加藤秀俊のレビュー一覧

  • 九十歳のラブレター(新潮文庫)

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    加藤秀俊さんの目線で妻との人生が終始書かれており、非常に読みやすかった。この本の感想を文字にすることに抵抗を感じる程に、とても素敵で優しい時間が綴られていた。大切な人の死は、決して「別れ」ではない。「死」の瞬間にその人との思い出が鮮明に蘇り、その人との「再会」を果たす。歳をとってもラブラブな夫婦に漠然とした憧れを抱いていたが、今は確実な理想の夫婦像を思い描くことができる。バイブルにしたい本の一冊となった。

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    2024年07月22日
  • 九十歳のラブレター(新潮文庫)

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    互いに一途で美
    「妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ」は、
    変わりゆく時代の中でも覚えておきたい大事にしたいものになった。

    奥さんの「いずれいいことがあるでしょ、好きなようにしたらいいわ、あたし、待ってるから」のマインドがすごく好き。
    あと互いに難しそうな局面を楽しもうとするところ。

    たまたま、小さな本屋で出会ったこの本を
    私は死ぬまで大事にする。

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    2024年04月01日
  • 九十歳のラブレター(新潮文庫)

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    あっという間に読めてしまう
    筆者の奥様に語りかけるように、あなたと呼びながら昔を回顧していく文体に惹き込まれる

    とても理想的なカップルだと感じた。もちろん思い出は美化されていくものだし、息子さんのあとがきにもあったように思い出に酔われたように書かれてるところもあると思う。それでも、奥様がまったく大袈裟ねと笑い飛ばしてる姿が想像されるくらいに詳細に2人の関係性が描かれていて素敵だった。
    この作品が、亡くなられる直前90歳を超えた時に書かれていることも感動的だ。認知症が進んでいることを認められているのに、詳細に、当時の景色、季節感、会話、表情を書き記されていて、奥様と過ごされた時間の濃さと愛情を

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    2024年03月24日
  • 九十歳のラブレター(新潮文庫)

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    大切にしたいと思った本は本当に久しぶりだ。
    今頃お二人は桜の木の下で手を取り合い笑いあっているのだろうな。だから一夫一婦制は辛いんだよなぁ、失うことの辛さを知りたくない→ひねくれの弱虫(笑)

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    2024年02月03日
  • 習俗の社会学

    購入済み

    日本文化の神髄

    昨今臆面もなく、その由来さえ知らずに西洋の行事を取り入れる風潮に辟易としています。そんなときに、この本を読むと、日本文化の本来の姿、日本人の心をを再認識することができます。

    #タメになる #深い

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    2023年10月18日
  • 続・隠居学

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    ネタバレ

     加藤秀俊さんの「続・隠居学」、2007.2発行です。ニートと隠居はどっちも「ひきこもり」の意味を含んでいますが、月とスッポンだと。そうですね、隠居ののんびりは仕事を為し終えた後、そして、体力の衰えによるものでもありますね。一読して「続」の方は、隠居生活とはあまり関係のないものも結構多いエッセイでした。著者は「待つ」ことが苦痛でなくなったとのことですが、私はまだまだ待つのは苦手、待てないです。(^-^)
      好日好学。ゆきあたりばったり。その日のことはその日に決める。昼寝をしたけりゃ昼寝する。本が読みたければ読書三昧。それでいっこうにさしつかえない。社会学者、加藤秀俊さん、2023.9.20没

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    2023年10月07日
  • 常識人の作法

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    若い頃「独学のすすめ」「整理学」、最近は「隠居学」「続・隠居学」、楽しく拝読しています!加藤秀俊さんの「常識人の作法」、2010.10発行です。読みやすくて、楽しくて、味わい深いエッセイです。特に「演劇する現代」は面白かったです。確かに現代は(いつからなんでしょう?)「ヤラセ」の構造ですね。TVはグルメ番組、旅番組、そしてドキュメンタリー番組さえ。国会の論戦(質疑応答)もほとんどが省庁の役人のお膳立て。企業の株主総会も、国連の会議も。CMは嘘を承知で見てる内、商品名を覚え、店に入ると手が~w嘘から出た誠か

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    2016年09月01日
  • なんのための日本語

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    日本語に対する意識が変わった。
    読みやすいので、たくさんのひとに呼んでもらいたい本のひとつだと思った。

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    2010年09月14日
  • 常識人の作法

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    ネタバレ

    新聞休刊日は談合だ!ホントよく言ってくださいました。
    トマス・ペインの「コモンセンス」。何かにでてきたな?副島隆彦だったっけ?
    きだみのる 「きちがい部落周遊紀行」。前から気になってたが、これも読んでおかないと。

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    2014年03月08日
  • なんのための日本語

