加藤秀俊のレビュー一覧
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あっという間に読めてしまう
筆者の奥様に語りかけるように、あなたと呼びながら昔を回顧していく文体に惹き込まれる
とても理想的なカップルだと感じた。もちろん思い出は美化されていくものだし、息子さんのあとがきにもあったように思い出に酔われたように書かれてるところもあると思う。それでも、奥様がまったく大袈裟ねと笑い飛ばしてる姿が想像されるくらいに詳細に2人の関係性が描かれていて素敵だった。
この作品が、亡くなられる直前90歳を超えた時に書かれていることも感動的だ。認知症が進んでいることを認められているのに、詳細に、当時の景色、季節感、会話、表情を書き記されていて、奥様と過ごされた時間の濃さと愛情を -
Posted by ブクログ
ネタバレ加藤秀俊さんの「続・隠居学」、2007.2発行です。ニートと隠居はどっちも「ひきこもり」の意味を含んでいますが、月とスッポンだと。そうですね、隠居ののんびりは仕事を為し終えた後、そして、体力の衰えによるものでもありますね。一読して「続」の方は、隠居生活とはあまり関係のないものも結構多いエッセイでした。著者は「待つ」ことが苦痛でなくなったとのことですが、私はまだまだ待つのは苦手、待てないです。(^-^)
好日好学。ゆきあたりばったり。その日のことはその日に決める。昼寝をしたけりゃ昼寝する。本が読みたければ読書三昧。それでいっこうにさしつかえない。社会学者、加藤秀俊さん、2023.9.20没 -
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母国語である日本語を勉強しなおしたくて、なんとなく手に取った。
文法や語法などについてはあまり細かく書かれておらず、日本語に限らず、言葉は通じればよいというある意味ゆるい考えの主張がおもしろかった。
英語では私じしん相変わらずコンプレックスを持っているようで、できるだけきれいに話そう、書こうと頑張っているが、nativeと同じように話せなくてよいんだなあと、少し解放された気がする。
著者は漢字の多様についても疑問を呈しており、この本もひらがな表記や大和ことばが多く使われている。初めは違和感があったが、読み進めるうちにこちらの方が心地よくなり、私も少しは倣ってみようとおもった。 -
Posted by ブクログ
日本語があいまいという論は間違いで、英語をはじめとする外国語にもあいまい表現は十分あり、それは洗練された言語が持つ文明の技術なのだ、という説明になるほどと思った。日本語の問題ではなく、それを使う日本人があいまいな表現を多用しているというのにも納得。
漢字を知識をひけらかしたり権威をふるうために使うことに反対というのには同感だ。法律を学んでいて、意味もなく難解な漢字が度々出てくるのは本当に謎だ。
私もこの文章を書くのにかなりの漢字を使っているなあ…。
漢字はあくまで趣味のひとつで押し付けるものではないというのは新しい視点だった。
自分が使う日本語に、責任を持とうと思えた。
全体的に言っていること -
Posted by ブクログ
こんなうるさい頑固ジジイが町内に1人は居てほしいような気がする。そんなことどうでもエエやんか、時代が違うんだから。と、言いたくなるくらいいちいち目くじら立てて煩いけど、ひと昔まえの日本人にはそんなことは当たり前のことだった。そしてそれは今も正しい。でも今それを言われると鬱陶しいし、そんなことを誰もしなくなった。それはなぜか?価値観が変わったのではない。その証拠にこのジジイが言っていることを間違っているとは誰も言えないだろう。では、なぜか?答えはこの本に書いてある。米国にカート・ヴォネガットあり(先年亡くなったけど)。日本に加藤秀俊あり。どこの国でも小うるさいジジイは存在する。そしてジジイの言う