これまでと同じ世界観ですが、今回は、「慟哭の獅子」を聖獣とするレグルス王国のお話です。前作の「聖グリセルダ学園」シリーズはあんまり面白くなかったですが、今回は面白かったです。聖獣は出てこなかったですけどね。
時代設定としては、「横柄巫女と宰相陛下」と同じくらいか、それより古いかもしれません。これぐ
...続きを読むらいの時代設定の方が、この世界観の話は面白いと思います。
ヒロインのジークリンデもヒーローのディーハルトもどっちも腹黒とありましたけど、自分のことしか考えていないようなほんとの腹黒というよりは、宰相っぽい感じがしました。国を考え、どうPRすればいい方向に話が進むか考えてます。まあ考えすぎて、すれ違うことも多いですけど。
聖剣の巫女となるはずだったのが、母国の政変で自分の家族を殺され、その殺した相手側の王太子妃になるように還俗させられたジークリンデ。当然反発必至ですが、ディーハルトが本当に民のことを考えて行動しているのが分かってくると、彼に惹かれていきます。
ディーハルトも自分には仮面のような表情しか見せないジークリンデが、他の巫女たちには本当の笑顔を見せるところにいらだったりとか、最初からジークリンデに好意をもっているのに、それを素直に見せることができなくて。でもジークリンデが行ってしまうかもしれないと分かると、男子禁制の場所にも忍び込んで、自分の気持ちを伝えたり。なんか、甘い部分は少ないけど、こういうのもいいなぁって。
鮎川作品では、「横柄巫女と宰相陛下」以来、ちょっと期待外れなところがありましたけど、久々に面白かったです。