馬伯庸のレビュー一覧

  • 両京十五日1 南京脱出

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    ネタバレ

    著者初読。自分にとっては珍しい翻訳小説でもある。もともと翻訳物にはどこか苦手意識があり、購入をしばらく躊躇していたのだが、物は試しと手に取ってみた一冊である。

    物語の舞台は15世紀前半。日本でいえば室町時代、いまだ戦国の世が到来する以前の頃であり、中国では明が繁栄を極めていた時代だ。当時の皇帝洪熙帝は、皇太子である朱瞻基を留都南京へと派遣する。朱瞻基は実在した歴史上の人物であり、のちに皇帝として即位する存在であるが、恥ずかしながらその背景知識をほとんど持たないまま読み始めたため、序盤は状況を掴むのにやや手間取った。

    さらに、物語の随所に登場する官職名や職業名、あるいは地名などがすべて漢字表

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    2026年03月15日
  • 風起隴西 三国密偵伝

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    3世紀初めにこんなに成熟した社会があったとは! さすが古代中国。面白く読めたけど、潜入捜査ものは苦手なので星よっつです。

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    2025年11月24日
  • 風起隴西 三国密偵伝

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    ネタバレ

    三国志の裏側を描くスパイ小説がル・カレ風らしい。しかも作者は「両金十五日」の方!
    というのでワクワクして手に取りました。
    スパイがスーパーマン的な働きをしてエンタメに寄るので、作者のあとがきにもありしたが、スパイとしてはフォーサイスの方に近い(フォーサイスも大好きです)しかし悲哀はル・カレ風か。
    劉備玄徳亡き後の諸葛亮の治める時代で、三国志が好きな人にはたまらないですが、魏と蜀がピンとこない人にはわかりにくいかも。

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    2025年11月16日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    15世紀の中国、明の時代。

    洪熙帝が都である北京の紫禁城で突如として病に倒れる。その容体の重さからすぐに後継者争いが始まる。第一位の太子である朱瞻基は南京にいて、すぐに帰還させるために皇后である母が手紙を送るが、朱瞻基の乗った船は何者かによって仕掛けられた爆弾によって大爆発をおこす、、、。

    南京で酒色に溺れているが、腕は立つ捕吏の呉定縁、生真面目で口数も多く、人一倍の正義感に溢れた役人の于謙、謎めいた女医蘇荊渓という仲間を得て、十五日のうちに北京まで帰ろうとする朱瞻基。そして、それを阻もうとする者たちとの戦い。

    在位一年での仁宗洪熙帝の急死という史実、実際の人物と架空の人物を交えてまるで

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    2025年07月06日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    白蓮教徒の手に落ちた呉定縁を救うべく、済南へと辿り着いた皇太子一行。しかし、各人がその地で驚くべき事実を知る。はたして北京で進行する陰謀を阻止することは出来るのか。巨大な陰謀の背後で糸を引くのは誰か。ぎりぎりの戦いが続く。そして4人が最後に見たものとは…。

    中国•明王朝の歴史的事実を下敷きに描かれた本書。皇太子•朱瞻貴(後の第五代皇帝•宣徳帝)や南京行人司•于謙(後に『土木の変』で王朝継続に貢献)らは実在の人物です。それ以外にも『靖難の役』に関連した人物など、多数登場します。色々と調べながら読んだので時間はかかりましたが非常に面白かったです。明王朝の歴史なんて、高校時代の世界史以来に“復習”

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    2025年06月11日
  • 西遊記事変

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    西遊記の旅の裏ではいろいろなことが起きていた!
    悟空たちの活躍は偶然ではなかったというお話。
    作者の前の作品が壮大な歴史アドベンチャーだったから、同じことを期待して読むと期待外れになるかも。
    でも、私は孫悟空フリークなので、大いに堪能しました。
    西遊記のエピソードをある程度知っていると面白さ倍増です。中国の人にとっては常識なのかも。

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    2025年05月11日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    最後がちょっとだけスッキリしない気もするが、途中の様々な危機と、それをどうやって乗り越えて行くか、ハラハラしながらも楽しめた。全ての人に過去と思いがあり、どこまで掘り下げるのか興味深かった。

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    2025年03月05日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    ネタバレ

