海野十三のレビュー一覧
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廃れぬ話
このお話は、初出は1937年のこと。この本のなかには言葉こそ 聞き慣れないものはあるかもしれないが、構成・登場人物 諸々が廃れていないため若い私でも飽きないどころか 手が止まることなく読めました。他の作品も 若々しさを感じる細工が施されているように感じます。もっと早く生まれ、この先生の作品と出会っていたかった。
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横溝正史を読み、繋がりのある海野十三へ。名前は有名ですが読むのは初めて。
横溝正史と海野十三について。
当時雑誌「新青年」の編集者だった横溝正史が、海野十三の原稿を他の人に「校正しておいて」と渡したらその人は原稿をまるっきり書き直してしまったらしい。そのため海野十三っぽさはまるで無くなってしまったんだが、時間もないし、申し訳なく思いながらもその書き換えたものを発表した。しかも当時公務員だった海野十三がペンネームを使っていたのに、うっかりと本名を雑誌に載せてしまったんだそうな。個人情報、著作権ってもんが全くない 笑
横溝正史は海野十三に対して「大変ご迷惑を…」と大いに反省しているが、海野十三は -
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読後感想
実写の映画では表すことのできない素材であるがゆえに、古い作品ながら心地よい緊張感をもって読むことができる。惜しむらくは前半部分にもっと透明人間であることの快感が書かれていたら感情移入できたと思えるのが残念だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ決して文章が美しいわけでも構成が練られてるわけでもないのに、何故だか「すごい」と思ってしまった。
作品ごとのムラは多いし筋書きは荒唐無稽なものがまぁまぁあるんだけど、そのばらつきがある種の「あやしさ」として魅力的に映る。
『恐ろしき通夜』、最初は「毒でも盛ってんのかな?」って予想しながら読んでたけど、まさかの毒よりヤバいものだった。えっぐい。でもそういう話好き。
『火葬国風景』の終わり方は打ち切り漫画レベルの唐突さなんだけど、そこが逆に想像をかき立てるというか。
『十八時の音楽浴』いやこれ名作ですよ。お手本のようなディストピアSFの世界で繰り広げられる、今ならポリコレに配慮してこんなこと -
購入済み
続きが欲しい
大変面白い。着想も切り口も見事だ。流石は海野十三。然し、何故に短篇? 十分に長編になるべき、卓抜なアイディアなのに。著作権もフリーな事だし、誰か続きを書いてくれ!
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Posted by ブクログ
1930年代に描かれた日本SFの先駆者による奇想天外なミステリー集。探偵・帆村荘六が活躍する10編の短編を収録。さすがに時代を感じる短編が多いのだが、奇抜なトリックと時代を超越した発想力に今読んでもなお魅力を感じる。
『麻雀殺人事件』。オーソドックスな探偵ミステリーといった作品。帆村の目の前で起きた殺人事件…犯人は誰か…
『省線電車の射撃手』。電車内で起きた女性を狙った連続射殺事件に帆村が挑む。
『ネオン横丁殺人事件』。密室で起きた射殺事件に挑む帆村は真相をあばくことが出来るのか。
『振動魔』。まさに奇想天外なトリック。この短編には帆村は登場しないのかと思いきや、最後に颯爽と登場する。 -
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敗戦直後に書かれた未来記
敗戦直後に30年先を予想して書かれた未来記である。宇宙開発など多くの事項が77年先の現在でも実現していないことに驚いた。ストーリーそのものはSF作品であるからやや荒唐無稽のところが多いが、1945年頃にこのように考えていたのだな と感慨深いものがある。特に各国間の戦争そして防衛に関する記述には現状を情けなく思う。
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ネタバレ 購入済み
ザ、エロ・グロ・ナンセンス。トリックはかなりのトンデモで、ミステリというよりSFかホラー。探偵が最後に致命的なミスをするのが良い余韻。