馬伯庸のレビュー一覧
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前作『凶兆』編の終盤、呉定縁が白蓮教徒の梁興甫に捕まり“旅の仲間”は離れ離れに……。
そしていよいよ京城へ。
呉定縁、蘇荊渓、于謙の運命は
朱瞻基は生きて京城へ入城できるのか?
中国に現存している歴史的建造物や文化風習の多くは明・清の時代のものである。
にもかかわらず、明朝はあまり物語の舞台には登場しない(明末清初は別)。
巻末には、舞台となった明朝初期の歴史解説が、作家本人により記されてる。登場する人物はかなりの割合で実在(作者の創作では無いということ)しているようで、この時代のことが少し垣間見えた。
それにしても、出来上がった物語は随分と“冒険活劇”で、ドンデン返しの連続だった。
た -
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ボリューム満点。時間がなくて毎日少しずつ読む珍しい経験。
いつも通り、名まえを覚えられず筋を追うのに手いっぱい。ルビを振ってもらって覚えやすいように配慮されているが、字面で読む習慣の私にはあまり意味がない。
当たり前だが同じ人物の呼び方が場面と語る人間で異なることも名前を覚え筋を理解するのに障害となる。
ときどき、うろ覚えの漢詩が出てきてブレイクタイムになってよかった。欲を言えば読み下しは注釈にして欲しかった。主役4人がすこしタフすぎるので
その分マイナス ☆とした。
ともあれ、知らず知らずに引き込まれる Ⅰ:凶兆だった。
この余韻にひたりつつ次巻 Ⅱ:天命に取り掛かろう。 -
Posted by ブクログ
著者の言では「歴史可能性小説」。史実を曲げず、実在の人物と事件の合間に、架空の人物と架空の事件を配置する。矛盾は全くなく、読ませる。
舞台はほぼ蜀の漢中、時は229年初め、北伐第3次から231年春北伐第4次までの出来事、魏のスパイと蜀のの反スパイ組織との戦いを描く。主人公は蜀の反スパイ組織の現場トップ。上司の上司が諸葛亮になる。細部の描写が凄まじいが、基本的に創作らしい。しかしこれだけの組織とその運営がさもありなんとおもわせる。ただ、半分以上頭脳戦で、変化に乏しく、滅茶苦茶に面白いというほどではない。
全500ページで200ページずつの2部構成。間に「間奏」100ページが入る。主人公が呉の武漢 -
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ネタバレ下巻読み終わりました。ラストはこうなのか…。
太子が帝位を継ぐために期日までに北京に戻らないと…というストーリーで進んでましたが、下巻の3/4くらいで北京にたどり着いたんですよ。え?着いちゃったけど、この後どうなるの??と思ったら、もう一捻りがありましたね。
伏線の復讐劇なのですが、大切な人が理不尽なことで亡くなったので復讐するという流れはまぁ分かるのですが、家族でもないようなので、そこまで人生と命をかけてまで??とちょっと首を捻ってしまったのが一つ。あとは亡くなったことに関わった者は全て殺す流れで復讐を進めるのですが、え?そのレベルの関わり度合いの人まで殺す必要あります??という感じで極