田中ロミオのレビュー一覧
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『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』と表面的には似ているけど、扱われているものはぜんぜん別物だった。
こちらはもっと「政治」的な学園コメディで、スクールカーストによる集団同士の対立構造はなく「集団」と「個」が対立している。
一人一人だと普通に話せる生徒であるのに、集団になったとたんに愚劣に堕落していくクラスメイトたちの、目には見えぬ力。
それを作中では「空気」と言い、主人公とヒロインの小早川さんは、衝突をくり返しながらこれと戦っていくのだけど、さすが田中ロミオ先生。一筋縄ではいかせない。
人の顔色をうかがってばかりの世渡り上手な主人公が、融通のきかない小早川さんに心惹かれていく過程が -
Posted by ブクログ
最初の数ページ、めちゃくちゃ読みにくかったが、ただの演出だった。
厨二病をこじらせてイジメられていた主人公が、高校入学をきっかけにリセットしようとする序盤は、小気味よいスピードで楽しくてしょうがない。
避けているのに、ヒロインや妄想戦士たちによって、ことごとく高校デビューを妨害されてしまう状況のディテールが痛くて爆笑。
このコメディ路線は前半だけで、中盤からは一気にシリアスな問題へ突入する。
オタク文化を快く思わないクラスメイトたちの悪質なイジメが発生し、どんどんエスカレートしていくのだが、ここからラストにかけて傍観者である主人公がどう考え、どう行動していくか。
本のタイトルは、最初 -
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Posted by ブクログ
終わる物語と終わらない世界と
人類は衰退しましたシリーズ短編集②ということで、刊行されているシリーズとしては最新かつ最後の作品。いつも通りの妖精さんのドタバタ劇が心地よい。
小説としては全9巻+短編集2巻といったことで一度幕を閉じているが、終わりという雰囲気ではなくあくまでもこの衰退した世界の中での日常の切り抜きを覗かせてもらい、この世界にまだまだ続きがある余白を感じられるのが良い。
シリーズものの宿命としていつかは終わりを迎えなければいけない。その際には伏線はなるべく回収して欲しいし、その先も登場人物には生きていく道があると感じさせてもらえる作品が読後の満足度と余白への浸りを生み出してくれ -
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ファンの描いた自己内世界に寄り添う日常
人類は衰退しましたシリーズの短編集①はこれまでに特典などで書かれた短編などに書き下ろし作品を加えて短編集となっている。こういった短編集で大事なことは「読み手一人一人に存在する作品の世界観にどのように寄り添うか?」というものだと思う。
シリーズ後に出される短編には大きく分けると作品世界を「補完」するファンディスク要素と作品世界を「拡張」する完全版要素がある。わたしはどちらかというとシリーズが完結する際には大きな伏線などは回収され、その後は読み手へのサービスとしての「補完」要素が強い作品の方が好み。
そう考えるとこの短編集は今までの「衰退した世界」、そ -
Posted by ブクログ
人類は衰退しましたシリーズ4巻目。前回は長編かつSF要素が強すぎたこともあり、少し描写に難しさや退屈さを感じていた反面今回はまたメルヘンな世界観にスパイスとしてダーク感を付け加えている田中ロミオ氏の生み出した世界設定や登場人物の軽快な掛け合いを見ることができた。
一つ目のお話のチキンのお話は顛末に寓話のような一種の恐ろしさ、ハッとする感じを加えながらそれを軽快に描写していることからもこの凹凸さを持って発展しているこの世界が我々の住んでいる今の世界との価値観の違いなどがより味わえた。
二つ目のお話は妖精さんたちの人口爆発に伴う島暮らし。凹凸ながらも先史時代の人類たちよりもはるかに発達した力を -
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