メリッサ・ダ・コスタのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
事故によって下半身不随となった俳優フランソワ。その絶望感は計り知れない。それまでの人生を突然奪われ、自分の身体も、仕事も、これからの人生も何もかもが変わってしまう。そんなフランソワを、レオはそばにいて支えようとする。
けれど、読み進めるうちに「この2人はもうダメなのでは」と思う場面が何度もあった。二人はあまりにも傷つけ合う。それなら、いっそのこと別れたほうがいいのではないか、と。
それでもレオは別れることを選ばない。
もしかしたら二人は、傷つけ合っていたのではなく、お互いの弱さや醜さ、怒りや絶望までさらけ出し、「こんな私でも、こんな俺でも、それでもそばにいてくれるのか」と訴えていたのかもしれない。
けれど、二人だけではきっと潰れていただろう。レオには一人の時間や両親のもとに戻る場所があり、フランソワにも気持ちを受け止めてくれる人がいた。
愛する人がどれほど大切でも、その人一人ですべてを支えることはできない。支える側にも、支えてくれる誰かが必要なのだと思う。それも「支えてあげる」と前面に出るのではなく、「いつでも来たらいいよ」と、さりげなくそこにいてくれる人。
愛があればすべてを乗り越えられる、という物語ではない。愛していても疲れるし、憎らしくなるし、逃げたくなる。それでも、そこからどうやって立ち上がっていくのか。
「元には戻れない。でも、それでもここから生きていく」。そんな再生の物語。
そして、何よりかっこいいと思ったのが、フランソワの元妻イサベル。自分を裏切った二人に怒りや憎しみを抱きながらも、最終的には二人を支える。
「赦す」とは、過去の傷をなかったことにすることではない。傷つけられた事実を抱えたまま、それでも目の前の人を見捨てないことなのかもしれない。
読み終えて、ふと思いました。
私にはそんな居場所があるのだろうか。
そんな居場所になれるだろうか。 -
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーと診断されたエミル。長くても余命2年という医師の診断。私なら絶望して塞ぎこんでしまうと思うのに、そんな状況でありながら旅に出てしまうのだから、その行動力はすごい。そして旅を共にしていくジョアンヌと出会った。
2人がキャンピングカーで旅を重ね、それぞれの気持ちを整理していくわけだけれど。ただ美しい景色を見て、素敵だね生きていてよかったと感動するだけではなかった。ほんとうに生きていたら人生なにが起こるかわからない、というのがこの本を通して感じたことでした。
旅を重ねていくにつれ、ジョアンヌの聡明さが際立つように思いました。
旅の終着地はどこにあるんだろう…ほんとうに先が読めずにいますが、下巻も2人の行く末を見届けたいと思います。 -
Posted by ブクログ
2026年本屋大賞『翻訳小説部門』第1位。
上下巻でボリュームがあるけれど、一気読みしてしまうほどのようなので。
「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。主人公・エミルは掲示板サイトにそう書き込んだ。病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにしたのだ。誰からも返信など来るはずはないと思っていたところ、29歳の女性・ジョアンヌから返信が届く。そして2人はとりあえずピレネー山脈に向けて、キャンピングカーで旅立つのであった…
まず、若年性アルツハイマーが命に関わる病気であることを知らなかった。若い人が認知症になることくらいにしか思っていなかった。余命2年って…
自分なら何をするだろう。パッとは全く思いつかない。でも、毎日の忙しさに追われ、時間の流れが早い今の生活から離れて、2人のように旅に出ることができたら素敵だなと思った。
エミルとジョアンヌ。旅をしていく中で、2人の関係性が自然と変化していく様に、とても優しい気持ちになる。
初めは変わり者だと思っていたジョアンヌが、物語が進むにつれ、とても魅力的な女性として描かれている。名言もいろいろあったけれど、1番印象的だったのは、ケーキの味わい方を教えてもらうシーン。ジョアンヌらしさの中に、妖艶さを感じさせる。
早く続きが読みたい。 -
Posted by ブクログ
ダ・コスタ、池田理代子「ベルばら」以来のフランスブーム到来中w
24歳のエレオノール(レオ)、と42歳の舞台役者・フランソワの年の差カップル。
それぞれのモノローグが交互に現れ、物語は進む。
始まりは衝撃。
レオはジムを出たところで、フランソワの事故の一報を知る。
病院へ駆けつけても、彼女はフランソと法的な関係ではない。
枕元へたたずむのは、妻のイザ。
フランソワはスクーターに乗っていて、バスにはねられ、
下半身不随となる。もう歩くことも出来ない・・・
その状況でも、レオはひたすらに、フランソワの元へ通い続ける・・・
邦訳第一作の『空、はてしない青』も、若年性アルツハイマーの男性という
重い設定だったが、こちらも重い。
ただ正直、レオとフランソワの関係は、いわゆる不倫関係。
レオが辛かろうが、フランソワを愛そうと献身しても、共感できない。
それどころか、あなたは24歳・・・良いんですか?
