メリッサ・ダ・コスタのレビュー一覧
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訳者あとがきにもあったけれど、この物語はレジリエンス(心理学では精神的回復力)の話だった。
ストーリーはシンプルで、タイトルどおり「立ち上がる」話だけれど、とにかくその過程が丁寧に描かれた大作。
結末はタイトルから想像できてしまうのに、その過程に心を揺さぶられる。
読後に振り返ってみると、レジリエンスの要素が散りばめられていて、例えば、
・近くで支えてくれるパートナーがいること
・自身のやるべきことや役割があること
・未来の目標があること
・同じ苦しみの中で少し先を行くモデルがいること…
この本で読書会をするなら、「なぜフランソワは立ち上がれたのか」をテーマにやってみたい!
「なぜエレオノールは立ち上がれたのか」もありかも。 -
Posted by ブクログ
この物語を手にとったのも何かの合図、前兆だなと思う
エミルのトラベラーズノートでもあり自然療法または現代のアルケミスト。毎日少しでも自分の周りを意識的に眺めるように…この問いかけが伝えたいことの1つだと感じた
若年性アルツハイマーなのだが時々みせる彼の意地悪で強がりで普通の青年なところが可愛く見える
ジョアンヌの最初のあの絵を見てみたくなった。そしてあの世界最高のセラピーだ のところ声出して笑った
ジョゼフが自閉症トムへの並行している世界にいるから私たちの現実に入ってくるのが難しいという解釈になかなか自分だったら咄嗟に言ってあげれないと思った
目の前の世界とどう調和するか、そうすることで自分がどうクリアなるかケアフルできるか瞑想疑似体験できた
ジョアンヌの献身的な最期があまり苦しくならないよいに書かれていたと思うがなかなか大変だったに違いない。そして多くの詩が登場し、言葉の強さ支えが感じれた
エミルとトムが重なり合うところはなかなか喉が熱くなる場面でお別れを言えなかった彼女の悔やみ苦しみ、過去に触れることができたことがこれからの自分の生き方が変わる気がした
好きなフレーズ引用
別れた原因をライバルが出現したせいにするのって楽よね。自分が何をしそこなったのかを直視するよりずっと簡単
真の発見の旅は新しい景色を求めることではなく 新しいめをもつことだ プルーストの一節
景色は私の塊に歌いかける弓のようだった スタンダール
この子は地球上でセカンドネームをもってる初めての猫になるね!
将来への不安や過去への後悔から解き放たれて ほかのどこでもなく ここにいることを学ぶ
今このときがほかのどんなときより優れている点がある。それは今私たちのものであるということだ ーチャールズ•ケイレブ•コルトン
人間はステンドグラスのようなもの。日が出ているあいだは輝くが 暗くなると内側から照らされて 初めてその美しさが現れる。ーエリザベス•キューブラー•ロス
風向きを変えることはできないのだから 帆を操縦できるようにならなければいけないージェームズ•ディーン
人生が粉々に砕け散り 全ての指標がなくなってしまったと思った時には 木になってみなさい
美し里とは見たもののなかにあるのではなく それを見る目のなかにあるージャン•ルネ•ユグナン
毎日毎日がそのなかに永遠を宿しているーパウロ•コエーリョ
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記憶障害系の病気が登場する作品では博士の愛した数式を読んだことがあるが、あの小説は家政婦視点で描かれているのでイマイチ博士や、登場人物に感情移入出来なかったが、この小説は主人公のエミル自信が記憶を無くす瞬間、その時の感情が描かれているので、生きているうちに記憶をなくしていくことの残酷さと恐ろしさを再認識した。
舞台であるフランス、ピレネー山脈は名前は聞いたことがあるくらいだったので、小説に出てくる地名を調べてみるとこんなに美しい場所があるのかと驚かされる場所ばかりで、いつか行ってみたいと思った。旅の中で料理が度々登場するが、ジョアンヌがベジタリアンということも相まってなかなか馴染みがない食材や料理が出てきて楽しい。
ヒロインのジョアンヌは本当に魅力的で、優しく純粋で芯があり可愛らしくもかっこよくもある。
上巻ですっかりこの世界に浸っているので、2人が抱える問題がどうなるのか、エミルの病気が進行して全てを忘れてしまうのか、どんな結末になるのか恐ろしくもあり楽しみでもある。 -
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ロードノベルかと思わせて、自分の過去と向き合う内面を描いた小説。
若年性アルツハイマーを患い、臨床試験から逃れるために旅に出る。旅に出るのは全く見ず知らずの女性。彼女も何か思い詰めている様子…。徐々に打ち解けていく2人。恋愛ではないけれど、違う点に目を向けて互いを尊重しようとする姿勢が素敵だと思う。
