上原善広のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「路地」とは被差別部落のこと。中上健次は被差別部落を指してそう呼んだそうだ。自らも路地出身の筆者が全国に点在する路地を巡りその成り立ちや景色を描出する。
西日本では身近な路地も、関東では馴染みのないことが多い。しかし東京にも路地は存在したし、いま現在も路地はたしかにある。そうした路地の記憶を掘り起こしながら筆者は旅をつづける。
やがてその路地巡りは、筆者自身のルーツ、そして家族と重なり合う。路地出身の筆者が路地を巡ること、それは図らずも自らの半生と路地との関係を再認識する作業となる。ここに至って、本書は単なるルポルタージュではなく、巻末で西村賢太が言うように私小説としての要素さえも獲得する。 -
Posted by ブクログ
いやー面白かった。
テーマは、扱い方によっては重たくもなるものを、軽くさらっと書いている。フライドチキンが被差別のものだったとは、寡聞にして初めて知りました。
全体的に面白いし、あんまり重たい話もないんだけど、中東のロマのところは気持ち悪くなりました。だって私、現代日本人だもん。衛生面が悪いのはダメだよ。食事中に読まない方がいいです。
しかし、これ読みながら、差別に関してはいろいろ考えたり思い出したりしました。
それこそ現代日本で「普通」の家庭に生まれた人って、当たり前のように、自分は絶対差別されないって自信を持って、無神経なことを言うことあるよね。とかね。
何ていうか、「被差別部落の -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者は自分の地元でよく食べていた「あぶらかす」「おでんうどん」などの食べ物が被差別部落に特有のソウルフードだったということを知る。
そうした食べ物のルーツや分布を調べていくと、いろいろと興味深いことがわかってきた。
○肉の内臓系が多い
○食べにくいものを工夫して食べられるようにしている
○カロリーが高い
○九州と大阪など離れた被差別部落間で婚姻関係を結ぶことが多く、このため遠く離れた地で全く同じ食べ物が残っていたりする
などなど・・・。
そのうち、作者の興味は海外へ。
フライドチキンにナマズフライなど、海外の「被差別の食卓」にもそれぞれにいろんな歴史や背景がある。
単に被差別というよりは「 -
Posted by ブクログ
いわゆる「ソウルフード」を切り口としながら、日本における被差別部落、アメリカにおける黒人奴隷、印欧におけるロマ(ジプシー)などの共通点を示していく。
実はフライドチキンもまた「被差別の食卓」に由来するものであった、という話は意外な発見。一度普及してしまうと多くの人はその背景を気にすることがなくなるのだろうが、一方で、自分たちの生み出した食文化の由来をきっちりと守りたいという要求もあるように思われる(紹介されていたブラジルの「アカラジェ」という食べ物はそういう事例なのだろう)。この辺の折り合いは難しいところだ。
あまり馴染みのないテーマの書籍であったが、いろいろと発見が多かった。
豆知識 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私もたまに食べるファーストフード、ケンタッキーフライドチキンは黒人料理だそう。思いもよらなかった。「アメリカの料理」と漠然とした認識しか持っていなかったけど、料理のルーツをたどれば見えなかったものが見えてくる。
ほかにも、いろいろな国の被差別社会から生まれた料理が載っていて、どの話も興味深く読めた。 被差別部落でしか食べられない料理「あぶらかす」。道一本はなれた一般地区では食べられていないのに、遠くの被差別部落では、同じように食べられている。 これは、被差別部落が一般地区との隔絶を示していると、作者は言う。 確かにそうだと思う。 部落差別は解消傾向にあると、書いてあったが、早くそうなっ -
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