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    母国語である日本語を勉強しなおしたくて、なんとなく手に取った。
    文法や語法などについてはあまり細かく書かれておらず、日本語に限らず、言葉は通じればよいというある意味ゆるい考えの主張がおもしろかった。

    英語では私じしん相変わらずコンプレックスを持っているようで、できるだけきれいに話そう、書こうと頑張っているが、nativeと同じように話せなくてよいんだなあと、少し解放された気がする。

    著者は漢字の多様についても疑問を呈しており、この本もひらがな表記や大和ことばが多く使われている。初めは違和感があったが、読み進めるうちにこちらの方が心地よくなり、私も少しは倣ってみようとおもった。

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    2013年06月30日
  • 隠居学 おもしろくてたまらないヒマつぶし

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    隠居というか、ただただのんびりゆったり暮らす養生のような生活を綴ったようなエッセイ?みたいな感じで書かれている一冊。
    長いことダラダラ説明しておいて、「まぁ、どうででもいいことだが」といって話題を変えるのが何度も続く感じ、まるで老人との会話を楽しんでいるようだった。
    次から次へとつぎはぎの知識が欲しくなり、色々調べながら読んだので、読むのに時間がかかった、こちらとしてはまぁどうでもいいことだがと切られた部分は結構気になることが多かった。

    まぁ、どうででもいいことだが。

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    2013年06月04日
  • 常識人の作法

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     常識という曖昧で大雑把な思考の判断方式は潤滑油のようなもので、それは人間や社会の持つ摩擦をなめらかに回避する道具である。その根拠が正確か不正確か、妥当か妥当でないかはともかく、それはその場における緊急避難的措置としては有効である。しかし、無知な大衆の織り成す社会はこの不完全な道具である「常識」に過度に依存し、またその消耗の結果としてよりいっそう粗悪な思考にしてしまっている。

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    2012年04月29日
  • 文芸の社会学

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    卒論のために読んでみました。
    何か「文芸の社会学」っていうより、「文芸を元に社会学の基礎を見る」という感じ。いやまぁ、それはそれでいいんだけどさ、自分としては、社会学の基礎はわかってる(つもり)だから、もっと文芸の方に重きをおいてほしかった。

    ただ結構読みやすかったし(その割には時間がかかったけど)、ヒントにはなったから良しとするか。

    社会学の基礎を学びたいからにはオススメですな。もう20年くらい前の本だけどw

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    2009年10月04日
  • なんのための日本語

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    日本語があいまいという論は間違いで、英語をはじめとする外国語にもあいまい表現は十分あり、それは洗練された言語が持つ文明の技術なのだ、という説明になるほどと思った。日本語の問題ではなく、それを使う日本人があいまいな表現を多用しているというのにも納得。
    漢字を知識をひけらかしたり権威をふるうために使うことに反対というのには同感だ。法律を学んでいて、意味もなく難解な漢字が度々出てくるのは本当に謎だ。
    私もこの文章を書くのにかなりの漢字を使っているなあ…。
    漢字はあくまで趣味のひとつで押し付けるものではないというのは新しい視点だった。
    自分が使う日本語に、責任を持とうと思えた。
    全体的に言っていること

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    2017年10月22日
  • なんのための日本語

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    ネタバレ

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    2011年04月04日
  • 常識人の作法

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     常識人であろうとする著者が、世の中の非常識を槍玉に挙げる。非常識に目を向けることで常識を探るかたちで、著者は論を展開している。80歳の著者が見る若者たちの生態。気になって当然でしょう。しかし……。正論で、真っ当なのだけれども、頭が固すぎる気がしないでもない随想録。

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    2011年09月30日
  • 常識人の作法

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    こんなうるさい頑固ジジイが町内に1人は居てほしいような気がする。そんなことどうでもエエやんか、時代が違うんだから。と、言いたくなるくらいいちいち目くじら立てて煩いけど、ひと昔まえの日本人にはそんなことは当たり前のことだった。そしてそれは今も正しい。でも今それを言われると鬱陶しいし、そんなことを誰もしなくなった。それはなぜか?価値観が変わったのではない。その証拠にこのジジイが言っていることを間違っているとは誰も言えないだろう。では、なぜか?答えはこの本に書いてある。米国にカート・ヴォネガットあり(先年亡くなったけど)。日本に加藤秀俊あり。どこの国でも小うるさいジジイは存在する。そしてジジイの言う

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    2011年07月21日
  • 常識人の作法

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    彼の本は高校生の頃から読んでいて、もう30年以上になる。影響が大きく社会学者になりたいと、社会学部を受験した程。その尊敬する著者は、今、私の勤める広告代理店があまり好きではないようなのが、少しショック。
    でも、内容はおもしろく考えさせられることも多い。
    最近、メディアの役割の変化、メディア自身の功罪を考える文脈の読書をしており、参考になることが多かった。

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    2010年11月08日