長谷部恭男のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
国の安全に関わる重要な問題を、内閣法制局や憲法学者だけに任せていていいのか?
圧政に苦しむ人々を、助けに行かなくてよいのか?
憲法で縛るより、国会でその都度議論すべきではないのか?
日本国憲法をめぐる最重要論点を、いま最も注目の憲法学者と政治学者が徹底討論。
憲法学の現状への痛烈な批判も飛び出す、スリリングで最先端の憲法対論。
[ 目次 ]
第1章 憲法はデモクラシーを信じていない
第2章 絶対平和主義は立憲主義と相いれない
第3章 憲法解釈はだれのものか
第4章 絶対的な権利なんてない
第5章 あらゆる憲法は「押しつけ憲法」である
第6章 憲法をいま変えることは無意味である
[ POP ]
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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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ネタバレ[ 内容 ]
憲法は何のためにあるのか。
立憲主義とはどういう考えなのか。
憲法はわれわれに明るい未来を保障するどころか、ときに人々の生活や生命をも左右する「危険」な存在になりうる。
改憲論議が高まりつつある現在、憲法にまつわる様々な誤解や幻想を指摘しながら、その本質についての冷静な考察をうながす「憲法再入門」。
[ 目次 ]
第1章 立憲主義の成立
第2章 冷戦の終結とリベラル・デモクラシーの勝利
第3章 立憲主義と民主主義
第4章 新しい権力分立?
第5章 憲法典の変化と憲法の変化
第6章 憲法改正の手続
終章 国境はなぜあるのか
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Posted by ブクログ
憲法とは何か、国とは何か、なぜ人は社会のなかで法律を守らなければならないのか?
といったいわゆる立憲主義の成り立ちについて考察がなされています。
また、その立憲主義と平和がどう結び付いているかについて言及がなされており、最終的には憲法9条に対しての著者の考えが述べられている作品です。
もともと一人では幸福に生きていけない人間が、それぞれの異なる価値観を衝突させないよう一定のルールを定めたものが憲法とすれば、一つの「正解」となる価値観が存在しない以上、憲法も国の数だけ様々なものになる。
その国家間の価値観が衝突したときに戦争が起こり、個々人の衝突とは比べ物にならないほどの規模での悲劇が起こってしまった…。今、教訓としてそれが認識できるのはありがたいことだと感じました。
かなり深いところまで掘り下げた考察をされているので、じっくり読まないと理解できなくなる恐れがありますが、論調と自分の思考回路が幸いに相性がよかったのか個人的には読みやすい作品でした。
あと、最後のあとがきはちょっと笑っちゃいました。
「わずかな印税を得ようという卑しい私心からではなく…」なんて書きながら、きっちり自分の著書をPRしてます。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。
だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。
立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。
本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。
情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。
[ 目次 ]
憲法の基底にあるもの
第1部 なぜ民主主義か?(なぜ多数決なのか? なぜ民主主義なのか?)
第2部 なぜ立憲主義か?(比較不能な価値の共存 公私の区分と人権
公共財としての憲法上の権利 近代国家の成立)
第3部 平和主義は可能か?(ホッブズを読むルソー 平和主義と立憲主義)
憲法は何を教えてくれないか
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
憲法を護持しようと考えている人にも、改正すべきと思っている人も、日常生活で憲法と自身の関係性を見いだせていない人にも、参考になる指摘の多い本だと思います。憲法学者としてメディアへの登場も昔に比べれば増えてきた感のする著者ですが、その思考や発想の基礎を知る上でも良いと思います。
憲法そのものへの問いかけではなくて、立憲主義という思想を理解してそれを現代の日本国憲法(正確には憲法典)が掲げる主義・思想とのバランスに議論の焦点がさだめられているところが特徴と言えます。立憲主義が前提する「違い」を当然視して受容し、相違を前提とした社会形成が実現するまでの途方もなく長い旅路を想起させる内容にはなっていますが、その長く平坦ではない道を進みだせてもいない、むしろ諦めて背中を向けているともいえる今の憲法論議を学問的視点から理解するきっかけを与えてくれると思います。
さらにこの本が面白いと感じられる点は、各章の末尾に記載されている『文献解題』であると個人的に感じています。大学のゼミ生向けに書かれたことを意識させて、そこからさらに憲法論の古典や現代の世界的な憲法論議への扉を開いている意味でも、この本が出色であると思わせます。また、単なる紹介だけにとどまらず著者自身が推挙する本の重要性や感想、そしてこの『憲法とは何か』という書籍との貢献部分にまで触れられている点も憲法論への招待的位置づけを意識した構成と言えるかもしれません。
変えるのか、変えないのか。「変化」そのものへの視点ばかりが強調される日本の憲法改正論議に足りないものが何かを知らしめてくれます。著者の長谷部氏は、NHKで放送されている『爆笑問題のにっぽんの教養』で最近出演していたのを見ていました。そのときに太田氏とかわしていた長谷部氏の憲法論が勉強になったところもこの本を読む事になったポイントだと思い返しています。
いずれにせよ、これから先も政局において憲法論を展開されていくでしょう。その中で、一人一人が改正論議に声を発し、投票行動を通じて意志を表明する場に直面したとしても、大切な点は著者が本書冒頭で引用しているニーチェの言葉に帰結するのです。読み終わって、また最初にこの文章を読めば、その真たる意味に近づける気になるのです。
「怪物と戦う者は、そのため自身が怪物とならぬよう気をつけるべきである」
フリードリッヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』
『文献解題』から派生して、私は長谷部氏の『憲法と平和を問い直す』を買いました。あと、いまさらながらルソーを読んでいないことに気づき、『社会契約論』にも読み進みたいと思います。だんだん国家と国民の関係性について考える方向に進んでいるような気がしますが、仕事におわれて自分のありようと法的に社会的に定義づけることについて考えを巡らすのも良いでしょう。
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Posted by ブクログ
試験で必要だから買って読んだ。
絶対自分の積極的な意思では買わないであろう本です。
憲法に興味がなければ書いてあることすら意味がわからないかと思うし、何を書きたかったのか理解することすら放棄するでしょう。
流行の簡単な文章
難解な文章
の間くらいでしょうが、おそらく現代人にとっては難しいと感じる本でしょう。
内容は読んでください。
さまりーじゃなくてレビューなので内容は書きませんー
あ、『オデュッセイア』を出して
「それにしても、率いた兵士をことごとく失ったうえ、故郷で待ちつづけた妻への求婚者たちを皆殺しにする男のどこが英雄なのか理解に苦しむ。やはり異なる世界観は比較不能である」
って長谷部さん言ってたけど
比較する必要もないし、比較不能と断ずる根拠がどこにあるんだろーって思いましたねー
「比較不能な価値の迷路」と普遍的ラベルをどこから入手して貼ったんでしょ -
Posted by ブクログ
1月?
