井筒俊彦のレビュー一覧

  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    イスラーム文化をイスラーム的にたらしめているものは何か

    イスラーム文化の独自性に迫る名著!
    イスラームというと、時局的な事件や歴史的背景の解説にとどまることが多いが、本書はその根本にあるイスラーム教そのものに光を当てている。

    キリスト教や仏教と並ぶ世界三大宗教の一つでありながら、現代でもたびたび社会を揺るがすイスラーム。その力強さの背景には、単なる信仰を超えて人々を動員する強大な教義がある。私自身、イスラームの「強さ」を人口増加や「子供を産み育てる」という行動様式に感じていたが、本書を通じてその一端に触れられたように思う。

    印象に残ったポイント

    1. 絶対帰依の宗教である
    イスラームを

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    2025年08月17日
  • コーラン 下

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    ネタバレ

    離婚した場合の妊娠している女性とその子どもをどのようにするか、についても書かれていた。
     モスクではこのコーランのどの部分が読まれているのかがよくわからなかった。

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    2025年07月30日
  • 『コーラン』を読む

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    これは分かり易い。
    井筒先生のまるで息遣いが伝わってくるような気がする素晴らしい本。
    時を置いてまた読み直してみたい。

    「『コーラン』を読む」という本だが、単に読むのではない、そこには「一つの与えられた言語テクストに対して解約学的操作が加えられなければならない」という高度な知的作業を行うというものだ。
    7世紀のアラビアの砂漠に生まれた『コーラン』。日本人である我々との間には想像を遥かに超えた距離がある。そんなことももろともせず『コーラン』の読み方を解説する井筒先生に敬服する。どうしてこんなこのができるのか。30言語に堪能な語学の鬼才、井筒先生しかできない偉業だ。

    『コーラン』は神のコトバ、

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    2025年07月29日
  • コーラン 中

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    ネタバレ

    最後の方で預言者はこれ以上妻を娶ってはならぬ、ということが書かれていた。
     一夫多妻を否定する言葉である。イスラムは一夫多妻ということが言われるが、それは本当であろうか?

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    2025年07月26日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    めっちゃくっちゃ分かりやすかった!
    イスラームにおいて『コーラン』ってものがどれほど重要のものかわかったし イスラームの考え方とか、世界観 宗教がどれほど生活に密着してるか分かった

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    2025年01月03日
  • 意識と本質 精神的東洋を索めて

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    河合隼雄さんののオススメの一冊なので読むことにしたが、数年来、途中で文章が入ってこなくなり読書が頓挫した、さすがに3度目のチャレンジで挫折したときは自己嫌悪になった。
    しかし、読む姿勢を変えて4度目で成功?した。
    その姿勢とは、宇宙の法則、つまりは「神の意志」と「人間の理性」の科学的な相関性について説いた「神々の沈黙 ジュリアン・ジェインズ」を事前に読んだからなのだ。実はこの本も河合隼雄さんのオススメ本。
    この本のおかげで、「意識と本質」の読者としての立ち位置を変えることができたので、やっと「意識と本質」を最後まで読むことができた。
    要は、この本のタイトルは「宗教の解体新書」なのだ。「神はいる

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    2025年06月17日
  • ロシア的人間 新版

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    ロシアの文学史概観。著名な文学者の特徴や立ち位置を、その著書をピックアップして例示しながら説き明かしていく感じが、文学部の授業そのもので懐かしくなった。それらの作品をちゃんと読んでいたらもっと理解も深まったろうし楽しいと思う。読んでいなくても分かりやすかった。高尚なことを考えていながら何一つ実行できない「無用人」=ゴンチャロフのオブローモフ的な人、が一時代のキーワードになってくるけれど、それって夏目漱石の高等遊民に似てる気がした。トゥルゲーネフをもっと読んでみたい。ゴーゴリは、世俗の俗悪さを描こうとして描いているわけではないのか。トルストイはもっとキリスト教的な人かと思ったら、どちらかというと

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    2023年01月03日
  • コーラン 下

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    下巻が細切れで読みやすい

    言い回し(翻訳)が最高

    ● 第1 開瑞章1-7

    慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において

    万有の主、アッラーにこそ凡ての称讃あれ、
    慈悲あまねく慈愛深き御方、
    最後の審きの日の主宰者に。


    ● 第96 凝血章 1-5

    読め、「創造なされる御方、あなたの主の御名において。一凝血から、人間を創られた。」


    ● 第109 不信者たち 1-6節

    言ってやるがいい。
    「おお不信者たちよ、わたしは、あなたがたが崇めるものを崇めない。
    あなたがたは、わたしが崇めるものを、崇める者たちではない。

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    2022年10月30日
  • コーラン 上

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    馴染みがないせいなのか、とっつきがわるく、なかなか前にはすすめない。回教の教えそのものが浸透していないか、テキストはこれくらいしかみあたらなかった。

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    2021年04月01日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    イスラーム文化を根元的に、統括的に、述べようとする良書。
    イスラーム文化と一口に言っても、多層的多面的であることがよくわかる。
    イスラームの大まかな概要を掴むのと同時に、ユダヤ教やキリスト教との相違点の理解も深まる。

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    2021年03月17日
  • 『コーラン』を読む

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    たった数行に含まれる、表面的に訳せる意味からは到底見えないあらゆる背景を延々と具体的な例示やニュアンスとともに読み解いていく内容で、詩文やそれに類する、特に古い文に書かれてる内容なんて、意味解ったって解りきらんな、をすごい痛感。