    『Ⅰ凶兆』に続く下巻。やはり地理などがわからず、Ⅰに続いて詳細は飛ばして約12時間で一気読み。冒険譚に最後はミステリー要素を入れて締めくくられました。期待通りの面白さでした。

    Ⅰで気になっていたことが明らかになります。そして敵が… 
    こんな展開ありなん?→なんでもありです!
    朱瞻基のピンチの脱出の仕方に涙しそうになり、呉定縁の大胆な作戦にスカッとし、病仏敵を『行け、やってまえ!』と心から応援し、昨葉何が自分のあるべき場所を見つけたことに感動しました。
    そして時間がなく逼迫した場面で登場する新キャラ・阮安に苦笑。
    唐賽児、漢王、周徳文、海寿なども、敵も味方もサブキャラも全部面白い。登場人物全員

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    2025年02月06日
  • 西遊記事変

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    西遊記の裏側では何が起こっていたのか? 道教と仏教の神様たちが様々な計略をめぐらせ… #西遊記事変

    ■あらすじ
    道教の仙人の李長庚は、天庭でのんびりと生活を送っていた。ある日仏教の観音菩薩から、天竺に経典を求めるために向かった三蔵法師に対して、八十一の劫難をたてることを押し付けられる。

    李長庚は宗教間のいざこざや仲間内での争いなど、様々な調整事が後を絶たず仙界、地上界を右往左往。さらに孫悟空の身分を奪われたと主張する猿も現れてしまい…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    中国の古典文学『西遊記』、日本だとテレビドラマが有名ですよね。子どもの頃に再放送でよく見てたなぁ。アクションばりばりの孫悟空

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    2025年01月26日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    ポケミスは、たまに化け物みたいな作品があるよなぁ。こちらもモンスター級に面白かった。
    梁興甫の物語も大変に悲しい。

    解説にあるように、冒険小説としてのクライマックスの後に、ミステリのクライマックスが控えている。
    なぜ謎解きが、朱セン基が皇帝になった後でなければならなかったのか。

    一分の隙もない、スゴイ作品。

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    2024年10月05日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    第二巻も509ページで二段組みの厚さであるが、やはり面白くて先を読みたくてページをくる手が止まらない。皇太子の朱瞻基(しゅせんき)達が乗る進鮮船は一路北京を目指して運河を進む。淮安から兗州に入って船の進む具合が遅くなった。土地の形が弓反りになっていて川の水を多くの水門を使ってうまく流すようにしているため度々の水門で止められてしまうという。皇太子が運河の仕組みに興味を持ってくれたことは于謙にとって嬉しいことだった。さて期限までに北京に到着できるであろうか…。思いもしない出来事が起き、なんと太子と呉定縁との縁は切れずに悪縁となるのか?

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    2024年09月29日
  • 西遊記事変

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    『西遊記』の舞台裏を設定し、その謎を解く小説。主人公は、西遊記にも出てくる仙人の李長庚。スーパーマンではなく、失敗しながら粘り強く話を進めていく。
    著者は「休み」ために、自分が面白くて書いたという。そういう感じがあるが、少し複雑すぎて、途中飛ばしながら読んだ。本来西遊記と照らし合わせながら、精読すると深い面白さが分かるのかもしれない。

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    2026年06月04日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    へー、こんな結果になるんだ、と思った完結編。
    先に作者の後書を読んでしまったため、殉死が大きなテーマらしいとわかってしまった。
    それでも最後に至るまで、どんでん返しがたくさんあって退屈しなかった。
    作者の後書を読んではじめて、呉定縁が主役だったことをしった。
    てっきり宣徳帝かと思った。
    2巻になってからの恋愛要素は、正直不要かな。
    でもそのへんがラストに向けて効いてくるのも確かだった。
    白蓮教の変わり身にいろいろびっくりした。

    たぶん大半の読者と同じく、私も于謙と阮安がいいと思う。
    後者のキャラクターが田中芳樹っぽいなあとやはり思ってしまった。

    作者はキャラクターをブレさせないことに尽力し

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    2026年05月16日
  • 両京十五日Ⅱ 天命

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    上巻で手間取った分、歴史的部分はかなり理解できたし、少し話もテンポアップしたので面白く読めた。
    しかし前半あれだけこまごまと出来事があり、道のりが遅々として進まなかったのに、後半は結構端折って一気に北京へ。ちょっと端折りすぎなような。
    最後ももうちょっといい終わり方はなかったのだろうか。