「憲法とは何か」という題名に似合うほど、全体は首尾一貫した内容にはなっていなかったが、各章ごととても面白かった。憲法は、各種試験のために勉強する機会が幾度かあったが、判例中心の学習であったので、本の内容は新鮮な印象がした。
本書によると、立憲主義とは、多様な考え方を抱く人々の公平な共存を図るために、生活領域を公と私の2つに区分しようとするものである。私的領域では、各自がそれぞれ信奉する価値観・世界観に沿って生きる自由が保障され、一方で公的な領域では、社会のメンバーに共通する利益を発見し、それを実現する方途を冷静に話し合い、決定することが必要になるという。現代憲法にある、思想の自由、信条の自由、政教分離の規定などは私的領域と公的領域とを区分する境界線を定める規定であるという。本書で指摘されているように、この仕組みは、人々に無理を強いる仕組みである。では、なぜこのような仕組みが必要なのであるか。それは、人々の価値観・世界観が近代社会では多元化し、お互いが比較不能である。そのためもし、それら相互が、社会において各自の世界観の実現しようとすると、まさに血みどろの紛争を再現することになってしまうからである。そして、立憲主義に基づき憲法の役目は、政治プロセスが本来の領域を超えて個々人の良心に任されるべき領域に入り込んだり、政治プロセスの働き自体を損ないかねない危険な選択をしないようにあらかじめ選択の幅を制限する役目にあるという。そのような観点から、筆者は昨今、行われている憲法改正議論に対して批判的であるようである。
全体を通し、憲法にかかわる話題を、法学、時には政治学の観点から考察であったが、立憲主義の考え方、憲法改正議論に関する問題など多く考えるきっかけになった。筆者が主張していたが、憲法改正以前に、その前提をしっかり確認すべきだと私も感じた。戦略と憲法とは密接な相互関係にある。だから、第一に日本の基本秩序たる憲法とは何なのかを見定める必要があり、それに加え第二に、冷戦後の世界において、日本がいかなる目標を持つ、どのような憲法原理に立つ国家になろうとしているのかを決定する必要性などを挙げている。
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Posted by ブクログ
憲法とはなにか、という入門書。のはずが自分の読解力が乏しすぎて所どころわからないところが…
憲法改正という言葉はニュースを見ていれば時々(よく?)出てくるが、いったい憲法の何を改正するのか?誰が改正の是非を決めるのか?という知識は曖昧だったので、そういう意味ではこの本は根本的なことを知るうえで便利だ。
憲法改正のプロセスやその手順で重要なことなど、いろいろ考えさせられるような内容だった。憲法はその時の政権にとって都合のいい物として改変されてはいけない。普遍的で、なるべくすべての国民にとって望ましいものでなければいけないから、改憲をする場合は手短に、というわけにはいかない。開かれた場所で改憲賛成派と反対派の討議を行い、それぞれの意見を吟味してから投票をする。事項もまとめてではなく個別で。改憲を果たすためには非常に長く地道な作業を求められるんだなぁ、と感じた。けれどその地道なプロセスが、果たして本当に改憲は必要なのか?と自問する機会を与えてくれる。そしてきっと、その自問をする時間が一番大事なんだと思う。 -
Posted by ブクログ
立憲主義の発想について解説するとともに、そうした観点から現在の憲法をめぐるさまざまな問題について、著者自身の立場から明快に議論を展開している本です。
立憲主義そのものについては、おなじく新書で刊行されている『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)のほうが、理論的および歴史的な側面からていねいに論じられているように感じました。本書でも立憲主義そのものの説明は手際よくまとめられていますが、むしろ立憲主義という発想をじっさいに使いこなすためのさまざまな視座が示されているように思います。
また、現在の憲法改正をめぐる議論には、改憲派・護憲派双方に、憲法の改正そのものが日本社会に革命的な変化をもたらすかのような理解が見られますが、著者はそうした議論が過熱する状況から距離をとり、憲法が置かれている具体的状況のなかで憲法の果たしている役割を冷静に見ようとしています。