横山啓明のレビュー一覧
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○1992
これを読む前にNetflixの実写を観た(約3年前)
何となく内容は分かっていたけどそれでも楽しめた
というか記憶が曖昧なのもあってなのか割と内容が違うかったような…
ともあれ、原作はただ恐怖ってだけじゃなくてそこに息子の恋愛云々を入れることでより報われなさが増してよかったな
そして何より終わり方がよかったな
○公正な取引
これは所謂、世にも奇妙な物語的な作品
短編でありながらかなり満足度の高い作品
何でもかんでも代償は付きものでそれが今回は自分の周りの人に降り注ぐって設定がいいよな
ミステリーっぽいSFっぽい雰囲気、よかった -
Posted by ブクログ
ダイナーのトイレで銃を突きつけられ、爆弾付きのジャケットを着せられた上、法廷に放り込まれた弁護士フリン。ロシア・マフィアのボスの保釈の為、証人を爆死させる計画だった。背けば誘拐された10歳の愛娘の命は即消える。昔、スリや詐欺で慣らした腕でさまざまな困難に立ち向かうフリン。31時間という期限付きな為、スピード感があった。妻との別居や1年前に携わった事件が元でのアル中の治療入院を終えたばかりのフリン。その彼が娘を救い、弁護士の誇りをかけボスに徹底的に制裁を与えるべく奔走する姿はめちゃくちゃカッコ良かった!
リーガルサスペンスでありながら、アクションもたっぷり味わえた。本国ではシリーズを重ねているら -
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ネタバレ6つの愛の形があることを知っているだろうか?いやほんとはもっと多いのかもしれないし、少ないのかもしれない。ひょっとしたらそもそも愛って何という問題にぶち当たるのかもしれない。
それでも人間は6つの愛の形を持つ可能性があると知ることは、これから先の人生で愛の問題に取り組むに当たって何らかのヒントになりそうだ。
ギリシャ思想の中では愛は「エロス(性愛)」「フィリア(友愛)」「ルードゥス(遊び)」「プラグマ(成熟した愛・情愛)」「アガペー(無償の愛)」「フィラウティア(自己愛)」の六つに分類され、昔はそれをそれぞれ異なる人と満足させてきたが、現在ではすべてを一人の人で満足させようとしている。
結 -
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全編にみなぎる熱量が凄い。一時期ミステリ界を席捲したリーガル・サスペンスの一種だろうというバイアスは、幕開けから覆される。本作は、臨界点まで追い詰められた男の闘いを、圧倒的な筆力で活写した血が滾る傑作である。
舞台はニューヨーク。弁護士エディー・フリンは、朝食に立ち寄った店のトイレ内で、前触れなく背中に銃を突き付けられた。瞬時に体が反応する。背後に立つ男の脅し文句と所作から、即座に相手の素性と特徴を推察。銃の男が右利きであることを見取り、左側の隙から反撃する手順を脳内で辿る。一介の弁護士としては並外れた挙動。だが、もう過去の自分ではないと自戒し、冷徹に情況を見極める。僅か冒頭1ページ。主人公 -
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私達の生活を歴史という観点から考察する、という趣旨。 正直、今年一の内容だった。
まず素晴らしいのはテーマの広範さ。愛の分類からはじまり、家族、仕事、料理、お金、死生観と、生活をめぐる多くのテーマがあり、これらの全体として生活がある事がよく理解できる。 また、章を分け、それぞれについて論じられている事で読み手が理解しやすい。 この手の話は論旨がハッキリせず、寄り道のように様々な事が語られがちなのだが、全体における部分として、それぞれ独立した構造になっている。
以下感想
読書の動機は生活について考察をしよう、というテーマに強く惹きつけられたからであり、これは現在の生活に疑問を抱いているとい -
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まず、このカテゴリーの小説に必要な要素の緊張感を当作品は持っている。すなわち、一読に値するという意味でである。現代の情報戦がシギントに傾く中、ヒューミント(人的なリソースによってもたらされる情報)にウェイトを持つ作品が十分なリアリティを持って展開される本作品は、CIA分析官の経歴を持つ著者ならではの境地であると言っても過言であるとない。クランシーの死後、道を継ぐものとしての期待大である。さて、本作品は、中台緊張と台湾の自立を支持するアメリカを巡る物語である。2012年の作品であるから2015年末の現在と比較して国際情勢において差異はあるのだけれど、アメリカ国内、アメリカの在中大使と中華人民共和