    そして、それだけ延々と文そのものだけからは見えないものを「読む」講話の書き下ろしだったにもかかわらず、後記で書かれてる「読む」に関する話がまさに皮肉を効かせてるかのようにも読めて、笑ってしまった。

    井筒さん面白い人だなあ。

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    2021年02月21日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    イスラーム教に関する基本書。勿論日本のイスラム研究の初期に位置する学者であるため、イスラム世界の多様性や現代のイスラムへのまなざし等が踏まえられていないが、それをおしても、やはり本書はイスラム教という宗教の大枠を捉えるには格好の書籍。

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    2020年05月11日
  • 『コーラン』を読む

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    いくつかの宗教について学んだが、ついぞ、イスラム教について学ぶ機会がなかった。9・11以後、日本に住む私にとっても、折に触れひっかかるテーマではあったが、やはり、距離を感じていたのだろう。

    ようやく手に取った一冊であったが、ここから学び始めることができ、とてもよかったと思う。

    おすすめ
    東京ジャーミィ 見学会
    TEDTalks LesleyHazleton "On reading the Koran"

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    2019年01月22日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    いやぁ、これまた滅茶苦茶面白かった

    スンニーとシーアとスーフィズムなんて、ろくな説明聞いたことなかったけども、凄くわかった

    例えば、
    スンニー派は、コーランに描かれる世界の後半期であるメディナ期の方向性に近く、感覚的で現実主義的なアラブ社会的感覚にのっとった考えで、イスラーム法を守ることを至上とし、いわゆる顕教的にコーランに対する。
    シーア派は、コーランの前半期のメッカ期的な感覚が強く、ゾロアスター教をルーツにもつ幻想的で神話的な世界観を持つイラン的なものであって、密教的にコーランに対する。ただ、密教的解釈ができるのは歴史的に承認されたイマームだけ。
    スーフィズムは、密教的だけど、シーア派

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    2018年11月24日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    イスラム教圏の文化についてよくわかる。

    疑問に思っていた、
    ・ユダヤ教とキリスト教とイスラム教の関係
    ・コーランだけが聖典なのか
    ・アラブ人とイラン人の違いとは
    ・スンニ派とシーア派の違いとは
    ・それぞれの宗派の考え方とは
    を解決してくれた。

    キーワード:
    1次聖典コーラン、2次聖典ハディース:言行録、ムハンマドはただの預言者、メッカ期とメディナ期、聖俗不分離、イスラム法(シャリーア:水場への道)、ウラマー(外面への道をとる人)とウラファー(内面をへの道をとる人)、シャリーアとハキーカ、タアウィール(原初に引き戻す)

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    2018年11月18日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    スンナ派、シーア派、スーフィズムの思想的な特徴が、『コーラン』の解釈の仕方という形で、実にうまく整理されている。

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    2018年05月06日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    井筒俊彦氏(1914~1993年)は、日本で最初の『コーラン』の原典訳を刊行した、イスラーム学者、言語学者、東洋思想研究者。アラビア語、ペルシャ語、サンスクリット語、ギリシャ語等30以上の言語を流暢に操る語学の天才と言われ、多くの著作が英文で書かれていることから、欧米での評価も高い。
    本書は、1981年に著者が行った講演を基に同年に出版された作品を、1991年に岩波文庫から再刊したものである。
    本書は、副題に「その根柢にあるもの」と付けられているが、その意図について著者は、「「根柢にあるもの」と申しますのは、教科書風、あるいは概説書風に、イスラーム文化の全体を万遍なくひととおりご説明するのでな

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    2018年04月17日
  • 意識と本質 精神的東洋を索めて

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    ネタバレ

    帰省時に改めて読み直した。大学入って最初に読んだ本。半年かけて1/3くらいしか読めんくてそこで断念した。
    わかりやすいのに、1時間かけて数ページしか読み進められないっていう内容のその密度と伏線の張り具合に対して半年かけて戦ったおかげで、読書へのキャパシティが異常にあがった。そのおかげでそれ以降本読むこと自体のハードルが異様に下がった。
    無意識を通した文化、宗教、言語が人の捉え方にどう影響するかっていう内容自体、全て自明のもんだと思ってた自分にとって全て新しくて、それからの人の思考過程に対する興味はこの本が原体験になって派生した。
    東洋の思想が豊かだったっていう主張も、西洋が一番かっこいいし進化

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    2018年01月01日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    ネタバレ

    これまでに10冊ぐらい読んできた様々なイスラム教/ムスリム文化の解説書の中では一番読みやすかった。文庫サイズでここまで理路整然と論を展開する本に出合えるとは思っていなくて、嬉しい喜び。

    アラブのスンニ派とイラン人(ペルシア人)のシーア派は対照的な信仰体系を持ち、内的矛盾を抱えているものの、その矛盾も包括して全てを統一しているのが「コーラン」であること。

    コーランは神の言葉であるがそれを解釈するのは人間的な営みであり、どう読むかは個人の自由に任されていること。それによりイスラムの多様性、多層性が生まれていること。

    コーランにおいては聖俗の区別はなく、すべての営みがイスラームの範囲に入るため

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    2017年12月29日
  • イスラーム文化 その根柢にあるもの

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    イスラム教を理解する入門書として最高。非常にわかりやすい。他の有名宗教との違い、コーランのメッカ期とメディナ期の特徴、スンニー派のシャリーアと共同体思想、それに反するシーア派のハキーカの概念、そしてスーフィズムの神秘主義について、丁寧に解説している。中近東の歴史や現在も起きている国・権力者・民族の紛争を理解するにおいて、イスラムを避けて通る事は不可能であると改めて実感した。

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    2017年05月14日