持った美少女偉人たち。そんな彼女たちに干渉する歴史改変によって起こる悲劇を回避するのが目的なのですが。
なぜか美少女偉人たちと懇ろな関係になってしまうお人よしかつモテ体質の主人公の苦労話でもあります。
偉人たちとの対話、やり取り、駆け引きなどが、歴史ネタを混ぜながら行われており。主人公が混ざることで結果的に良い方向に向かったり。
実際のところ、主人公がいなくとも結果的に歴史は修正されるのですが、ハーレム(?)モノらしく、主人公が絡んだ偉人たちが次々と仲間に加わるのも面白いところですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ニセコイ」小説版。本編からちょっと外れた、短編集。本編のイメージを崩すことなく、軽く楽しく読めた。
脇役だけど気になる二人、るりちゃんと集のお話が入ってたのが嬉しい。
小咲ちゃんが猫になっちゃう「ネコミミ」
にゃんにゃん言っちゃうネコ寺さんをひたすら愛でるお話。本編じゃ出来ないお話だろうなぁと思う。可愛くて好きだな。
マリーが凄腕のエージェントになってヤクザと対峙する「スゴウデ」
見た目は完璧、中身は…のマリーに振り回される千棘が見もの。マリー最強でした。
るりちゃんと集がクリスマスデート?!「カップル」
ついにカップル誕生かーと思わせておいて、中身はコメディという安定感。
大正浪漫な舞踏会に向けたドタバタ劇の「ハイカラ」メインキャラてんこ盛りのワイガヤを楽しむ小話。
凝った内容ではないけれど、ほんっとうに軽く楽しめるお話たちでした。