【感想・ネタバレ】甦ったスパイのレビュー

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Posted by ブクログ

イギリスの作家「チャールズ・カミング」のスパイ小説『甦ったスパイ(原題:A Foreign Country)』を読みました。

『ケンブリッジ・シックス』に続き「チャールズ・カミング」作品です。

-----story-------------
英国推理作家協会賞「イアン・フレミング・スティール・ダガー」賞受賞作。

故あって英国秘密情報部SISを追われた男「トーマス・ケル」。
彼は昔の同僚から思わぬ依頼を受けた。
SIS初の女性長官に就任する「アメリア・リーヴェン」が突如消息を絶った。
「アメリア」のことをよく知る「ケル」に彼女を探し出してほしいというのだ。
「ケル」は捜索を始めるが、やがて驚くべき国際的陰謀が明らかに!
非情な謀略に巻き込まれた人々のドラマを描く傑作スパイ小説。
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MI6を辞めさせられた元スパイを主人公にした「トーマス・ケル」シリーズ三部作の第1作目… 「コリン・ファース」主演でのテレビシリーズ化の企画が進行しているらしいです、、、

観てみたいですね… でも、そもそも本シリーズは日本では本作品しか出版されていないので、第2作目『A Colder War』、第3作目『A Divided Spy』も翻訳して欲しいですね。

 ■チュニジア 一九七八年
 ■現在
 ■ボーヌ 三週間後
 ■謝辞
 ■訳者あとがき 横山啓明

主人公はイギリス情報局秘密情報部(SIS 通称MI6)をクビになった42歳の元スパイ「トーマス・ケル」… 妻「クレア」とは別居しており、単身用のアパートに暮らし、食事は総菜を買って済ませ、昼は映画専門チャンネルで古い映画を観て、毎夜飲んだくれるという生活を送っていた、、、

そんな彼は、二日酔いで目覚めたある朝、SISのかつての同僚「ジミー・マークワンド」からの電話を受ける… まもなくSIS長官に就任する予定の「アメリア・リーヴェン」が行方不明になってしてしまったというのだ。

女性初のSIS長官とあって、就任には組織内部に様々な思惑が渦巻いていた… 就任前に予告もなく休暇をとった彼女を怪しみ、ライバルだった高官「ジョージ・トラスコット」は「マークワンド」とともに彼女を監視させていたのだ、、、

だが、「アメリア」は突如消息を絶ってしまう… もしこの事実が外部に漏れれば一大スキャンダルとなり、由々しき事態だ。

そこで、彼女と親しかった「ケル」なら、行動パターンが読めるかもしれないとの判断から捜索依頼があったのだった… 「アメリア」を追いニースに飛んだ「ケル」は、彼女が「フランソワ・マロ」というフランス人と連絡をとっていたことを突き止める、、、

「フランソワ」の両親「フィリップ」と「ジャニーン」はごく最近、カイロで殺害されてた… 「フランソワ」は何者なのか?ロンドンが考えているように、恋多き女「アメリア」の情夫なのか?

やがて、「ケル」は「アメリア」がその昔封印した秘密… 「フランソワ」は「アメリア」の実子で、出産後に「マロ」夫妻の養子となったことを知ることになるが、そこにはフランスの対外治安総局の策謀がめぐらされていて、捜索は思わぬ方向に、、、

と序盤からハラハラドキドキの展開… その後、「フランソワ」は替え玉であることが判明し、「ケル」は「アメリア」にそのことを伝え、偽者の「フランソワ」を利用して、捕らえられている本物の「フランソワ」の救出を計画する。

しかし、この作戦は「アメリア」の秘密を守るために、SISの力は借りることができない、、、

そこで、「ケル」と「アメリア」に加え、「ケル」の仲間であるSIS連絡員「エルサ・カッサーニ」、元MI5の技術者「ハロルド・モーブレイ」、元イギリス海兵隊員「ケヴィン・ヴィガーズ」、「ダニエル・オールドリッチ」や、「アメリア」が私財を使って雇った攻撃チーム「アンソニー・ホワイト」等により実行に移される… 序盤から愉しめたのですが、中盤以降、騙されていたことを知った「アメリア」が「ケル」の協力を得て反撃に出てからは、さらに盛り上がり、エンディングまでの怒涛の展開を愉しめました。

