アンドリュー・マカフィーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「機械との競争」とほぼ同じ内容ではあるが大幅に加筆されており読みやすい。読むべき価値のある本だし、今選ぶならこちらだろう。
・産業革命は機械の力を生産に利用するためのファーストマシンエイジの幕開けであった。今、時代はセカントマシンエイジの入り口にある。
セカンドマシンエイジには指数関数的な高性能化、デジタル化、組み合わせ型イノベーションという特徴がある。
指数関数的な高性能化はムーアの法則に代表されるが、CPUのみならず記憶装置やネットワークなど全てがそう。これまでこのような増加を続けた分野はない(飛行機の速度や小麦の収穫量などが18ヶ月ごとに倍になることはなかった)。イノベーションは全く新しいことを発明するのでなく、既存のものの新しい組み合わせであるが、デジタル化はこれを容易にする。
・今後は物的資本を蓄積してきたもの(資本家)、人的資本を蓄積してきたもの(高スキルの労働者)、スーパースター(特別な才能に恵まれたもの)に勝ちがかたよる
・定型的な仕事は機械にとってかわられるだろう。非定型な仕事は肉体労働も非肉体労働も今後とも需要は堅調だろう。ただし、非定型な仕事であったも介護職や庭師など肉体労働の分野には機械に職を奪われた層が移動してくる。そのため、人間同士の争いが熾烈になる。
・これまでの市場では輸送コストや供給面の制約から、最高の商品といえども市場の一部しか満足させられなかったが、デジタル化により複製が容易になったため、セカンドベストはお呼びでなくなった。価格も大幅に下るため「ちょっと質は落ちるが安い」という手も使えなくなる。ベストの者が限りなくゼロに近い限界費用を活かし、勝者総取りになるの傾向が強まった。ネットワーク化もこれに拍車をかけている。フェイスブックを使っている人が多ければ、新しくSNSを始める人もフェイスブックを選ぶ。
・世の中の所得分布はこれまでのように正規分布から外れてきて、べき分布になっている。とりわけ高所得層の世界はべき分布によく当てはまる。正規分布の時代には少しでも能力差があれば、少しでも給与の違いとして反映されたが、べき分布の時代には教育だけで違いを生み出すことはできない。
機械が高度に発展した時代には、必ずしも人間が仕事をする必要はないのかもしれない。と、いうことでベーシック・インカムについても検討されているが、これはヴォルテールのことばにある「労働は、人間を人生の三悪、すなわち退屈、悪徳、困窮から救ってくれる」という中の困窮には効果があるが、他には効き目がない。おそれくこれは人間を怠惰にし、治安を悪くさせるだろう、ということで負の所得税が勧められている。 -
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MIT教授らによる、IT革命がもたらした"影"の部分、すなわち雇用喪失や格差拡大といった、社会に対する「負の影響」のマクロ経済的な分析と、それらの課題に対する提言をまとめた一冊。
過去の産業革命では、蒸気機関等の革命的技術が衰退産業を上回る規模の雇用を創出したため、失業が社会問題化することはなかったが、「ムーアの法則」に象徴される今日の技術革新スピードは速すぎて人や組織が着いていけず、「雇用喪失>雇用創出」の状態に陥っており、格差を助長する要因にもなっているという。
この状況を打開するには「技術を味方につける」ための組織革新や人的投資が不可欠であるとして、「新たな組み合わせによるイノベーション」を、足し算ではなく"かけ算"で行うことができる組織・人材開発の必要性を主張する後半は「フリー」以降の文脈にも通じており、「ITによって仕事が奪われる」という危機感を逆に原動力にして、前向きに未来を切り開こうという"楽観論"は納得感が高い。 -
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「チェス盤の法則」によって指数関数的に進む技術革新のスピードから、機械化、自動化が進むと今まで以上に一部の仕事が人からコンピューターへ置き換わるスピードはアメリカで起きている現実よりもっと加速していくのかも知れない。ただ、「弱い人間xマシンxよいプロセス」のほうが、「強い人間xマシンxお粗末なプロセス」より勝っていることも事実。今でさえ生産の現場で人間が高度に自動化された機械やコンピューターを本当に使いこなせているかは疑問だし、移民政策などがなかなか進みづらい、人手不足の日本のような国こそスキルの向上を徹底的に行って、生産性をあげていくしか道はないのでは。
チェス盤の法則は、ローマクラブの「成長の限界」とよく似たメタファー。色んなリスクマネジメントをしていかないと。。 -
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<目次>
はじめに
第1章ジャレド・ダイアモンドいま人類が直面する危機
第2章ブランコ・ミラノビッチ2つの資本主義が世界を覆う
第3章ケイト・レオワース世界中の人をドーナツの中に入れる
第4章トーマス・セドラチェック倫理と経済、どちらが先か
第5章レバッカ・ヘンダーソン資本主義を再構築する
第6章ミノーシュ・シャフィク社会契約をつくり出す
第7章アンドリュー・マカフィー資本主義は脱炭素化する
第8章ジェイソン・ムーア生命の網のなかの資本主義
あとがき