まだまだ半分だが、過去に愛していた女性との思い出を振り返り、過去の意味付けをおこなったり、いなくなった人への思いに気づいたりと、内奥する場面が非常に多い。正直わたしにはローラの魅力がさっぱりわからないのだが、振り回されることが好きな男性もいるのかな…という感じで共感することはできなかった。でも、自分もふと、過去に出会った人のことを思い出して、その時の状況にそのときどき、これはこういうことだったんだ、私はこう思ってたんだ、実はこうなのかも…と意味付けすることはよくある。
ローラの存在が、旅の友であるジョアンヌのキャラクター性も引き立てていて、恋愛ではない親愛といってよい気持ちを芽生えさせていくところがよかった。
エミルは症状も出てきていて、ジョアンヌの過去もおそらく明かされそうで…このまま旅を続け、どうなっていくのか。下巻も楽しみだ。 -
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事故によって下半身不随となった俳優フランソワ。その絶望感は計り知れない。それまでの人生を突然奪われ、自分の身体も、仕事も、これからの人生も何もかもが変わってしまう。そんなフランソワを、レオはそばにいて支えようとする。
けれど、読み進めるうちに「この2人はもうダメなのでは」と思う場面が何度もあった。二人はあまりにも傷つけ合う。それなら、いっそのこと別れたほうがいいのではないか、と。
それでもレオは別れることを選ばない。
もしかしたら二人は、傷つけ合っていたのではなく、お互いの弱さや醜さ、怒りや絶望までさらけ出し、「こんな私でも、こんな俺でも、それでもそばにいてくれるのか」と訴えていたのかもしれない。
けれど、二人だけではきっと潰れていただろう。レオには一人の時間や両親のもとに戻る場所があり、フランソワにも気持ちを受け止めてくれる人がいた。
愛する人がどれほど大切でも、その人一人ですべてを支えることはできない。支える側にも、支えてくれる誰かが必要なのだと思う。それも「支えてあげる」と前面に出るのではなく、「いつでも来たらいいよ」と、さりげなくそこにいてくれる人。
愛があればすべてを乗り越えられる、という物語ではない。愛していても疲れるし、憎らしくなるし、逃げたくなる。それでも、そこからどうやって立ち上がっていくのか。
「元には戻れない。でも、それでもここから生きていく」。そんな再生の物語。
そして、何よりかっこいいと思ったのが、フランソワの元妻イサベル。自分を裏切った二人に怒りや憎しみを抱きながらも、最終的には二人を支える。
「赦す」とは、過去の傷をなかったことにすることではない。傷つけられた事実を抱えたまま、それでも目の前の人を見捨てないことなのかもしれない。
読み終えて、ふと思いました。
私にはそんな居場所があるのだろうか。
そんな居場所になれるだろうか。 -
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーと診断されたエミル。長くても余命2年という医師の診断。私なら絶望して塞ぎこんでしまうと思うのに、そんな状況でありながら旅に出てしまうのだから、その行動力はすごい。そして旅を共にしていくジョアンヌと出会った。
2人がキャンピングカーで旅を重ね、それぞれの気持ちを整理していくわけだけれど。ただ美しい景色を見て、素敵だね生きていてよかったと感動するだけではなかった。ほんとうに生きていたら人生なにが起こるかわからない、というのがこの本を通して感じたことでした。
旅を重ねていくにつれ、ジョアンヌの聡明さが際立つように思いました。
旅の終着地はどこにあるんだろう…ほんとうに先が読めずにいますが、下巻も2人の行く末を見届けたいと思います。 -
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ダ・コスタ、池田理代子「ベルばら」以来のフランスブーム到来中w
24歳のエレオノール(レオ)、と42歳の舞台役者・フランソワの年の差カップル。
それぞれのモノローグが交互に現れ、物語は進む。
始まりは衝撃。
レオはジムを出たところで、フランソワの事故の一報を知る。
病院へ駆けつけても、彼女はフランソと法的な関係ではない。
枕元へたたずむのは、妻のイザ。
フランソワはスクーターに乗っていて、バスにはねられ、
下半身不随となる。もう歩くことも出来ない・・・
その状況でも、レオはひたすらに、フランソワの元へ通い続ける・・・
邦訳第一作の『空、はてしない青』も、若年性アルツハイマーの男性という
重い設定だったが、こちらも重い。
ただ正直、レオとフランソワの関係は、いわゆる不倫関係。
レオが辛かろうが、フランソワを愛そうと献身しても、共感できない。
それどころか、あなたは24歳・・・良いんですか?