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アメリカCIAに所属する現役分析官が執筆したスパイ小説。
本書は著者のデビュー作になります。
中国の台湾進攻をテーマにしており、中々スリリングで読み応えのある小説でした。
では、前置きはこの位にして以下で粗筋をご紹介。
無能な上司の所為で負傷した秘密工作員キーラ。
復帰後、彼女はCIAの分析部門の一角であるレッドセルに配属となる。
時を同じくし、中国が台湾への軍事作戦を開始する。
これを受け、中国の手の内が読めぬまま空母を台湾近郊へ向かわせるアメリカ。
そんな折、20年以上に渡って中国中枢の情報をCIAに流してきたスパイ、コードネーム・パイオニアの身に危険が迫る。
彼から中国の秘密を -
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「1922」と「公平な取引」の2編。
「1922」は、妻を殺した男の独白なんだけど…。
「ドロレス・クレイボーン」を思わせるシュチエーションでありながら、全く同情の余地も哀れもない。とにかく醜悪なのだ。男も、殺される妻も、その近隣の人間も、普通に醜悪なのだ。そう、特別な悪意ではなく、特殊な憎悪でもなく、多分普通の範囲を出ないものなのだろう。が、結局、そういうものが自己の営利という方向のみに向かうとここまで醜悪になれるということなのだろう。
いわばまきこまれる形になる息子には、ちょっとだけ同情する。が、彼も若さゆえの、愛ゆえの暴走、というには自己的なのだ。
もっとも、あの男と妻との子 -
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ネタバレ表題作はあることを契機に人生のタガが外れていく男の話。当時は社会インフラや医療技術などあらゆるものが現代とは異なっていて、今だったら同じ選択をしたとしても、もっとスマートな方法だったり、なんなら離婚訴訟とかになってたかもしれない。
オチは(自分的には)キングらしくないかなと感じた。「痩せゆく男」や「ダーク・ハーフ」を本作と同じ結末にしたらたぶんあまり面白くないと思う。救いとかそういうものがなく、恐怖は恐怖のまま終わってくれたほうが好きだ。
同時収録の「公正な取引」はグッドヒュー家が坂道を転がる石のように不幸になっていく部分の描写がいかにもキングらしい、リアルな手触りだった。こちらのオチは好き -
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イギリスの作家「チャールズ・カミング」のスパイ小説『甦ったスパイ(原題:A Foreign Country)』を読みました。
『ケンブリッジ・シックス』に続き「チャールズ・カミング」作品です。
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英国推理作家協会賞「イアン・フレミング・スティール・ダガー」賞受賞作。
故あって英国秘密情報部SISを追われた男「トーマス・ケル」。
彼は昔の同僚から思わぬ依頼を受けた。
SIS初の女性長官に就任する「アメリア・リーヴェン」が突如消息を絶った。
「アメリア」のことをよく知る「ケル」に彼女を探し出してほしいというのだ。
「ケル」は捜索を始めるが、やがて -
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ネタバレキングです。ホラーです。
ホラーっていっても、怖いんだけど、上品なんですよ。
だから余計怖いって話なんですが。
読んでしばらくたってるので、うろ覚えの部分もあるんですが
1922年ごろのアメリカの中西部?中南部の田舎のお話しです。
隣家まで数キロとか、何エーカーもの農地やら牧場を持ってるけど
決して暮らし向きはラクではなく、家族だけでカツカツの農業を営んでる。
こんな暮らしに妻は不満タラタラで、農地を売って都会に転居したい。
夫は、農夫ライフにプライドを持っていて、浮ついた妻が許せない。
そして、夫の方に従順な息子。
農地を売る売らない、で対立したあげく、妻を殺害してしまい、
息子と協