檀一雄のレビュー一覧
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風雅かつ豪快な男の料理。
文字だけで、ここまで想像力をかきたてられるなんて、そして楽しめるなんて、なかなかない。
母親の出奔により、やむなく料理をすることになった経緯があるのに、手を抜かず楽しんでおり、読んでいてひきこまれる。
興味の幅も広く、各国の料理を取り入れており、昭和44年に連載していた内容なのに、当時としてはハイカラな食材も登場する。
食通ぶってなく、なのに
“梅干しだの、ラッキョウだの、何だか、むずかしい、七めんどうくさい、神々しい、神がかりでなくっちゃとてもできそうにない、とうようなことを勿体ぶって申し述べる先生方のいうことを一切聞くな。壇のいうことを聞け。”
なんて言ってしまう -
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たかが「料理の本」です。
ですが、このたかが「料理の本」に人生狂わされたと言った人がいます。
著者は檀一雄、この人に人生狂わされたという人が大勢いる人です。
どんだけの人がという詳細は自伝的私小説『火宅の人』や、沢木耕太郎の『檀』を読めば解ります。
『男の隠れ家』誌の最新号に、面白いコラムが載っていた。
檀ふみさんと彼女のお母さんの二人に、自前の料理をご馳走した男性の書いたコラムだ。ワインにまつわるお洒落な話というのが毎回のテーマらしい。「自称檀流門下生」のにわかシェフが、ラオス風の焼き鳥やら、自家製柚子胡椒を使ったサラダなどを振舞う。
お礼に、と檀さんがコレ -
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私が料理を始めた20年前は まだ男子厨房に入らずという風潮で
素人で料理をするひとはいるものの素人が料理の本をだすということはめずらしかった。
そのころ 参考にした素人料理の本の一つだ。そのころ読んでいた本をリストアップしてみた。
荻昌弘 映画評論家「男のだいどこ」 1972
壇一雄 作家 「檀流クッキング」1975
三善晃 作曲家「オトコ、料理につきる」 「男の料理学校」1979の改題
水上勉 作家「土を喰う日々」1982
丸元 淑生作家のちに料理研究家 「丸元淑生のシステム料理学」1982
玉村豊男エッセイストあるいは画家「料理の四面体」1983
もちろんプロの 料理人の本や栄養学者の -
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檀一雄が、太宰治と坂口安吾のエピソードを語り、その書評もされた1冊。
新聞や雑誌に掲載されたものがほとんどなのだろう、けっこう重複する内容もあったのが少し残念。逆に考えれば、そうなってることで太宰治と坂口安吾、檀一雄それぞれの言動が頭に残る。
この時代の作家や文壇の一辺を見た気になり、そのなかでもこの方たちが苦悩の中でなんとか自分を生きていたんだなと感じることができた。しかしまわりの人間はこのような人たちに振り回され大変なこともあったろうなぁとも。まあ、そのまわりの人たちも今ではちょっと考えにくいほど受け入れる器が大きい人たちばかりだが。
次にこれらお三方の著書を手に取った時、いままでとは -
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・太宰治コーナーにあったのがびっくり。
・檀一雄さんの太宰治愛がすごい。ほー。
こんな友人というか師というかいい関係。迷惑かけたりかけられたり。かけられたりのほうが多かったかもやけど。
・走れメロスのきっかけになったんじゃないかという熱海事件。なんでああいうことになってしまうのやら。お酒飲みは。
・ふわふわとたゆたうように生きるおおばようぞう。もとい津島
,中原中也も。立原、菊谷栄。
・70p
太宰の散歩姿が、今でもはっきり目に浮かぶ。まるで、悪魔に捉えられた囚人のようだった。
・太宰治の口ぐせ
何にも見るな。何にも聞くな。ただ巧言令色であれ
どういうことだろう。夢の世界で生きるってこと?
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以前読んだような、読んでないような・・・。
檀さんの食に対する愛情があふれた一冊。
あれやこれや、あまり難癖をつけていないところがよい。
彼が大好きなお店「北のイリエ」。タンとテールシチューのミックスの
タンテル、これは面白そう。
検索したら何と東苗穂。ススキノかと思ってたが・・・、こんなところまで
食べに行ってたのだろうか?
ルイベ(鮭を冷凍させたもの)で、本当のルイベは鮭を一匹、
北海道の雪と寒気にさらすもの。決して冷凍庫には入れないこと。
この味わいを、スペインの「ハモン・セラノ」とダブらせるところが好き。
豚の足を丸ごとハムにして、ピレネー山脈の雪と日光にさらす味わいが
極めて類