瀬川拓郎のレビュー一覧

  • アイヌ学入門

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    アイヌ文化が本州や朝鮮、オホーツクといった周囲の文化の影響を大きくうけてつくられてきたものだと示す。

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    2025年10月31日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    学校では、教えてくれない、日本に住む民族の話だ。日本は、決して、単一民族ではない。ただ、歴史の中に埋もれてしまっているだけなのだ。

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    2025年03月20日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    我々日本人がもしかするとありえたかもしれない時代を考察する書籍
    基本的には北海道、東北北部を中心とした縄文人の末裔に関する歴史や文化の歩みを考古学の観点から考察していく流れで進んでいくが、読み進めていくうちに鉄器などの技術は和人から流用するにも関わらず何故縄文人は和人の文化に染まりきろうとしないのか?という疑問を抱き続けるようになった。
    しかしそういった疑問を(そういう読者もいると想定したのか?)終盤で解決させる構成からか今まで知ってきた歴史の見方が変わり視野が広がったように感じるようになった。
    もしかしたら現代社会の構造が実は彼らよりも進歩的ではないのではないか?そんな事も考えさせられる内容

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    2024年08月11日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    アイヌと縄文の連続的な繋がりが見えてくる。
    ゲノム解析によると、多くの東アジア人から韓国人→日本本土人→琉球人→アイヌ人の順に関係性が直線的に離れていき、その延長上に縄文人の存在が想像できる。
    染色体分析で人類の「出アフリカ」後の軌跡を辿ると、日本語やアイヌ語を含む世界の9つの孤立言語のうち、6つが同じレイヤーのグループに属するという研究も。
    縄文は「未開」だったために弥生の稲作文化が浸透しなかったのではなく、公益の優位性から狩猟に特化する「選択をした」という考えも興味深い。

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    2024年07月11日
  • アイヌ学入門

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    「専ら自然とのみ共生し、他との交流を断つことで独自色を保ってきた民族」という我々の偏頗なアイヌ観に、鮮やかに改定を迫る良書。本書の至る所で、和人を始めとする他民族とアイヌ民族との豊かな「交易」の実情が実証性ある資料を伴って紹介されており、読み応えは申し分なし。北海道旅行のお供にどうぞ。

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    2024年03月26日
  • アイヌ学入門

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    北東アジアと本州に挟まれた地域に住むアイヌの歴史、習俗、経済等について概説している。古代において寒冷期と温暖期を挟んで北海道と本州との間にどのような移動があったか等、著者独自の研究に基づく説が含まれ、遺伝学、考古学、化学、言語学等学際的な視点から、縄文人のオリジナリティ、北東アジアの諸民族との交流、(言語的共通性は相当乏しいものの)本州和人からの文化移入といった多彩なアイヌの姿を描き出している。最後に示されている近世以降のアイヌに対する差別と複雑なアイデンティティの問題は、多様性への課題を今なお投げかけているように思われる。

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    2021年10月28日
  • アイヌ学入門

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    ただアイヌの歴史を辿るのではなく、呪術や祭祀、金などのテーマに沿ってアイヌを読み解いていく。
    本を通じて和人やロシアとの関係の中で社会をつくってきたアイヌ像が描かれており、動的な印象を持つことができた

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    2021年10月22日
  • アイヌの歴史 海と宝のノマド

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    瀬川さんの一般書デビュー作だろうか。やや硬質で、難しく感じる部分もあったが、はじめにで示されたアイヌイメージの転換(戦争と不平等)はなされたように思う。アイヌは決して縄文の生活を続けていたわけではないことを思い知ることができた。氏も言うように、
    アイヌが選びとった歴史として、単なる周縁史ではなく主体的に生きたイメージを描き直すことは重要であろう。

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    2020年09月13日
  • アイヌ学入門

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    わかりやすいアイヌ解説本。
    現代のアイヌの話まで、カバーされているのが良い。
    これを読んで旭川の博物館に行くとなお良い。

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    2020年08月05日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

    Yc

    購入済み

    アイヌの歴史を知るには良い本

    直木賞受賞の「熱源」を読んでアイヌに興味を持ち購入。
    北海道にいくつもの文化圏があったことを初めて知り驚いた。
    北海道のあの広さを考えたら当然と言えば当然かと納得。

    たくさんの物を持つ者は権力を持ってしまうと言う理由から、自分達の文化内では物々交換をしないことで、平等性を保ち続けると言う考え方は興味深い。
    おそらく当時の人口の少ない時代だからこそできることだったのだろう。
    今なら一つの集落単位や、サークルほどの単位でなら出来そうだ。

    資本主義万歳!お金万歳!個人の自由万歳!の現代ではこんな考え方の社会はまず無理だろう。

    でも現代社会に疲れて別の生き方をしたいと思う人にとっては、1つの指針

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    2020年07月20日
  • 縄文の思想

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    縄文文化、アイヌ文化、南島(鹿児島など)海民文化に、共通性が見られる、というところから、そこに残っているのは縄文の思想ではないか、という視点から書かれた本。
    (縄文文化に文字はないので文献等から知ることはできない)
    根底には、農耕(日本の弥生時代)を起源とする資本主義社会の生きづらさへに対するヒントとを縄文思想に求めようという著者の意図が伺える。

