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「このミス」1位のエンタメ王の映画化原作
映画化! 中国で興収150億円突破の大ヒット!
『両京十五日』で「このミス」1位となった中国のエンタメ王、
いまもっとも注目されるエンタメ作家・馬伯庸の最新作。
『三体』を手がけた訳者が太鼓判を押し、
『超高速!参勤交代』の原作者・脚本家、土橋章宏氏も感嘆、
誰が読んでも面白いノンストップ不可能任務エンタメ!
長安の下級官吏・李善徳に大出世のチャンスが舞い込んだ。近々おこなわれる楊貴妃の誕生を祝う宴に合わせて、妃の大好物であるライチの蜜漬(レイ枝煎)を調達し、長安の王宮に届ければよいだけ。簡単なプロジェクトだ。だが命令を受託した李は、おそるべき事実に気づく。
命令書が改竄されていたのである。届けねばならないのは「レイ枝鮮」、すなわち生のライチ。ライチは1日で変色、2日で香りが変じ、3日で腐るという。産地から長安まで2500km。こんな命令を実行するのは、神にも仙人にも不可能ッ――!
刻々と迫る楊貴妃の誕生日。李善徳は産地に出張し、輸送ルートを踏破し、地方官僚の妨害に苦しめられながらも、知恵と努力を振り絞る李善徳。任務に失敗したら文字通り首が飛ぶ。
そしてついに、プロジェクト決行の時が来た! だが計画を裏切るアクシデントが次々に襲いかかる!
唐代の社畜が挑む長安までの2500kmライチ急送作戦。
このインポッシブル・ミッション、果たして成るか?
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Posted by ブクログ
【長安のライチ】 馬 伯庸 著
「6月1日の楊貴妃の誕生日に、嶺南(広東省)の新鮮なライチを、長安(西安)まで運び献上せよ」という「命」を受けた下級役人(できなければ「死」)。これをどう遂行するかを書いた中国版“ミッション・インポッシブル”。すでに映画化されているようですが、まさに映画に打ってつけの内容です。
「楊貴妃の何気ない一言から始まり、そして楊貴妃の一つの笑みで終わった」のですが、この二つの間に、どれほど多くの人の辛苦があるかを描いています。著者はパンデミックのときに、「決算! 忠臣蔵」「殿、利息でござる!」などの日本映画で下級役人から見た歴史を知り、その後、皇帝がライチを楊貴妃のために取り寄せたという唐の杜牧の七言絶句「一騎紅塵紀子笑(一騎の紅塵 紀子笑う)」で着想を得て、一気に書き上げたようです。
「宮使えはつらいよ」の世界と、中国ならではのお話し(権力が絶対、渡る世間は金次第)もあって、あっという間に読み終えました。帯には「中国のエンタメ王が贈る」「社畜アドベンチャー」とありますが、最終章では清々しさも感じさせる一冊です。
Posted by ブクログ
『西遊記事変』の“お仕事小説味”+『両京十五日』の“決死行味”をミックスした味わい(なんだそれ)。面白いし読みやすい。
唐の玄宗皇帝の天宝14年(755)2月。長安の下級官吏・李善徳は途轍もない仕事を押し付けられる。楊貴妃の誕生日6月1日に嶺南産の茘枝を長安に届けろというのだ。その距離2500km!生の茘枝は3日で腐るという。絶対に不可能な使命に李善徳が取った行動とは…。
著者は「後書き」に、インスピレーションを得た日本の映画を幾つか挙げています。確かに“社畜”とか“官僚主義の不合理さ”など、現代と相通じるものを感じます。
ましてや現代の“かの国”では、ここで描かれた以上に“官僚機構の理不尽さは当たり前になっちゃってる”と、よく聞きますし…。色々と考えさせられる所がありました。
でも、エンターテイメントと割り切って読んでも面白いです。いい読書ができました。
【余談】
『西遊記事変』や『両京十五日』は齋藤正高さんの訳で早川書房刊。これが脚注が多くて実に参考になった。本書は別の訳者で文藝春秋刊。脚注無し。「エンタメ小説だから」と、割り切った翻訳という事かな。ま、すらすら読めるからいいんだけどね。ちょっと、物足らないと言うか、もったいない感じもするんだよな〜。例えばこの年(755)11月に「安史の乱」が始まる。物語は最終章でその事に触れてはいるけど、脚注とかでフォローしてあると、歴史的な視点がより広まって、面白さも倍増していくと思うんですけどねぇ。もったいない!
Posted by ブクログ
ライチ!
漢字で書くと茘枝!
