上原善広のレビュー一覧

  • 日本の路地を旅する

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    被差別部落(穢多・非人)に関するルポルタージュ。
    著者も部落出身だが、解放運動の闘士ということもなく、かと言って遠巻きに見る傍観者というでもない、適度な距離感の視点がよかった。
    しかし、楽しく読める本では無い。

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    2013年08月18日
  • 被差別の食卓

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    被差別部落出身の著者が、世界の被差別民の食文化を追ったルポ。
    正直客観性には欠けているけど、紀行文として面白かった。
    自らも被差別部落出身というアイデンティティありきで、それがないと成立しないのは分かるが、ちょっと途中しつこく感じた。
    ただ、自分も被差別民だと告げることによって毎度取材対象が心を開いていくのを見ると、やはりこの人でないと書けない本なのかもしれない。
    逆に、世界の被差別民が日本の被差別民の食事を口にした時の感想を聞いてみたいと思った。

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    2013年07月17日
  • 日本の路地を旅する

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    関東に長く住んでいるためほとんど馴染みの無い、部落問題について知る事が出来た。肉屋は元々エタの仕事なんだな。今、日本人が牛肉や豚肉を食べているのが不思議な位。
    自身が非差別部落出身だったら、どんな気持ちなんだろう?

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    2013年06月08日
  • 日本の路地を旅する

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    FBで友人が読んでいるのを見て、ポチったのは半年前くらい。読むにはちょっと重そうだったので、今まで読まなかった。路地とは被差別エリアのこと。路地出身者の著者が日本中の路地を廻った記録。現地のことを語りながらも自分のことを語っている気がする。自分の地元でこんな路地があるのかないのかも知らないが、こんなことがまだ語られていて驚くとともに、淡々と述べる著者の力量もなかなかのもの。解説が苦役列車の西村さんというのもおもしろい。

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    2013年05月31日
  • 日本の路地を旅する

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    先日読んだ、『橋下徹現象と部落差別』にて、著者が「被差別部落出身者が、自ら育った被差別部落で売文している」と批判されていたので手に取ってみた。

    全国各地の「路地」に出向いて、それぞれのルーツを探る。
    ときには、著者の過去も照らしに合わせる。

    この本を読むだけでは、批判すべきようなものではなく、小林健治氏と被差別部落に関するスタンスが違うだけだと感じる。まあ、小林健治氏が批判したのは、雑誌に橋下徹に関して書いたことだけならばわかるが。

    個人的に被差別部落=路地というのは、かなり違和感があるが、中上健次の本を読みたくなった。

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    2014年02月15日
  • 被差別の食卓

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    「被差別部落」は透明になればなる程よいと思っていた。特に日本の差別問題の場合は、黒人問題と違って、見た目でも名字でも分からないわけだから。(名字で分かるという方もいるかもしれないけれど、本書で書かれているパキスタンの名字ほどではない。)

    でも、そこにはそこ特有の文化があって、それをなかったことにしてしまうのはちょっと違うのかもしれない、と考えを改めた。差別がなくなるというのは、「私は部落出身なの」という主張が「私は東京出身なの」というのと同じ受け止められ方になること、なんだなと。

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    2012年05月31日
  • 聖路加病院訪問看護科―11人のナースたち―

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    聖路加=富裕層のイメージが強かったが、生活保護の方も多いのにちょっと驚いた。今後ますます増えていく老老介護。安心して介護を受けられる時代は来るんだろうか・・・自分の老後がちょっと心配。

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    2011年12月06日
  • 異形の日本人

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    ネタバレ

    虐げられても、貧しくとも、偏見に屈せず、たくましく生きた人たちがいた。哀しい宿命のターザン姉妹、解放同盟に徹底的に弾圧された漫画家、パチプロで生活しながら唯我独尊を貫く元日本代表のアスリート、難病を患いながらもワイセツ裁判を闘った女性、媚態と過激な技で勝負する孤独なストリッパー…社会はなぜ彼らを排除したがるのか?マスメディアが伝えようとしない日本人の生涯を、大宅賞作家が鮮烈に描く。

    上記の内容の、市井に生きる凡人たちによる凡人の偉人伝。

    上原義広の作品に最近はまってます。こういう作家が自分と同年代にいるということがうれしくもあり、その反面刺激にもなる。

    その時代の社会性や、人格的で

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    2011年11月10日
  • 異形の日本人

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    日本の中で異形と呼ばれる人たちにスポットを当てた本