    弥生の農耕文化が朝鮮半島を経由して日本に広がったことはほとんど間違いない。
    このとき、縄文人は弥生人に駆逐されたのかというと、遺伝子が大陸の人々と十数%異なることから、縄文人は弥生人と同化もしたであろうことが書かれている(逆に言えば現代人の80%以

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    2020年07月10日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    シャーマンキングやゴールデンカムイなどの漫画からアイヌに興味を持つようになり、ちょうど筑摩書房のセールもやっていたため購入。

    縄文人の末裔であるアイヌの歴史を振り返りながら、同じ祖先である縄文人の縄文思想とは何だったのかを考えていく内容です。
    これは良書ですね。
    遺伝子的な部分だけではなく、言語や文化、風習などといった多角的方面からアイヌの歴史について述べています。
    そして参考文献の数がすごい…。

    アイヌを語るのに欠かせない本州との関連や中国やロシアなど大陸側との関係にも言及されており、より理解が深まります。
    今のアイヌはただ縄文人が外部の文化を受け入れずに現代まで続いているのではなく、様

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    2020年06月28日
  • 縄文の思想

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    自然との共存とは、低開発ではなく、
    自然と結び付いていた世界観、他界観が現実の世界そのものであり、
    自然自体が人々の生と死を結び付けるものであった。

    海民とアイヌは自らの社会に不可欠な自由と自治のために縄文の思想を選んだ。

    平等と分配 
    神からの贈与は魂でもあり、商品化して売り払ったり独り占めすることはしない。
    商品経済は人間性を否定している?

    ブログには、もう少し詳しく書いてあるので、よかったら見てください☆

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    2020年06月03日
  • アイヌ学入門

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    昨年「第3回古代歴史文化賞」の大賞を受賞するなど、なにかと話題になった本。

    これまで関連本を何冊か読んだり、博物館などを見て来た限りでは、アイヌ民族の自然や野生、道具への畏敬とか、世界観とか、サステイナブルな生き方とかにスポットが当たったものが多かったように思う。もちろんそれも一面の真実だろうけど、人間社会だもの、そういう文化的な美徳ばかりではないだろうなという、どこか収まりの良くなさも感じていた。

    この本は、今まで見ていたそうした風景に一石を投じてくれる。すなわち、オホーツクや大陸東北部の先住民、和人との交易や、砂金の採掘や取引という、いわば経済的な側面を、考古学の知見などに照らしながら

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    2019年06月21日
  • アイヌ学入門

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    著者の専門である考古学の研究成果を、文献資料や言語学、伝説まで動員して照合するという知的好奇心をくすぐられる内容。アイヌ文化の概要が知りたくて手に取ったのだけど、期待以上に深い知識が得られたと思う。異文化との接触によって変化してきたアイヌ、地域による多様性などなど、ステレオタイプな理解を拒むかのような記述に圧倒された。ただ、近代以降の差別・弾圧の歴史はかなりあっさり書かれている印象。

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    2018年11月26日
  • アイヌ学入門

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    ネタバレ

    日本という領域で(といっていいのかな)かなり互いに影響しあっている一方で、それでも大きく違うまま20世紀まで来たいくつかの民族が統合されていく中でのアイヌ学入門。後半のインタビューがけっこう大きいか。

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    2018年11月12日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    北海道にこのような特異な文化が育まれてきたことを全く知らなかった.p.19の表で本州の時代との比較があるが,続縄文時代,擦文時代,ニブタニ時代と続き,オホーツク文化も並行して進んでいる.アイヌが縄文時代の風習などを正確に伝えてきていることは驚きだ.さらに大陸との交流も盛んでますます興味が湧く.日本の歴史の見方を根本から変えてくれる好著だ.

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    2016年11月09日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    北海道の縄文人の食事は肉食主体で、オットセイやアザラシなど海生哺乳類に偏っていた。本州では一定期間飼育した子イノシシを殺す祭が行われていたが、北海道にはイノシシが生息していないにもかかわらず、祭りを行うために本州からイノシシを入手していたらしい。著者は、このイノシシ祭りがクマ祭りのイオマンテに変容したと推測している。

    本土の弥生・古墳時代は、北海道では続縄文時代が並行する。1世紀以降、東北北部では水稲耕作が行われなくなり、人口が減少していた。4世紀になると北海道の人々が東北北部に南下し、古墳社会の前線地帯である仙台平野と新潟平野を結ぶラインまで進出した。続縄文時代には、皮なめしの石器が大量に

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    2018年10月31日
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史

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    現代のいわゆる日本人とアイヌ人の祖先を辿ると、縄文人に行き着く。縄文人からいかに弥生人とアイヌの祖となる人々が分かれ、どのようにそれぞれの文化を発展させたかについて書かれている。

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    2016年06月16日
  • アイヌ学入門

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    話題の焦点が縦横新旧自在にスライドしていくので集中力を保つのが難しいが、その分アイヌを知るための手がかりが豊かな複層をなしていることを知ることのできる、入門書としては充実した一冊だと思う。

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    2015年09月22日