上原善広のレビュー一覧

  • 路地の子

    すらすらと読めました。

    展開がダイナミックで、すらすらと読めました。食肉の利権についての理解も深まりました。
  • 日本の路地を旅する
    のっぴきならない境遇と矛盾を抱え社会から逸脱してしまうものに、シンパシーといくばくかの憧憬を覚えてしまう。ヤクザ、在日、風俗嬢、そして部落。

    被差別部落出身である著者の、部落を旅し、つなげる道程を綴った力作には3.5点をつけたい。
    文章はさほどにうまくないが、肉体性はある。感性が鋭いというよりも、...続きを読む
  • 発掘狂騒史―「岩宿」から「神の手」まで―(新潮文庫)
    岩宿遺跡の発見から石器捏造事件まで、日本考古学界における旧石器発掘をめぐる作品。本作は単なる事件ルポではなく、旧石器発掘に関わった人々の生い立ちから業績までを、実に丁寧に取材したノンフィクションとなっている。

    西洋に聖書を基軸とした歴史観があるように、日本でも特に戦争中は皇国史観が強く支持されてい...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    この本は、かなり、面白かった。昔から部落問題が言われていたが、それらが、日本の地方の暮らしに深くかかわっていて、今は、平穏に見えるかその土地も身分、家、部落などのしがらみの中で、生活してきたとわかり、今の寂れた地方の底流にあるものが見えた気がした。しかし、その場所を本から特定して、地図で、確認したい...続きを読む
  • 被差別の食卓
    自分の好みにタイプのタイトルなのでジャケ買い。文体も違和感がないし、内容も非常に興味深く面白い。
    作者のフィールドワークの細かさが正確に伝わってくる。そこにあるものを食べるだけでなく、可能な限り人の話を聞いているし、その土地のことも詳細に書いてある。
    おそらくもともと被差別の話は文字で残っているもの...続きを読む
  • 被差別の食卓
    ふつーに面白く読んだ。
    なんか色々美味しそう‼︎
    あぶらかすも気になるがカロリー凄そう…
    あまり身近で被差別部落を感じたことないけど、
    世界のいろんな民族との比較も
    興味深かった。
    ちょっと母の味のくだりはしつこかった。
    自分で再現しなさいな‼︎
  • 日本の路地を旅する
    日本中に点在する「路地」と呼ばれる非差別部落と、その痕跡を辿る旅。自分の周りではほとんど話題にならないテーマだったため、大変興味深く読んだ。

    北は北海道から南は沖縄まで、タイトル通り幅広く日本各地を取材している。著者の上原氏自身も大阪の部落出身であるため、このような取材が可能だったのだろう。ちなみ...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    著者が、日本の「路地(=被差別部落)」を巡り歩いた記録をまとめたノンフィクション作品。大半部分が雑誌『実話ナックルズ』に連載されたもので、2009年に発刊(2012年文庫化)され、2010年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞している。
    著者は自身が大阪・更池の「路地」(被差別部落を最初に「路地」と呼...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    「フクシマ差別」という言葉があるが、いつ聞いても不可解だ。
    なぜかって、フクシマ差別される人は、2011年3月11日より前は差別の対象となる要素は何ひとつなかった。なのにある日突然、福島県境が差別を受ける対象となる土地への線引きに変わり、「放射能がうつる」などの忌避の対象となってしまう。差別される当...続きを読む
  • 被差別の食卓
    アメリカ、ブラジル、ブルガリア、イラク、ネパール、そして日本。
    各国の被差別民とされる人たちが暮らす地域を訪ね、その食をレポートした本。
    今も差別が色濃く残るところ、水面下に潜んで見えなくなってしまったところ。
    どんな差別を受けたのかといったことは、(かなりソフトに書かれているのではと思うが)やはり...続きを読む
  • 被差別の食卓
    フライドチキンが被差別料理というのは意外だった。
    昔は一般の人が食べていなかったホルモンも今ではメジャーな食材になっているし、被差別料理の垣根はどんどん低くなってきているのかも。そのうち「あぶらかす」もスーパーで売られるようになったりして。
    被差別部落出身というバックグラウンドを活かして、外国でもす...続きを読む
  • 路地の教室 ──部落差別を考える
    【コメント】
    自分は、部落差別を肌で感じたことは、
    一度もない。だけど部落差別の一端を
    垣間見ることはできた。

    本書の興味深かったところは、
    「部落のルーツ」と「同和利権」の
    トピックだ。それは、穢多非人がどう
    いった人たちで何を生業にしていたの
    かということだ。

    著者は路地の差別を憂えている。...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    被差別部落のことを「路地」と呼んだのは、作家の中上健次だそうです。
    この本は、被差別部落出身の作者が、全国各地の被差別部落を訪ね歩いたルポルタージュです。
    残念ながら私は中上作品は読んでいませんが、中上自身も和歌山の被差別部落の出身なのだとか。
    恥ずかしながら、この本を読むまで作者の上原善広氏のこと...続きを読む
  • 路地の教室 ──部落差別を考える
    表題の路地が差別部落を表しているのには気が付かなかった.難しい問題をできるだけ分かりやすく解説しているのは好感が持てる.路地の伝統が日本の社会の中に生きていることが分かった.交番やカスうどんがそうだとは知らなかった.
  • 路地の教室 ──部落差別を考える
    「差別」についてわかりやすく書かれた本です。
    なぜ差別はできたのか?
    なぜ引っ越ししても差別があるのか?
    なぜ引っ越ししないのか?
    など、素朴な疑問に対する答えも書かれています。
  • 異形の日本人
    ターザン姉妹、解放同盟に弾圧された漫画家、パチプロの元槍投げ選手、筋委縮症でセクハラ裁判の女性、ストリッパー、皮田藤吉(初代桂春團治)に関するレポ。

    主に各紙に掲載されたものをオムニバス形式に。

    読み物としては、鹿児島のターザン姉妹に関するものが秀逸。
  • 被差別の食卓
    今や大阪のかすうどんは大阪名物の土産として駅売店に売っているぐらいなので世の中どうなるか分からないものである。
  • 路地の教室 ──部落差別を考える
    この著者の「路地」の本は、前々から読みたい気持ちがあり、今回ちくまプリマー新書から出たので読んでみた。
    一読してみて、すごくまっとうな感覚の持ち主なんだなと感じた。
    差別について、人間について、過激でもなく、温くもなく、淡々とやさしい思想が展開されている。
    ほかの本も読んでみたいと思った。
  • 路地の教室 ──部落差別を考える
    「路地」出身者の筆者が、「路地」出身者、一般人双方の視点に立って、現在の日本に残る根深い部落差別について、自らの思うところを書き記し、社会に向けて、その歴史をきちんと踏まえるところから始まると説く。
  • 私家版 差別語辞典
    「差別語」を集め、それらがなぜ差別語とされてきたか、その源流を探る。
    この本に載っている差別語はほとんど聞いたこともないものだった。それだけ差別語がやがて消えていくものだということを実感させられる。
    著者はまた差別語はその言葉自体が差別するものではなく、使用者の意図が差別的ならば差別語になると主張し...続きを読む