さすが、2012年の英国推理作家協会賞「イアン・フレミング・スティール・ダガー」賞受賞作ですね… 面白かった、、、

ホロっとさせられるプチ感動的なエピローグも良かったな… スパイモノ、面白いです。


以下、主な登場人物です。

「トーマス(トム)・ケル」
 元SIS部員

「アメリア・リーヴィン」
 次期SIS長官

「ジミー・マークワンド」
 SIS部員。トーマスの元同僚

「サイモン・ヘインズ」
 SIS長官

「ジョージ・トラスコット」
 SIS副長官

「エルサ・カッサーニ」
 SIS連絡員

「ハロルド・モーブレイ」
 元MI5の技術者

「ケヴィン・ヴィガーズ」
 元イギリス海兵隊員

「ダニエル・オールドリッチ」
 ケヴィンの海兵隊時代の仲間

「アンソニー・ホワイト」
 攻撃チームの指揮官

「フィリップ・マロ」
 定年退職した男

「ジャニーン・マロ」
 フィリップの妻

「フランソワ」
 アメリアが電話をかけていた相手

「クリストフ・デレストレ」
 フランソワの友人

「クレア」
 トーマスの妻

「ジャイルズ・リーヴィン」
 アメリアの夫

「ジャン=マルク・ドーマル」
 チュニジアで働く男

「ジョーン・グートマン」
 ジャン=マルクの友人

「デイヴィッド・グートマン」
 ジョーンの夫

「アーキム・エラヒディ」
 "ホルスト"の誘拐犯

「スリマン・ナッサ」
 "ホルスト"の誘拐犯

「ヴァンサン・セヴェンヌ」
 スリマンの仲間

「リュック・ジャヴォ」
 フェリーでフランソワと話していた男

「マドレイン・ブリーヴ」
 フェリーでトーマスに話しかけてきた女

「ヴァレリー・ドゥ・セール」
 リュックの仲間

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2022年10月22日

Posted by ブクログ

あっさりと解決?と思ったら、実は――という。テンポがよく普通に読みやすかった。不倫を美化してるようなところはちょっと・・・だけど。

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2014年08月20日

Posted by ブクログ

故あって英国秘密情報部SISから追われた男トーマス・ケル。彼は昔の同僚から思わぬ依頼を受けた。SIS初の女性長官に就任するアメリア・リーヴェンが突如消息を絶った。アメリアのことをよく知るケルに彼女を探し出してほしいというのだ。ケルは捜索を始めるが、やがて驚くべき国際的陰謀が明らかに!非情な謀略に巻き込まれた人々のドラマを描く傑作スパイ小説。英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞受賞作。

とっても普通のスパイ小説。

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2018年06月03日

Posted by ブクログ

タイトル通りスパイもの。
一章ごとに視点が変わって話が掴みにくいのと、前半の展開が遅いのとで読むの疲れる。
後半の伏線が回収されて行く流れはお見事。

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2015年05月02日

Posted by ブクログ

ル・カレの好きな人にはおすすめ、とかどこかの書評に
あったそうだが、そう言えないこともない。
最近のスパイはそういうやり方なのか!と感心する反面、
本人も行方を知らなかった隠し子をネタに、外国の
情報機関の責任者を陥れよう、なんてありかしら?とも
思う。冷戦下の愛国心という動機に代わるものが必要なの
分かるけど、もうちょっとハードボイルドでも・・

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2015年02月15日

Posted by ブクログ

家にあったので読んでみました。
結構初期にお話が解決しそうと思ったらそうでもなくずるずる長引いた、というような。カッコーを追いかける辺りでなんであの場で捕まえなかったのかなあとか思ったんですが吐かせるよりもつけた方が良いという判断なんでしょかね。

フランソワは愛の子、とか断言する辺りどうなのかなあと思いました。じゃあ奥さんとの間の子供たちは愛の子じゃないのか(笑)。不倫相手の男も誠実な感じじゃないし。本当に愛し合っているならきちんと離婚したらいいとか正論かましたくなるわけです。という訳でその辺り最後美談に終わりそうですがそうでもなさそうな感じが…。大体不倫男が隠し子の存在を漏らしたから養父母は殺された感じがするし…。
確かに生さぬ仲、という事はあるのでしょうが養父母はダメで実父母なら生まれたと同時に養子に出された親でも良いのか、と思うとなんとなく複雑ではあります。

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2013年12月09日

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