凪かすみのレビュー一覧
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“「ロッテさんは何の役ですの?」
エリーゼは無邪気な仕草で首を傾げた。とっさに答えられずにいるロッテシアを、優越感を隠し切れない瞳で見つめる。
「……死体、よ」
それを言うのにはずいぶん力が要った。でも言わないでいるのは負けを認めるようで嫌だった。
「死体?」
エリーゼはたちまち痛ましげな表情になったが、その前に一瞬だけ笑みが宿ったのを、ロッテシアの目は見逃していない。ナイフとフォークを握り締めた手がぎりぎりと痛む。
「なんだか悪いことを訊いてしまったみたいでごめんなさい。ロッテさんなら、てっきりちゃんとした役が付いているものとばかり……」
「死体だってちゃんとした役よ」
「まあ、そんなふうに思えるなんて役者の鑑ですわね。わたくしだったら泣いてしまいますわ。でもそうですわよね、死体役だって誰かがやらなくてはいけないんですもの。誰もがヒロインになれるわけではないのだから」
「そうね、さすがにヒロイン役には実力が必要だと思うわ。ヒロインの侍女役くらいまでなら、それ以外の理由で手に入るかもしれないけど。ああ、でも逆に、死体役ってのが絶対できない人もいるかもね。目立ちたがりで、自慢や厭味を口にしないと気がすまなくて、いざとなったらすぐ泣く人とか。そんなうるさい死体ってないもの」”[P.86]
夢に真っ直ぐなロッテシアが良いなぁ。
“「ロッテ殿」
呼ばれて振り返ると、目の前にいきなり花が咲いた。視界が愛らしい薄紅色に包まれ、仄かな甘い香りが漂う。ロッテシアの顔よりも小さい。冬薔薇の花束だ。
「おめでとうございます」
それを差し出したサーディは、少し恥ずかしそうに微笑んだ。この大きさが彼の買える精一杯だったのだろう。彼はダンサーの勉強をしつつパン屋で働き始めたものの、その収入はまだけっして多くない。
「死体役に花束なんて大袈裟よ……」
ロッテシアは素っ気なく言ったつもりだったが、その声は自分でもわかるほど震えていた。語尾がふにゃふにゃと潤み、体に渦巻く熱が瞼に集まってくる。
「誰も観てない役なのに」
ごまかすように言い足すと、サーディはふわりと微笑んだ。
「私は観ていましたよ」”[P.238] -
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ネタバレ前作「聖グリセルダ学院」シリーズよりかは面白かったですが、やっぱり、その前の「横柄巫女と宰相陛下」の方がよかったなぁ。同じ世界観で「聖グリセルダ学院」のちょっとあとのお話。
ノンノとアマリアは大人になって出て来ましたけど、それ以外のキャラとしては、ティエサとキアスは名前だけ登場(ノンノとアマリアの偽名でした。)。ノンノは前作で力を全く出せてなかったですけど、今回は操られているとはいえ、強いノンノでした。
吸血鬼一族のサーディに生け贄として捧げられたロッテシア。ロッテシアの打算で一緒に行動してましたけど、サーディがいい子で、だんだんロッテシアが嘘をつかなくなってきたのは、なんかいいなぁって。
追いかけてきたウィンディネとも最終的には和解みたいになって、ちょっとだけ、三角関係っぽくなってるところ見たかったです。
それにしてもキャラの名前が、なんかどっかで聞いたことがあるなぁって思ってたら、ロッテリアにサーティーワンにウェンディーズって・・・。安易。 -
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ネタバレ前巻の最後で、キアスの兄のクラウが、ティアサを公妾候補にと宣言してましたけど、キアスの方もシュトルーフェ王国との縁談話が持ち上がってました。
キアスはいきなりティアサに別れを告げますが、それもすぐに彼なりの考えがあってのこと。仲間と手をあわせて公妾選考会をつぶしにかかります。
最終的には、公妾選考会はつぶれて、ハッピーエンドに終わるのですけど、このシリーズって、ラブ度少なめなんですよね。ティアサも鈍感過ぎるし、キアスもそれほどティアサにラブ度を感じてる風に見えなくて、最後まで二人の仲はあんまり変わらずで残念。
まあ、最後に7年後のお話がちょっと出てきたのは、よかったですけど。(トトの相手に驚きました。) -
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ネタバレなんかフェルシャッフェルティとエゼルのいちゃいちゃ度がUPしてて、ェルシャッフェルティって、こんな人だったっけ?って感じです。
魔物に呪われたおじいちゃんが作った鏡が引き起こす騒動はありましたけど、あんまり深刻な感じはしませんでした。後半、人が変わったように冷たくなったフェルシャッフェルティの姿には、また魔物が何か?ってちょっとドキッとしましたけど、それもフェルシャッフェルティの演技だって言われると、うーんって感じです。
この巻で気になったのは、フェルシャッフェルティとエゼルではなくって、ノウィルギィとヴィクレーイルの二人でした。本人が望むものを映す鏡にきれいに着飾ったヴィクレーイルが映ったときのノウィルギィの様子には、ちょっと期待したんですけど、そのままスルーだったのは残念。 -
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ネタバレ4巻目。前巻では王子側がヤキモチをやく設定でしたが、今度は比奈側がヤキモチをやく設定でした。
王子に婚約者という姫マリアベルが現れ、王子を巡って砂漠のレースをすることになりました。
王子でさえ乗りこなすのに2週間かかったヤヌーを比奈は1週間でマスターしたり、マリアベルの陰謀で盗賊に捕まるのはいいけど、その親分がいい人で、すぐに牢から出してくれてしかも近道まで教えてくれたり、風の神殿で精霊体にされても、精霊王と魔王パパがお友だちという設定ですぐに解放されたり、なんかすごく都合よく話が進んで、イマイチ面白みに欠けました。
比奈も王子と両思いになっているのに、またグダグダ迷っていたり、あれほど王子に好かれているのに、気持ちを疑うとか、イライラします。
次も読みますけど、これからもこんな感じで話が進むんでしょうか。そろそろ終わってもいいんですけど。 -
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ネタバレ3巻目。比奈に言い寄るティーゼルという魔界の怪盗が現れて、二人の仲をひっかきまわしてくれました。出て来た理由はよく分かりませんが、結局当て馬でしたね。
比奈も情熱的な王子に心動かされていい雰囲気になったのに、なぜそのあと、ティーゼルと二人っきりでずっといるんでしょうか。いくら王子の衣装を内緒で作りたいとは言っても、王子が不機嫌になっているのだから、普通なら二人っきりにはならないと思うんですけど、これはちょっと理解に苦しみました。
王子の気持ちは一本で、比奈を大事に思っているのもよく分かるのに、肝心の比奈がフラフラしてたり、グダグダ言い訳のように悩んでたりしてるのを見ると、イライラします。はっきりしろ!って感じです。
まあ、最後は両思いになったみたいですけど、まだ続くんですよね。こんな感じで進むと、ちょっと不完全燃焼しそうです。。