上原善広のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
ネタバレ虐げられても、貧しくとも、偏見に屈せず、たくましく生きた人たちがいた。哀しい宿命のターザン姉妹、解放同盟に徹底的に弾圧された漫画家、パチプロで生活しながら唯我独尊を貫く元日本代表のアスリート、難病を患いながらもワイセツ裁判を闘った女性、媚態と過激な技で勝負する孤独なストリッパー…社会はなぜ彼らを排除したがるのか?マスメディアが伝えようとしない日本人の生涯を、大宅賞作家が鮮烈に描く。
上記の内容の、市井に生きる凡人たちによる凡人の偉人伝。
上原義広の作品に最近はまってます。こういう作家が自分と同年代にいるということがうれしくもあり、その反面刺激にもなる。
その時代の社会性や、人格的で -
Posted by ブクログ
食の切口からみた、差別と貧困の文化。世界各地の被差別民の食卓には、共通する思想、長く差別され続けることからしか生まれえなかった思想が流れている、と教えてくれる。
テーマは厚いけど、旅行記のような体をとっていてさらりと面白い。
私の問題は、ネパール、インドの牛料理もアメリカのフライドチキンもブラジルのフェジョアーダも差別から生まれた食べ物だと知りながら食べたことがあったのに、
日本のさいぼしやあぶらかすについては聞いたことさえなかったという、外を向いた知識の偏りなんだろう。
「極東カースト問題」…ね。
前に著書を読んだことがある八木澤さんが出てきて驚いた。 -
Posted by ブクログ
アメリカ、ブラジル、ブルガリアとイラク、ネパール、日本、夫々の被差別民の食事のルポルタージュ。 つい共通点が何かを探そうとしながら読む。やはり内臓、屍肉を食べることから大蒜、唐辛子は被る。消毒、殺菌、匂い消しは共通だ。
それと酢。これも殺菌、消毒、匂い消しなのだろう。 故平岡正明が全冷中時代に出したテーゼ「世界史は酢の海に浮かんでいる」を思い出す。
唐辛子、スパイス、ハーブ、ビネガーと書くと、こじゃれて小賢しい料理が浮かぶかも知れない。 だが大蒜、唐辛子が効いた、塩気の強い料理は香りだけで血が騒ぐ。それが何処の国の料理であろうと、だ。 きっと凡ゆる料理のルーツが、殺菌+消毒+匂い消しなの -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
人がどうして在宅死を望むのか。
財団法人『日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団』2005年
の研究で、83.3%の人が在宅で最期を迎えたいといっている。
しかし、そのうちの80%はそれが無理ではないかという。
訪問看護はいう。『やはり自宅で過ごせれば、誰にも気兼ねなく、趣味や、好きなことを好きなだけできるし、家族ともいつでも会える。ホスピスはまだしも、在宅は病院のような規則もないですからね。生活スタイルも、もう寝たきりになったとしても、自宅だと生活リズムを変更しなくてもいいですからね。』
訪問看護は、病院とは違う、『退院はない、終わりは死だけ』とスタッフはいう。それだからこそ、病院よりも責任