長谷部恭男のレビュー一覧

  • 憲法と平和を問いなおす

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    憲法とは何か、国とは何か、なぜ人は社会のなかで法律を守らなければならないのか?

    といったいわゆる立憲主義の成り立ちについて考察がなされています。
    また、その立憲主義と平和がどう結び付いているかについて言及がなされており、最終的には憲法9条に対しての著者の考えが述べられている作品です。

    もともと一人では幸福に生きていけない人間が、それぞれの異なる価値観を衝突させないよう一定のルールを定めたものが憲法とすれば、一つの「正解」となる価値観が存在しない以上、憲法も国の数だけ様々なものになる。


    その国家間の価値観が衝突したときに戦争が起こり、個々人の衝突とは比べ物にならないほどの規模での悲劇が起

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    2011年01月26日
  • 憲法とは何か

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    憲法は危険物です。取扱い要注意!
    って岩波新書も思い切った帯付けますね。
    内容も凄く読みやすい。

    憲法9条の解釈論はともかくだけど。

    最近の憲法改正論議って、何か怪しいとは感じつつ、まあ変わるのが世の流れか、新しい人権とか書き加えるくらいは、と思っていた自分のアホさを痛感。

    最近発表された自民党案は、なぜ思ったほど復古調ではなかったのか?という疑問にも納得いく答えがあたえられました(わかって無かったのは私だけ?)。

    成る程、憲法は取扱い要注意です。

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    2014年11月04日
  • これが憲法だ!

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    P157-の 憲法の及ぶ境界 の議論が個人的には面白い。「なぜ、われわれの範囲はネーションなのか。一級市民、二級市民とした方が 多くの価値が得られませんか?」や、境界線は移動するものなのに、なぜネーションという境界線を大切にするのか?という杉田さんの問い。長谷部さんを戸惑わせているけど、これから避けて通れない問題だと思う。

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    2010年06月08日
  • 憲法と平和を問いなおす

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    [ 内容 ]
    日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。
    だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。
    立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。
    本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。
    情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。

    [ 目次 ]
    憲法の基底にあるもの
    第1部 なぜ民主主義か?(なぜ多数決なのか? なぜ民主主義なのか?

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    2014年10月27日
  • 憲法とは何か

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    長谷部先生の本です。

    とても読みやすく内容もしっかりしていると思います。
    立憲主義の成立から冷戦の終結、民主主義の台頭と順を追って述べてあります。

    章ごとに著者の書きたい内容や目的などが明確にまとめられており、読んでいて
    流れるように頭に入ってくるような気がします。
    ですが、読みやすくても書かれている内容は深く内容も濃いので繰り返し読むのが
    一番よいと思われます。

    憲法の本の中でも比較的よい本だと思います

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    2009年10月07日
  • 憲法とは何か

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    憲法を護持しようと考えている人にも、改正すべきと思っている人も、日常生活で憲法と自身の関係性を見いだせていない人にも、参考になる指摘の多い本だと思います。憲法学者としてメディアへの登場も昔に比べれば増えてきた感のする著者ですが、その思考や発想の基礎を知る上でも良いと思います。

    憲法そのものへの問いかけではなくて、立憲主義という思想を理解してそれを現代の日本国憲法(正確には憲法典)が掲げる主義・思想とのバランスに議論の焦点がさだめられているところが特徴と言えます。立憲主義が前提する「違い」を当然視して受容し、相違を前提とした社会形成が実現するまでの途方もなく長い旅路を想起させる内容にはなってい

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    2009年10月07日
  • 憲法と平和を問いなおす

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    試験で必要だから買って読んだ。

    絶対自分の積極的な意思では買わないであろう本です。

    憲法に興味がなければ書いてあることすら意味がわからないかと思うし、何を書きたかったのか理解することすら放棄するでしょう。

    流行の簡単な文章

    難解な文章

    の間くらいでしょうが、おそらく現代人にとっては難しいと感じる本でしょう。

    内容は読んでください。

    さまりーじゃなくてレビューなので内容は書きませんー

    あ、『オデュッセイア』を出して

    「それにしても、率いた兵士をことごとく失ったうえ、故郷で待ちつづけた妻への求婚者たちを皆殺しにする男のどこが英雄なのか理解に苦しむ。やはり異なる世

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    2009年10月04日
  • 憲法と平和を問いなおす

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    思想的に偏りすぎることなく、理性的で公平な視点で書かれた良書。立憲主義について興味深く読ませて頂きました。

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    2009年10月04日
  • 憲法とは何か

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    憲法改正論議の前に、そもそも憲法とは何かを考える必要がある。近代国家の権力を制約する、立憲主義という思想について理解しなくてはならない。憲法を改正する根拠に時代が変わったから、古いから、なんて理由は通用せず、ましてや社会のニーズに合っていないから改正しましょうなんて意見は全くもっておかしい。読みやすいからおすすめ。

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    2009年10月04日
  • 憲法とは何か

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    1月?
    「憲法とは何か」という題名に似合うほど、全体は首尾一貫した内容にはなっていなかったが、各章ごととても面白かった。憲法は、各種試験のために勉強する機会が幾度かあったが、判例中心の学習であったので、本の内容は新鮮な印象がした。
     本書によると、立憲主義とは、多様な考え方を抱く人々の公平な共存を図るために、生活領域を公と私の2つに区分しようとするものである。私的領域では、各自がそれぞれ信奉する価値観・世界観に沿って生きる自由が保障され、一方で公的な領域では、社会のメンバーに共通する利益を発見し、それを実現する方途を冷静に話し合い、決定することが必要になるという。現代憲法にある、思想の自由、信