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    2026年05月08日
  • 長安のライチ

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    中国のエンタメ作家、馬伯庸の最新作。

    あとがきを読むと、この本への訳者の強い思いが伝わってきました。

    長安の小役人、李善徳が楊貴妃の誕生日に生の茘枝を届けるという役目を担います。茘枝は3日目で味が変わるのに、産地の嶺南から長安までは2,500㎞。どう考えても不可能な状況をどう乗り越えるのか…という小説でした。

    李善徳が得意な計算を駆使し、権力と向き合いながらなんとかしようと奔走する様子が楽しめました。

    小説の最後で、今年実ったなかでいちばん大きな茘枝を食べたのは誰だったのか?
    気になる方は、ぜひこの本を読んでみてください。



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    2026年04月28日
  • 風起隴西 三国密偵伝

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    三国志を舞台に、蜀と魏のスパイ戦を描いた「風起隴西」。
    「三国志」の中で、どのタイミングの出来事かについて言及すると、結構なネタバレになってしまう気がするなぁ。よみ進めていくうちに、この登場人物がやらかしていて、その周囲にスパイの手が伸びているのか、という予想はついてしまった。
    一応、蜀の北伐のタイミングでの物語です。何次かは言わない。

    魏国に潜入しているスパイの視点から始まり、蜀への潜入員と防諜の物語へと移っていきます。視点が基本的に蜀の立場からなのは、魏の攻勢を防ぐことが物語の骨子になっているからか。魏に潜入しているスパイの活躍も見たかったな、という思いはあります。だとすれば、蜀の攻勢の

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    2026年04月15日
  • 長安のライチ

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    「両京十五日」は、展開が読めなくてハラハラしながら楽しめたが、こちらはそんなに意外性もなく、たぶん映画で観た方が面白い気がする
    訳がこなれていない感じの部分も多く、ちょいちょい物語の内容以外のところで引っかかってしまった
    趙辛民の話し方とか、もう少しどうにかならなかったのかな…

    (図)

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    2026年04月07日
  • 長安のライチ

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    ネタバレ

    『両金十五日』は楽しく読めたが、エンタメというにはひたすら気の毒で辛かった。

    生のライチは冷凍ものとは全く違ってそれはそれは美味しく、一年のうちでも一瞬しか食べられないのでぜひ!
    という言葉に乗せられて、かなり前に台湾から生ライチを取り寄せたことがあったなぁ。(今は普通に流通しているのかも。)

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    2026年04月04日
  • 風起隴西 三国密偵伝

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    馬先生の本、2作目です。余談ですが「マー・ポー・ヨン」先生と読むんですね。なんか可愛い。

    個人的には前に読んだ「両京十五日」の方が読みやすかったです。三国志は知ってるはずなのに、やはりこれまで読んでたのは日本人向けだったのか…。地理がどうにも掴めず本作は魏と蜀の争いの話なので、ある程度は分かったほうがきっともっと面白かったろうにと思う。ちょっと残念。

    でも、概ね話は面白かったです。諜報戦の話なので、アクション要素は少なく、狐と狸の化かし合い的な感じで話が進みます。三国志で有名なキャラと言うと孔明先生ですが、本作ではかなりのご高齢のようですが流石の冴え渡りです。最後がもっと悲劇的なことになら

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    2026年04月01日
  • 風起隴西 三国密偵伝

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    著者の言では「歴史可能性小説」。史実を曲げず、実在の人物と事件の合間に、架空の人物と架空の事件を配置する。矛盾は全くなく、読ませる。
    舞台はほぼ蜀の漢中、時は229年初め、北伐第3次から231年春北伐第4次までの出来事、魏のスパイと蜀のの反スパイ組織との戦いを描く。主人公は蜀の反スパイ組織の現場トップ。上司の上司が諸葛亮になる。細部の描写が凄まじいが、基本的に創作らしい。しかしこれだけの組織とその運営がさもありなんとおもわせる。ただ、半分以上頭脳戦で、変化に乏しく、滅茶苦茶に面白いというほどではない。
    全500ページで200ページずつの2部構成。間に「間奏」100ページが入る。主人公が呉の武漢

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    2025年10月10日