R-1グランプリ2025優勝!それはライパチ(最近こんなん多いぞひまわりめろん)
そして楊貴妃!
世界三大美女のひとりです
そしてライチ大好き!
そんな楊貴妃の誕生日に玄宗皇帝が新鮮なライチをプレゼントしようと思い立ったのが物語の始まりでございます
だがしかーし
ライチは南国の果物
楊貴妃が住む長安からはそりゃもう遠いのよ
しかもライチは三日で腐るという代物
最適解は冷凍して空輸
よし解決
なわけあるかーい!
冷凍も飛行機も影も形もない時代の話だわ!( ゚д゚ )クワッ!!
そして冷凍庫も空輸もない時代にこのとんでもない命令を受けた小役人の奮闘の物語なのです
だけどさー
玄宗皇帝も無茶言うわー
まぁ無茶言うのが皇帝の仕事みたいなとこあるけども
これもしうちの奥さんが楊貴妃だったら間違いなくグーパンチよ?
そんな金のかかることすな!ってブチギレてますよ
だいたい楊貴妃も楊貴妃なのよ
そんな好きなら自分で行けや!っていうね
これもしうちの奥さんが玄宗皇帝だったら間違いなく首相撲から膝蹴りよ?
そんなわがまま言うな!ってブチギレてますよ
良かったな中国
歴史が変わらなくて
注)うちの奥さんは格闘家ではありません
Posted by ブクログ
あの歴史上知らぬ人がいない楊貴妃さんが、ライチ好きだったのはわりと知られた話なのだが、そういえばライチは腐りやすく、蜜漬けならともかくどうやって生を食べたのだろう??という謎に迫った作品。
私が清のドラマを見た時は別の方法だったし、そっちで正解なのでは?と今でも思っているが、ドラマティックさでいえば本書ほどドラマティックな運び方はない。
それにしても、日本人でも生ライチが食べられる現代は贅沢だなぁと思う。
李善徳は家のローンを組んだばかりだった。職場に戻ると、ライチの蜜煮を皇帝が食べたがっているので無事に取り寄せるようにとの詔勅が下る。だが詔勅には細工がしてあって、蜜煮ではなく、生ライチを取り寄せよと書いてあったのだ。まんまと受け取ってしまった李善徳は頭を抱える。生ライチは足が早いのだ。かなり不可能に近い勅命だった。
まず李善徳はお金を手に入れると、馬や旅に必要なものを購入して、残りのお金を家族に渡した。任務の旅の間は駅が使えるので、食費や宿代はタダなのだ。彼は馬に無理させると使えなくなることを知らなかった。途中で騾馬に買い替えなければならなくなった。ようやく広州につくのに1ヶ月かかった。
役所に行って詔勅を見せたら、そんなのは偽物だと殴る蹴るの暴行を受けたが、本物とわかり、通行手形を出してくれたはいいが、肝心のお金はくれない。困ってると、商人がやってきて、通行手形と引き換えにお金をくれると1000貫近くを融通してくれた。李善徳は4つの行路を使い、三月紅という早く熟すタイプのライチを使って、どの行路でどこまで行けるのか、実証実験する。お金はあっという間になくなった。通行手形をあと5枚持ってきたらまたお金を融通してくれるというので手に入れる。その際奴をひとりつけてくれた。政府からのスパイでもある。広州の役人が考えることには、もし李善徳が成功した場合は、今まで生のライチを送れなかったことが怠惰の結果だとみなされてしまう。
4つの行路のうち2つが残る。成功するかはわからなかったが、もう実験しているだけの費用も時間もない。最後はうまくいくことを祈念して、ライチとともに命をかけて皇帝に出頭するしかないのだ。ところがいろいろな災難が待ち受けていたのだった。
Posted by ブクログ
映画版をとても面白く観させてもらったので、原作はどんな感じなんだろうと読んでみれば、こちらもサクサクとリズム感良く楽しく読めた、エンタメ社畜ドラマ(!?)でした。
映画でおおよその筋が頭に入っているという前提はあるにせよ、真摯でまっすぐな主人公の善徳の辿っていく悲喜こもごものライチを長安に届ける道程を、時に笑い時に泣き、そして終盤は悔しさと切なさを帯びつつも並走できました。無駄のないさっくりした文体と、漢詩や格言も練り込んだ言い回しの軽やかさもとても良かったです。作者の別作品も読んでみたくなりました。
映画とは筋書きは細かくは違いますし、蘇諒との顛末はちょっと切なさが残りましたが、それだけ映画のアレンジもまた巧かったということです。
何より映画を楽しめたのは、小説そのものがともかく面白かったからなんだと実感できたので、読んで良かったです。
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