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    2009年10月04日
  • 戦争と法

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    歴史的なできごとの説明・解説とロジックが入り交ざって進んでいくのですっきりしない。
    ロジック部分(主に9条にまつわる、樋口陽一批判の部分)は、『憲法と平和を問いなおす』を読んだ方がすっきりと説明されていてわかりやすい。だから肉付け(というか議論の前提としての戦争史関する教養)を学ぶための本、という感じか。

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    2021年07月13日
  • 戦争と法

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    憲法学者とのことだが戦争に関しても膨大な量の本を読んでいるよう。
    日本の憲法、名誉革命、ナポレオン、ビスマルク、ヨームキップール戦争、フォークランド紛争、核兵器、朝鮮戦争、グァンタナモなど、歴史的な事象についていろんな観点から解説を加えている。

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    2020年12月14日
  • ナチスの「手口」と緊急事態条項

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    ナチスが「過半数を占めたのではない」ことが強調されるが、第一党ではあったし比例代表制選挙の弊害で他党は結集せず共産党はスターリンの手下だった/国会議事堂放火事件「やはり陰謀」とするがパヨクは嘘が多い╱何よりナチス政権で恐慌を脱し国の威信を取り戻したのは事実/パヨクの理想は憲法論議のない国、北朝鮮のような。投票過半数を占めたのではない民主党政権の際に好き放題やって皇室宝物を贈呈した韓国との関係さえ悪化させたのを新鮮な教訓として挙げれば説得力増すのに/緊急特別法がないので、外出「自粛要請」だけで命令ができない

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    2020年07月26日
  • 憲法とは何か

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    憲法とはなにか、という入門書。のはずが自分の読解力が乏しすぎて所どころわからないところが…
    憲法改正という言葉はニュースを見ていれば時々(よく?)出てくるが、いったい憲法の何を改正するのか?誰が改正の是非を決めるのか?という知識は曖昧だったので、そういう意味ではこの本は根本的なことを知るうえで便利だ。
    憲法改正のプロセスやその手順で重要なことなど、いろいろ考えさせられるような内容だった。憲法はその時の政権にとって都合のいい物として改変されてはいけない。普遍的で、なるべくすべての国民にとって望ましいものでなければいけないから、改憲をする場合は手短に、というわけにはいかない。開かれた場所で改憲賛成

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    2020年01月10日
  • 憲法とは何か

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    立憲主義の発想について解説するとともに、そうした観点から現在の憲法をめぐるさまざまな問題について、著者自身の立場から明快に議論を展開している本です。

    立憲主義そのものについては、おなじく新書で刊行されている『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)のほうが、理論的および歴史的な側面からていねいに論じられているように感じました。本書でも立憲主義そのものの説明は手際よくまとめられていますが、むしろ立憲主義という発想をじっさいに使いこなすためのさまざまな視座が示されているように思います。

    また、現在の憲法改正をめぐる議論には、改憲派・護憲派双方に、憲法の改正そのものが日本社会に革命的な変化をもたら

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    2018年03月12日
  • 憲法入門

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    著者自身の立場から憲法をめぐるいくつかの問題についてわかりやすく解説している入門書です。

    著者には『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)や『憲法とは何か』(岩波新書)などの新書版の入門書がありますが、本書も新書でこそありませんが、コンパクトで読みやすい本だと思います。教科書的な無味乾燥な叙述ではなく、著者自身の立場が色濃く反映されている内容になっていますが、そのぶん興味深く読むことができました。

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    2017年12月02日
  • 憲法と平和を問いなおす

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     出張中に読んだ「憲法と平和を問いなおす」(長谷部恭男著:ちくま新書)。筆者は先日の国会参考人意見陳述で 「安保法案は違憲」を明晰な論理で断じたこの国を代表する憲法学者。情緒や感情と一線を画した民主主義、立憲主義、平和主義を論じ憲法と平和を冷静に考えさせる。「理」の世界に浸る感覚で読む、終章が見事。電車で時々居眠りしつつ18時間。
                 
     朝日歌壇(7日)にあった歌、「総理大臣からその国をまもらねばならないといふこの国の危機」。原発やTPP、そして安保法案、加えて消費増税、ひどい話がこれでもかこれでもかと続く。だが、何となく別の胎動が聞こえるような気もするこの頃。

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    2015年12月30日
  • 憲法と平和を問いなおす

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    違憲証言で脚光を浴びた著者。「憲法とは何か」と同様、憲法の本質を哲学的、政治学的に追究していく一方で、立憲主義と民主主義の両立しない側面、立憲主義と平和についての矛盾点?を追究していく。これまた内容の濃いコンパクトな一冊!。今回の安保法案は両立しえない典型例だった!平和を囚人のジレンマ命題、またチキン・ゲームに譬えての説明はユニークで斬新に感じた。絶対平和主義を唱えることが非常に危険であることも諄々と説いていく姿勢に感銘さえした。自民はこの点でこの人を国会召致したのかも。しかし、立憲主義の大切さを訴えることからすると自民は浅薄だった!次の言葉があった。「集団的自衛権は自国の安全と他国の安全を鎖

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    2015年10月23日
  • 憲法と平和を問いなおす

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    前半の立憲主義、民主主義に関するくだりは面白かったが、肝心の戦争と平和の問題になったら失速してしまった感がある。確かに「情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜く手がかり」を示してはいるか…。何より、あとがきが面白かった。

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    2014年03月25日
  • 憲法とは何か

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    憲法はバラ色でもなければ理想でもない。それを巡って戦争は繰り返される。とはいえ社会を形作るのに必要な機構。「国体」という言葉が頭をよぎります。内容は簡単ではないですが読み応えありました。学生時代の授業、独特の雰囲気だったのを思い出すなー

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    2012年02月03日