と、ずっと問いかけてしまう。
レオに反感を抱く妻イザベルの方が、よっぽど共感できる。
二人の心のすれ違いも痴話げんかに思えてしまう。
・・・ということで、上巻は今ひとつ。
それでも★4にしたのは、重い競っていながら、読むことを止められない、
その点に尽きる。共感できなくても読ませる、すごい!
そして、フランス・パリやその郊外の描写にが魅力的。
子どもの頃、昭和の時代、児童書から英国やアメリカの雰囲気を感じ取った
あの気分。 -
Posted by ブクログ
《絶望の淵に立たされた時、人はどう生きる力を取り戻していくのか》
SNSで見掛けて気になった作品。
パリを代表する舞台俳優・フランソワは交通事故に遭い下半身不随に。秘密の関係を経て彼と結ばれるはずだった若き恋人・エレオノールは未来の全てをなげうち、彼を支えようとするがー…。
物語が始まる前のページから引き込まれた。
「空、はてしない青」の読者なら、きっと「あ!」ってなるハズ。
この名言、めちゃくちゃ好き。
今作も設定がすごい…!
法的に見ればレオはフランソワのそばにいる必要はないわけで、フランソワもレオにそれを強制することはできない。
お互いに離れたければいつでも離れられる関係。
夫婦、親子など法的にも制度的にも結びついた関係だったら義務も責任も伴うし、面倒を見ることはある意味当たり前のことなのかもしれないけれど、(むしろ放棄するなんて…ってなりそう)この関係性だと決して当たり前のことではなかったと思う。
だからこそ、自発的にフランソワと関わろうとするレオの姿に胸を打たれたし、自分だったらどうするのかを考えさせられた。
心理描写が繊細で、読んでいる間中胸が詰まりそうなのに物語の進め方にはすごくエンタメ性があって、次で何が明かされるのか、この人はどう変わっていくのか、と推進力がすごくて、読む手が止まらなかった。
絶望の描き方が容赦ないからこそ、小さな変化や人との交流がめちゃくちゃ効いてくる。
そして綺麗事だけではない、支える側・支えられる側双方の厳しい現実の描写がフィクションでありながらノンフィクションのような生々しさで胸に迫った。
頑張れば立ち直れる!という単純な物語ではなく、
小さくて具体的な愛の積み重ねが、もう動けなくなっていた人を少しずつ立ち上がらせていくところが胸にグッときた。
人は、一人では生き直せない。
でも、人と関わることで、もう一度歩き出せるのかもしれない。
「空、はてしない青」に通ずるような作品で、読後感も近く感じた。 -
Posted by ブクログ
若年性アルツハイマーで余命2年と診断された、26歳男性のエミルが、家族や友人、元恋人への未練など全てを捨てて、掲示板で出会った見知らぬ女性のジョアンヌと2人で、人生最後の旅に出る、というお話。
本屋さんでめちゃくちゃおすすめされており、あらすじ等は全く見ずに、読み始めた。病気もののフィクションは絶対最後悲しい結末になることがわかってるので、あらすじを知っていたら多分読まなかっただろうな。。でもめちゃくちゃ良い本だった。
上巻は、エミルの視点で、所々過去の回想が入りながら、旅が進む。
エミルがこれまでの人生を見つめ直して、今を生きるために過去を赦す場面がとても印象的だった。
「もっとも偉大な旅人とは、自分自身を見つめ直すことができた旅人だ」
自分もこんな旅がしてみたいと、誰もが思うような旅を描いた物語。