機関紙”kotoba”(集英社)の2021冬~2022秋まで8回
のインタビュー記事の完全版。大野氏のインタビュー。
①p17正しい選挙が行われないならば、民主主義の
終わり。アメリカは民主主義はなくなり独裁国家になる
可能性がある。
①p33もっとも警戒すべきは、新興感染症である。
②p442つの資本主義とは、政治的(国家)資本主義
と、リベラル資本主義である
⑤p119パンンデミックによって各国とも格差が具体化した -
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非IT 企業がデジタル変革を推進するためのプロセス、ポイントを解説。
・デジタル技術を活用し、競合企業より優れた業績を上げている企業は、様々な業界・分野に存在する。このような企業を「デジタルマスター」と呼ぶ。
・デジタルマスターは、次の2つの能力に優れている。
1.デジタル能力:どんなテクノロジーを持つのか
2.リーダーシップ能力:いかにして変化を導くのか
この2 つが組み合わさることで、明らかな優位性を築ける。
1.デジタル能力を構築、テクノロジー活用で、ビジネスのやり方を変える。顧客体験を変革する場合、以下の4つを組み合わせて行う。
①顧客行動を理解し、顧客起点の体験を設計する。
②デジタルに投資し、顧客との関わり合いを強化する。
③顧客データをすべての顧客体験の中心に据える。
④実際の体験とデジタル上での体験を結び付ける。
2.経営幹部が強力なリーダーシップ能力を発揮し、変革を進める。変革を成功させるためには、将来のデジタルビジョンが不可欠。描く際は、次の3 つの角度から検討する。
①顧客との関わり合い方を見直す。
②業務のオペレーションを再構想する。
③上記2 つを組み合わせ、ビジネスモデルを見直す。
・デジタル変革を阻む要因は、経営の慣性、つまり変化の必要性を感知し損ねることにある。
これを乗り越えるには、課題を認識し、自社の出発点を知り、ゴール地点を決めること。 -
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ネタバレ■人間とマシン
・人間の強み
「窓の外を見る」
偶発的要因を考慮、常識。
・ルールより統計へ
コンピューターは子どもと同じ統計的パターン認識、
大人はルールに基づくシンボリック手法で習得。
英語の形容詞の順序ルール
自分の意見、大きさ、年齢、形状、色、原産地、材質、目的の順。
ルールが多すぎ、守れない。
■物理的なモノ・サービスとプラットフォーム
・ここ20年間の地殻変動「オンライン プラットフォーム」
Free 無料、Perfect 完全、Instant 瞬時
O2Oプラットフォーム
オンラインを介したオフラインビジネス
UXが武器とし、情報の非対称化を解消
2面市場:売り手と買い手の価格弾力性
■コアとクラウド
・専門家(コア)に頼るな
大前提に固執、組織の硬直化、機能不全に。
クラウドの門外漢をネットで結び付ける。
・ビットコイン・ブロックチェーン
中央権力とは無縁のコミュニティ
分散型公開元帳
・マネージャー
数学的スキルよりソーシャルスキルが必要に
複雑で早い変化への対応への橋渡し
数値だけでは納得しない
人間は一緒に働くのが好き
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『機械との競争』を著したエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーのコンビによる著作です。内容は前著と同じですが、前著は小論といった文量であったところ、本作はより詳細かつ網羅的・構造的に書かれているため、前著の完成版と位置付けることができます。あるいは、前著は本著のダイジェスト版とも言えます。また、本著は前著の前提知識を必要としません。
コンピュータを中心としたテクノロジーが社会に影響を与える「セカンド・マシン・エイジ」においては、2つのべき分布が存在します。一つはムーアの法則でよく知られた技術の発展の度合いであり、もう一つは所得分布です。
べき分布はどの区間を取っても同じ線形を見せ、微分して傾きが1の所に立つと、後ろはほとんど平坦である一方、前はほとんど垂直の崖のようです。そのため、過去を振り返ってもほとんど変化が起きなかったように思えるのに、控える未来は急激に変わることが予想されますし、その急変の内容は容易に予想できません。所得分布については、セカンド・マシン・エイジにおいては高スキル労働者の需要が高まり資本家の力が強くなりますが、それよりも重要な事象は、限界費用が限りなくゼロに近づくことやグローバル化、ネットワーク効果などが相まって勝者総取り(スーパースターの台頭)になることです。実際に、アメリカにおいては1人あたりGDP平均と所得中央値は1975年ごろまでは歩調を同じくして上昇しているものの、それ以降は平均値は上昇し続けていますが中央値は横ばいあるいはやや下降しています。
このような時代にあっては、政策は何よりも教育に重点を置くこと(そして個人としてはとにかく勉強すること)、加えて法整備により起業のしやすさや知財関係を整えること、負の所得税のように最低保障と労働インセンティブが共存する再分配をすることが求められます。そして、「機械は人から労働を奪うか?」という問いに対しては、「機械とペアを組む」ことが解であり、そのための教育が特に求められます。