駄犬のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「誰が勇者を殺したか」シリーズの4冊目です。今回のサブタイトルは賢者の章。勇者一行の魔法使いソロンが主人公です。
このシリーズの続編を心待ちにして発売日とほぼ同時に購入していたのに、なかなか手がつけられず今に至ってました。だって魔王を倒すのはシリーズ1作目で勇者アレスと我々読者は既に分かっているのですから、このターンは「ソロン死す」で終わる訳ですよ。勇者アレスの友達の中でもソロンが気に入っているわたしとしては、そんな悲しいラストの話、読むのは辛い。。でも、駄犬先生がそんな、ただ虚しいだけの話を書くはずはないと信じて読み進めましたが、信じてよかった…。。
詳細は読んでいただきたいので書きませんが、改めて勇者とは…を考えさせられました。勇者なんてなるものではないですね。
今回は魔王が倒された後の話が少し先に進んで皆さんのその後の様子も少し分かるのがよかったです。皆さまどうぞお幸せにです。勇者と王女の結婚式もいずれ描いて欲しいものです。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ王国への反乱軍をアンデッドを率いた一人の魔導士が次々と壊滅させている。魔導士の正体を探る王国の騎士コンラートは赤い眼に白い肌、金色の髪を持つ少女に出会う。
死霊魔術の容疑者、というタイトルから感じられる不穏さから良い意味で期待を裏切られる駄犬節の効いたストーリーだった。件の少女ルナは過去に弾圧されていたアスラの民で、親を知らず、人買いで生計を立てている一家に買われる。そこで教育を受け、死霊魔術を探求する魔導士に買われる。読むのがしんどくなりそうな展開に思えるが、まず人買いに買われたあと、その妻であるモリ―に手厚く教育を受ける。なんか人身売買がある世界だったとしてもこういうマインドでいる人が多ければ、負の歴史なんて言われなかったんじゃないかと思える。魔導士カーンに不死の王に至るための贄としてルナを買ったのだが、献身的なルナを見てその気が失せる。ラーマ国の皇子ラトはルナに言われた理想を実現するために活動する。モリ―の教育を受けたルナの姿を見て、周囲の人々が変わっていく。
そして不死の王になったため何年経っても容姿が変わらないということにより、冒頭から始まる死霊魔術の容疑者捜しで張られた伏線が回収されて話が現在に戻っていく。
短くて読みやすく、とっつきやすい設定ながら、人生における大事な教訓が詰まったような話だった。
「自分の意志を持って仕事をしなさい。」
「綺麗なことをしたければ、皆が一斉にやらなければならない。」
「ちゃんと人として育てられたから、悪魔になんかなれなかった。」 -
Posted by ブクログ
ライトノベルを読むのはこれが初めてでした。
なんなら少し敬遠してたんですが、toi8さんののイラストに惹かれて初挑戦。
『誰が勇者を殺したか』というタイトルも興味を引かれました。
読み進めるうちに、その疑問に巧妙な仕掛けで少しずつ迫っていく展開に夢中になり、ページをめくる手が止まりませんでした。
この軽やかな一冊の中に、笑いも、驚きも、涙もぎゅっと詰まっていて、シンプルに面白いと思える作品でした。
ファンタジー作品は世界観を理解するまでに気合がいることも多く、少し身構えてしまうことがあります。だからこそ、この作品のようにスッと物語に入り込める読みやすさはとても嬉しかったです。 -
Posted by ブクログ
"勇者は魔王を倒した。そして二度と帰らなかった"
ドラクエやFFのようにラスボスを倒しに行く物語ではなく、ラスボスを倒したところから始まる物語。
フリーレンも物語のスタート地点は同じところにありますが、やっぱりこういう設定って聞いただけでわくわくする。
物語の構成としては、亡き勇者を讃えるための文献を編纂する事業が立ち上げられ、その指揮を執ることとなったアレクシア王女が勇者一行に話を聞く中で「何故勇者は帰らなかったのか」「誰が勇者を殺したのか」に迫っていくもの。
剣聖レオン、聖女マリア、賢者ソロン。
勇者の過去を知る者たちの話を追う中で、彼らにとっての勇者とは何か、市井の人々にとっての勇者とは何か、そして勇者と呼ばれた者にとっての勇者とは何だったのか、ひとつの"勇者"というものに対する様々な立場からの虚実入り混じった見え方が立ち現れてくる。
一気に読める手軽さがありつつ、物語の核となる着眼点や世界観、その中を生き生きと生きている登場人物たちが大好き。
あとがきで夢を語る作者(おじさん)が、「だって、勇者みたいに生きてみたいじゃないですか」と結ぶ様が私は好きです。
そして、いくつになってもRPGが好きです、ファンタジーが好きです、表紙絵が最高です、ずっと眺めてしまう。