石据カチルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった…。やや話が上手すぎたり、荒削りな部分はないとはいえない。作中の時間軸で絶望的な悲劇が起こるわけでもないし(まあ、ルチアにすれば充分絶望的な状況かもしれませんが…)でも、この素材をこのレーベルでこれくらい書けたらもう合格点でしょう。
主人公はありがちな姫モノの姫さま方とは違って、聡明だけど「だんまり姫」とあだ名されるほど控えめ、そして理系の王女さま。でもそれが、ただの奇をてらった設定なのではなく、物語としての必然性を帯びたものだというところが上手い。何より嫌みでなく、非常に好感が持てる。
甘さは限りなく控えめ。そこが受けいれられるかでこの作品が楽しめるかが決まるかも。恋愛恋愛するより -
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公はティエランカ王国の王女クエルヴァ。一家で首都へ戻る途中の船旅でクーデターが起こる。
舞台は19世紀のヨーロッパの雰囲気。
こういう王国の陰謀劇が大好きなので、面白かった。
ライトノベルじゃないとドロドロしすぎて読んでてかなり辛くなる時もあるもので……。
一人船上から逃れる事ができた王女を途中で出会う様々な人が助けて行く。王女に厳しく接したり、汚い部分を見せるイロンデルが中でも良かった。
王女の旅の間でも首都でのクーデターが同時進行で起こり、行く先々の街にも影響が現れるなど、次々に問題が起こるので一気に読み切った。
恋愛に重きはおいておらず、様々な人との出会いはあるけれど王女の成 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作から遡ること数十年。世代を一つ遡り、前作で西大陸の強国として描かれていたヴィクトワール王国が舞台です。
ある日突然、国王の庶子であることを告げられ、王位継承者として王宮で四苦八苦しながら成長していくお姫様の話。
政治的にも重要な時期を迎え、新参者の王女がどう立ちまわるか、はらはらしながら読みました。
前回の「ルチア」が王宮の外で、レジンスタンス活動に加担したりだったのに対し、今回は舞台が王宮の中で、絶対的な味方もいるということで、前回よりも王道な展開です。恋愛成分も前回より多めです。
王位継承者としての成長に重点が置かれているため、話の展開がやや緩慢な印象があります。宮中のこと -
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Posted by ブクログ
第2回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門ルルル賞受賞作。
ルルル編集長が言った「全体に、話が似通っている印象を受ける。もっと身近なファンタジーがあっていいし、時代物のファンタジーがあってもいい。ミステリー調の物だって、ぜひ読んでみたいところ。」という言葉にうなずける作品。
少女向けでよくこんな硬派な作品書いたよなー、と作者の勇気に驚き。
あとがきにも書かれてあるとおり、映画のようなストーリー展開で、主人公の気持ちがあまり描かれてなくて、いまいち共感できないところがネックといえばネック。
でも、ストーリーが気になるので、ぐいぐい読めちゃいました。
キャラもいいのですが、登場人物が多すぎて、収拾