と、ずっと問いかけてしまう。
レオに反感を抱く妻イザベルの方が、よっぽど共感できる。
二人の心のすれ違いも痴話げんかに思えてしまう。
・・・ということで、上巻は今ひとつ。
それでも★4にしたのは、重い競っていながら、読むことを止められない、
その点に尽きる。共感できなくても読ませる、すごい!
そして、フランス・パリやその郊外の描写にが魅力的。
子どもの頃、昭和の時代、児童書から英国やアメリカの雰囲気を感じ取った
あの気分。 -
Posted by ブクログ
《絶望の淵に立たされた時、人はどう生きる力を取り戻していくのか》
SNSで見掛けて気になった作品。
パリを代表する舞台俳優・フランソワは交通事故に遭い下半身不随に。秘密の関係を経て彼と結ばれるはずだった若き恋人・エレオノールは未来の全てをなげうち、彼を支えようとするがー…。
物語が始まる前のページから引き込まれた。
「空、はてしない青」の読者なら、きっと「あ!」ってなるハズ。
この名言、めちゃくちゃ好き。
今作も設定がすごい…!
法的に見ればレオはフランソワのそばにいる必要はないわけで、フランソワもレオにそれを強制することはできない。
お互いに離れたければいつでも離れられる関係。
夫婦、親子など法的にも制度的にも結びついた関係だったら義務も責任も伴うし、面倒を見ることはある意味当たり前のことなのかもしれないけれど、(むしろ放棄するなんて…ってなりそう)この関係性だと決して当たり前のことではなかったと思う。
だからこそ、自発的にフランソワと関わろうとするレオの姿に胸を打たれたし、自分だったらどうするのかを考えさせられた。
心理描写が繊細で、読んでいる間中胸が詰まりそうなのに物語の進め方にはすごくエンタメ性があって、次で何が明かされるのか、この人はどう変わっていくのか、と推進力がすごくて、読む手が止まらなかった。
絶望の描き方が容赦ないからこそ、小さな変化や人との交流がめちゃくちゃ効いてくる。
そして綺麗事だけではない、支える側・支えられる側双方の厳しい現実の描写がフィクションでありながらノンフィクションのような生々しさで胸に迫った。
頑張れば立ち直れる!という単純な物語ではなく、
小さくて具体的な愛の積み重ねが、もう動けなくなっていた人を少しずつ立ち上がらせていくところが胸にグッときた。
人は、一人では生き直せない。
でも、人と関わることで、もう一度歩き出せるのかもしれない。
「空、はてしない青」に通ずるような作品で、読後感も近く感じた。 -
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーで余命2年と診断された、26歳男性のエミルが、家族や友人、元恋人への未練など全てを捨てて、掲示板で出会った見知らぬ女性のジョアンヌと2人で、人生最後の旅に出る、というお話。
本屋さんでめちゃくちゃおすすめされており、あらすじ等は全く見ずに、読み始めた。病気もののフィクションは絶対最後悲しい結末になることがわかってるので、あらすじを知っていたら多分読まなかっただろうな。。でもめちゃくちゃ良い本だった。
上巻は、エミルの視点で、所々過去の回想が入りながら、旅が進む。
エミルがこれまでの人生を見つめ直して、今を生きるために過去を赦す場面がとても印象的だった。
「もっとも偉大な旅人とは、自分自身を見つめ直すことができた旅人だ」
自分もこんな旅がしてみたいと、誰もが思うような旅を描いた物語。 -
Posted by ブクログ
not for meだった、、
難病患って余命わずかの中、旅に出た主人公、
下巻ということもあり雰囲気的に結末は死亡確定というのもあり、残り100ページはどんな死に際なんだとページめっちゃ爆速でめくって読んだけど
なんというかあっけない
それが人生なのかもしれないけども、、みたな
なんかジョアンヌもエミルも、そんな推せないから単純にお疲れ様でしたって感じではあった
本のテーマ的なところはなんとなく受け取ったんだけど、なんかいまいちなんというか、そうですか。ってなって終わった
合う合わないってマジであるよな。いままで巷絶賛系で自分が食らわなかった本をAIに投げて傾向出してもらおうと思います