    世間からは異形(異端?)とみられる人たちも
    じっくりと接すると、世間の噂や評価とは違った人物像が浮かび上がる

    6章に分かれ、6人のたくましく生きる姿を描いているが
    その6人に共通点はあまりなく
    結局何が言いたかったのかわからない

    1章ずつは、面白く読んだが
    連載ではなく1冊の本となると、出来栄えは????という感想

    ★は3つつけたが、実際は★2~3といったところ

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    2011年11月06日
  • 被差別の食卓

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    食の切口からみた、差別と貧困の文化。世界各地の被差別民の食卓には、共通する思想、長く差別され続けることからしか生まれえなかった思想が流れている、と教えてくれる。
    テーマは厚いけど、旅行記のような体をとっていてさらりと面白い。

    私の問題は、ネパール、インドの牛料理もアメリカのフライドチキンもブラジルのフェジョアーダも差別から生まれた食べ物だと知りながら食べたことがあったのに、
    日本のさいぼしやあぶらかすについては聞いたことさえなかったという、外を向いた知識の偏りなんだろう。
    「極東カースト問題」…ね。

    前に著書を読んだことがある八木澤さんが出てきて驚いた。

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    2011年05月20日
  • 被差別の食卓

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    差別と貧困の中で生まれた反骨の食文化を求め、世界各国を旅する筆者のルポ。
    私の大好きなフライドチキンがアメリカの黒人奴隷料理がルーツだったとは、驚きました。ほか、ごちそうとして食すハリネズミ料理や、タブーとされた牛を食べることで差別されていたネパールのサルキなど、興味深かったです。

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    2011年05月17日
  • 被差別の食卓

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    ★3.5
    テーマが面白かった。世界中の被差別地域独自の食事を自らの足で周って、レポートされたもの。ブラジルやネパールには出向けないものの、日本のそれも関西なら自分の舌で確かめることができるかも。興味をすごくもった。 しかし、テーマはすごく面白いのだが、そもそも題名に惹かれてこの本を手に取ったのでもっと日本のことを書いてほしかった。関西圏以外は述べられていなかったので。

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    2011年03月24日
  • 異形の日本人

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    「差別は悪くない」だけど「差別に上下の区別」「優劣をつけるからよくない」という平田の言葉には同感。「異形」とか他と違うものを持つ人、マイノリティにはどうしても興味が行くが、なかなか表には出ないものだけど、そうした人たちを取りあげた本。

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    2011年02月03日
  • 被差別の食卓

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     アメリカ、ブラジル、ブルガリアとイラク、ネパール、日本、夫々の被差別民の食事のルポルタージュ。 つい共通点が何かを探そうとしながら読む。やはり内臓、屍肉を食べることから大蒜、唐辛子は被る。消毒、殺菌、匂い消しは共通だ。
     それと酢。これも殺菌、消毒、匂い消しなのだろう。 故平岡正明が全冷中時代に出したテーゼ「世界史は酢の海に浮かんでいる」を思い出す。
     唐辛子、スパイス、ハーブ、ビネガーと書くと、こじゃれて小賢しい料理が浮かぶかも知れない。 だが大蒜、唐辛子が効いた、塩気の強い料理は香りだけで血が騒ぐ。それが何処の国の料理であろうと、だ。 きっと凡ゆる料理のルーツが、殺菌+消毒+匂い消しなの

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    2011年01月16日
  • 聖路加病院訪問看護科―11人のナースたち―

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    人がどうして在宅死を望むのか。
    財団法人『日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団』2005年
    の研究で、83.3%の人が在宅で最期を迎えたいといっている。
    しかし、そのうちの80%はそれが無理ではないかという。

    訪問看護はいう。『やはり自宅で過ごせれば、誰にも気兼ねなく、趣味や、好きなことを好きなだけできるし、家族ともいつでも会える。ホスピスはまだしも、在宅は病院のような規則もないですからね。生活スタイルも、もう寝たきりになったとしても、自宅だと生活リズムを変更しなくてもいいですからね。』

    訪問看護は、病院とは違う、『退院はない、終わりは死だけ』とスタッフはいう。それだからこそ、病院よりも責任

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    2010年08月19日