谷甲州のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
木星の衛星であるカリストやガニメデ、土星の衛星であるタイタンを中心とする外惑星連合が地球と月の航空宇宙軍に対し開戦準備をしている。そして「第一次外惑星動乱」へと突き進む。前半はそこに至るまでの政治の駆け引き、後半はミクロな視点になってタナトス戦闘団の活躍を描く。
惑星の軌道が頭に浮かんでくるほど宇宙の描写がSFしている。ハードSFなので物理現象に現実味があり、それがリアリティさを増している。派手なドンパチではないが、キリキリとするほどの政治的駆け引きの描写で手に汗握る。後半の冒険小説のような「タナトス戦闘団」でもキリキリする緊張感を味わえる。 -
Posted by ブクログ
第二部は日本列島が沈没してから25年後の物語。国土は消失しても国は存在しているという話。地球規模の気候変動と、地球規模の事案を取り扱う場合、国民、あるいは地球人はどのような目線で活動しなければならないのか?小松左京とそのチームが来るべき真のボーダーレス社会における人類のありようを問うた作品に仕上がっている。
タイトルから本書を手に取ると、どうしても国土やマントル、マグマ、といった地殻変動方面の目線になってしまう。これは日本が地震や火山、津波に強い関心を持っているからしょうがないことではある。しかし本書が見据える視点は地球規模の地殻変動や気候変動をトリガーにした地球人としての振る舞いについて目を開かせようとしているのではないだろうか。
考えてみると、既に国籍をもつ国を離れて暮らしている人は相当いるし、国籍そのものを変えている人も大勢いるわけで、国や国土といった概念は我々(というとステレオタイプだが)日本人のもつイメージとはすでに大きく変動しているような気もしてきた。しかも本書ではそれが20世紀に記されているわけで。先見の明というか、自身の視野の狭さに愕然としつつ、目を開いていかねばという感慨にふけるのである。