上原善広のレビュー一覧

  • 被差別の食卓
    世界各地の被差別地帯に伝わるその地特有の「ソウルフード」と、今も残る差別の実態を紹介したルポ。
    すごく興味深かったです。余り物や本来捨てられるような部分をうまく利用した料理の数々から、なんというか反骨精神のようなものを感じました。
    しかしハリネズミ調理方だけなぜそんな写真入りで詳細に…
    黒人差別の話...続きを読む
  • 日本の路地を旅する

    一つの文化と歴史がわかる

    日本全国の路地を旅しながら、その土地の路地の歴史、文化を伝えている作品である。
    その路地がどのような経緯でつくられたのか、そこで生活していた人々はどのような仕事をしていたのかといったことが良くわかる。
    確かに、厳しい生活をしていたが、路地内の人たちはその中で普通に生活し、独自の風習や文化を形成し...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    被差別部落問題ってなんとなくずっと心に引っかかっている。ふつうに学校の授業を受けている時間だけではこの言葉に出会ってこなかったと思う(ってもちろん私が聞いてなかっただけかもしれないけど)。それでもこれを知っているのは、高校の学校行事で行った広島旅行で、被差別部落を訪問するというコースを選択したからだ...続きを読む
  • 被差別の食卓
    若くしてよくこんな調査をしたものだと驚いた。被差別部落出身の著者がかつて当たり前に食べていた食事から始まる調査。
    テーマが世界の被差別民がどのようなものを、どのようないきさつで食べているのかなので、内容は過酷なところもあるが、実に冷静な文章で読んでいて心苦しくなるようなところがない。
    とても面白かっ...続きを読む
  • 聖路加病院訪問看護科―11人のナースたち―
    この手の看護師目線の本はよくあるが、ルポライターからの視点というのが新しかった。
    一環とした冷静さと複数の目線から訪問看護を見つめていて、1人の看護師による熟考した内容でなく、その都度インタビューで拾った生の声が描かれていて、はじめて訪問看護に対して逃げ腰になった。
    ステーションではなく病院の訪問看...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    「路地」とは被差別部落のこと。中上健次は被差別部落を指してそう呼んだそうだ。自らも路地出身の筆者が全国に点在する路地を巡りその成り立ちや景色を描出する。
    西日本では身近な路地も、関東では馴染みのないことが多い。しかし東京にも路地は存在したし、いま現在も路地はたしかにある。そうした路地の記憶を掘り起こ...続きを読む
  • 日本の路地を旅する
    僕は北海道で生まれ育った。北海道にはいわゆる同和問題は少ない。そんな僕に同和問題とは何かを、肌で教えてくれた。
  • 日本の路地を旅する
    文章力で読ませる半面、ルポ+私小説のような感じなので、好き嫌いはわかれるのではないでしょうか?

    食肉文化と非差別部落との関係については他書より、参考になりました。
  • 被差別の食卓
    いやー面白かった。

    テーマは、扱い方によっては重たくもなるものを、軽くさらっと書いている。フライドチキンが被差別のものだったとは、寡聞にして初めて知りました。

    全体的に面白いし、あんまり重たい話もないんだけど、中東のロマのところは気持ち悪くなりました。だって私、現代日本人だもん。衛生面が悪いのは...続きを読む
  • 異形の日本人
    最近はマスコミもこういう人々について教えてくれない、他方ネットでは極端な偏見で論ぜられる。異端の人生を知ることのできる良著
  • 被差別の食卓
    著者は自分の地元でよく食べていた「あぶらかす」「おでんうどん」などの食べ物が被差別部落に特有のソウルフードだったということを知る。

    そうした食べ物のルーツや分布を調べていくと、いろいろと興味深いことがわかってきた。
    ○肉の内臓系が多い
    ○食べにくいものを工夫して食べられるようにしている
    ○カロリー...続きを読む
  • 被差別の食卓
    いわゆる「ソウルフード」を切り口としながら、日本における被差別部落、アメリカにおける黒人奴隷、印欧におけるロマ(ジプシー)などの共通点を示していく。
    実はフライドチキンもまた「被差別の食卓」に由来するものであった、という話は意外な発見。一度普及してしまうと多くの人はその背景を気にすることがなくなる...続きを読む
  • 私家版 差別語辞典
    偶然1個前に読んだ本の作者と一緒でした。
    ただ前回読んだ異形の日本人は質と量がどっちつかずな感じで、読後に不完全燃焼感があったのに対してこっちは項目に結構な量が揃ってて良かったです。
    子供の頃に大人たちから隠されていた事について、ある程度分別がつくようになった今だからこそ知るべきことが書いてある本で...続きを読む
  • 異形の日本人
     読む前は、いわゆる「部落」の本かと思っていたのだが、部落だけではなく、日本人から見て「異形」である人々を書いた本だった。
    「溝口のやり」の執念がすごい。
  • 異形の日本人
    はじめの一話で、ゲテモノ系の話かと思ったら、あとからは、いろんなものを極めた人のハナシにスライド。
    面白かった。
  • 被差別の食卓
     私もたまに食べるファーストフード、ケンタッキーフライドチキンは黒人料理だそう。思いもよらなかった。「アメリカの料理」と漠然とした認識しか持っていなかったけど、料理のルーツをたどれば見えなかったものが見えてくる。
      ほかにも、いろいろな国の被差別社会から生まれた料理が載っていて、どの話も興味深く読...続きを読む
  • 聖路加病院訪問看護科―11人のナースたち―
    訪問看護に少し興味があるときに読んだんだけど、
    それよりもこの師長さんの寛大な考えがいいと思った。
    そして病院のブランドの意味がかなりわかった。。
    こればかりは都会にいかないとわからないわ。
  • 被差別のグルメ
    ⚫︎サクッと読めるかと思いきや、アイヌ部分が長すぎてだれてしまった…
    ⚫︎とはいえ、具体的な体験談やら潜在的な差別意識など、ハッとさせられる記載もありよし
    ⚫︎中々書きにくいテーマにしっかり向き合っているのは凄いし、自分でどんどん食べているのは偉いよね
    ⚫︎最後の料理の半分は精神性というのはなるほど...続きを読む
  • 被差別の食卓
    食べ物と人と文化は切り離すことはできないと思う。被差別の食卓とはなかなか衝撃的な題名だったが、各国の食べ物や人々のルーツを学べた。
  • 一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート
    (世界の基準に比較すれば)体格に恵まれないにもかかわらずやり投げを追求して当時世界二位の記録を出した溝口和洋氏のノンフィクション。「やり投げ道」を追求するのではない、やりを遠くまで投げることを追求するのだ、という突き詰め方は確かに、と思った。著者の本を何冊か読んでいて著者のパーソナリティを打ち出す内...続きを読む