デフォーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレピューリタンについてのデフォーの思想がロビンソンの生き様に投影して描かれた本。
無人島では日夜衣食住の整備に勤しんだり、ブラジルの農園の利益配分を細かに計算するところは、勤勉で利益追求を善とするピューリタンの主義が背景の一つとして垣間見られる。
そうした類の描写は他多数。
荒波に揉まれに揉まれまくった半生から、ロビンソンは神への厚い信仰心を培うことになる。神への感謝はロビンソンの中に高尚な慈悲心を生み出し、野蛮な土人を教化して従僕にしたり、無人島生活の途中で出会ったスペイン人やイギリス人を手厚く迎え入れて無人島を豊かにし、やがてロビンソンは「一国の王」に上り詰める。
ロビンソンの逞しくて -
Posted by ブクログ
孤島での28年の生活を通じて、一人の人間が文明を再構築していく物語——。『ロビンソン・クルーソー』は、単なる冒険譚を超えて、近代的個人の誕生と文明の本質を問う寓話として読むことができます。
主人公クルーソーは、難破によって文明から切り離された状態から、道具を作り、農耕を始め、住居を建て、そして時間を刻むことで、徐々に「文明」を再構築していきます。注目すべきは、彼が常に細部にこだわった記録をつけ続けることです。これは単なる日記ではなく、むしろ近代的な観察眼と合理的精神の表れとして読むことができます。
物語の転換点となるのは、フライデーとの出会いです。彼との関係は、支配と教育という形を取りなが -
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有名作品で他多くの人のお勧め記事も見るが、実際には読んだことがなかった。夏の読書に良いかなと思って、初めて読んでみる。
「不幸に見まわれ、無人島に漂流するがなんとか帰ってくる話」かと思っていたら、冒険心あふれる主人公が何度も難破しかけそれでも、船を止めず、ついに無人島にや、上巻ではもう無人島から帰ってきて下巻は61歳になっているなど大分印象が違ったな。
また、子供向けかと思っていたら、人喰い蛮族との殺し合い、宗教心など読みづらくはないが、重めの内容。
中国からロシアにいくつもの砂漠を越え行くなど冒険心は掻き立てられる。昔に人の「深夜特急」的読み物なのかなとか思った。
一方、海外文学の読みづ -
Posted by ブクログ
20年振りの再読。新訳は読みやすかったです(ときおり出てくる「びびる」とか「イケメン」なんて突飛な訳語には面食らいますが)
やはり本作のサバイバル文学のオリジネーターとしての価値は高いですね。作者の無人島生活についての緻密なイマジネーションには敬服します。これ読んで無人島生活に憧れた少年たちをどれだけ生み出したことか。
今回久々に読み返して気になったことがいくつか。まず主人公の性欲処理(はっきり言えばマスターベーション)について全く描かれていないこと。28年もの孤独の生活の中で彼が性欲処理で煩悶した様子は全くない(帰国後結婚したようなので、ゲイとか性的不能ではないはず)。やはり当時のキリス -
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さて,下巻はガリヴァーと同様に,元来の放浪癖から再び航海に出る,という始まり。船長になった甥の船に乗せてもらい,いろいろ物資を積んで再び彼が1人で生き抜いた島に行く。その頃は数人のイギリス人だの,十数人のスペイン人だの,野蛮人だのが住んでいる。この時点では,この島はロビンソン個人の植民地ということになっている。単独生活時代に家を作り,家畜を飼い,農産物を栽培し,とできうるかぎりの文明的生活の礎を築く。その後にこの島に住むようになった人間はすべてそういった彼が築いた物資やノウハウに頼らざるを得ない,というところがこの島が彼個人が統治する植民である所以である。そこでは明らかに奴隷制度が横行している
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今年度の東京経済大学の「人文地理学」後期では,ヨーロッパにおける旅行記とユートピア文学の歴史を辿る講義をしている。本作も当然その講義に含めるべき作品であるが,岩波文庫版で上下巻800ページにわたるのでなかなか読み始める勇気がなかった。でも,今年度は思い切ってレポートの課題図書に選定したので,読まざるを得なくなって読んだ次第。
結局,上下巻読むのに3週間ほどかかってしまった。しかも,岩波文庫版では上下巻となっているが,実は上巻と下巻は別の作品であることが判明。上巻を読み終えたところで,あまりにも結末がしっかりしているので,これ以上同じ分量で何を続けるのかと思いきや,続編でしたね。上巻が『ロビンソ