安永知澄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
超最高!本当にスカッとした。
おとぎ話ってよく考えてみれば家父長制が染み付いていて問題だらけ。悪役は大抵「醜い独身女性」で女vs女の構図ばかり。主人公は王子様から「選ばれ」、「結婚ができて」幸せになる。おとぎ話には主体的な女性はもちろん、アジア人も黒人もヒスパニックも性的マイノリティの人々も出てこない。こういった作品を男たちが書いてきたのだからゾッとする。
自由で独立していて行動する女性たち。笑ったし勇気を貰った。挿絵を描いて絵本にしたいし、演劇にもしたい。授業でディスカッションのテーマとして使えそうだ。とにかくみんなにおすすめしたい。 -
Posted by ブクログ
「黒レース白レース」
「青い満ち潮だった」
私が気持ちよかったときに
彼は気持ちよかったかな
喜びをもって高めあっていけたかな
……彼が気持ちいいときに
私は早く終われと思うときがよくあった
でも
そういうのを押し流す瞬間が
確かにあった
たくさんあった
彼といると
三ヶ月に一度
おなかがよじれるほど笑えたよ
(そして仲二階から降りてくるピアノの先生と、光と、天窓)
「桃色の手」
母は今日もまたどんどん
神秘から遠ざかっていくようだけど
戸惑うけど
嬉しいです
「黄金薄明」
私の一生は誰とも交差しないぞ
などなど。
「やさしいからだ」のピアノの先 -
Posted by ブクログ
原作者自らの手による解題の中に「おっさん達が若い娘をもてあそんでる!!」とあったので、どれどれ、と思って生年を見てみた。
作画/安永知澄(1979年生まれ)
原作/「わたしたちの好きなもの」河井克夫(1969年生まれ)
「ちぬちぬとふる」「カノン」上野顕太郎(1963年生まれ)
「なぎ」しりあがり寿(1958年生まれ)
まさにそういう短編集。
異なる3人の物語を、1人のフィルターを通してから顕現させるっていう試み。赤・青・黄色の3つの円があって、それが全部重なってるところが白で、その白こそが「安永知澄」にしてこの本の表紙の色、みたいな。そんな恥ずかしい比喩を用いたくなるような、