向坂くじらのレビュー一覧

  • ことぱの観察

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    ネタバレ

    何か一つの言葉を定義する、という設定で書かれたエッセイ集。「友だち」「遊び」「やさしさ」「恋」など、いろいろな言葉の定義を試みている。
    どの回も一つの言葉に真摯に向き合い、過去の経験に照らして熟考し、ああでもない、こうでもないと頭を悩ませている様子が面白い。それも辞書的な通り一遍の定義ではなく、著者の人生、生き方から導き出された生きた定義だからこそ面白いのだ。

    「言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしょうもなくまとわりつく」

    その「言葉にまとわりつく形のないもの」をこそわたしたちは交換したいのではないか、という著者の言葉がすご

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    2025年10月04日
  • いなくなくならなくならないで

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    ネタバレ

    大好きな人との再会は、時を経て思いに馳せた期間が長いほど、なんか違うなと思ってしまうのかと思います。
    美化した過去と現在での食い違いが、まるで他人のように感じられて、でも大切で大好きな人なのにと、と揺れ動く心に矛盾を感じて。
    今も過去も無いはずなのに、朝日を比べてしまう。
    みんな朝日を何かに当てはめて、今の朝日には向き合えてなかった、だから最後はとても良かった。

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    2025年09月30日
  • いなくなくならなくならないで

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    4.0/5.0

    タイトル通り、主人公時子の、朝日に対する一口には表現出来ない微妙で細かく揺れ動く心情の変化が繊細に描かれている。

    中盤の若干レズっぽいシーンは必要だったのかな?と思った。

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    2025年09月24日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    矛盾の上に成り立つ営みに私は折り合いが付けられず頭が割れそうになる。瞬間の中に特有なモノが見えるからと言って先回り出来るような便利なモノじゃない。
    ここではないどこかへ行きたい。往きたい。愛より痛いほうへ。

    主演は當真あみさんがお似合いだと思う。

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    2025年09月10日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    「アンノがはじめて割れたのも、アケミバレエスクールでのことだった。」p4

    芥川賞候補作。

    「割れる」という感覚を共有できるかどうかどうかがキモなのかもしれない。
    傍目には、キレる、とか、怒る、とかになるんだろう。
    自分が理解されなかった、相手が理解できなかった、怒りや悲しみ、衝撃が、ないまぜになって、言語化の難しい感情があふれでてくることなのだろうか。
    子供の頃の、まだ感情も、言語もコントロールができなかったころのなまなましさを思い出す。(今でもできてないけれど。)

    愛(のようなもの)というのは、絶望的にすれ違うし、取り違うし、勘違いするしで、やっかいだな。











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    2025年09月10日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    怒りとも悲しみともまた違う感覚を「割れる」と呼んだ幼い頃の主人公アンノ。愛と暴力が結びついてしまった結果、痛みを求めることで結局は愛や命に向き合おうとしているように見え、その葛藤する彼女の姿には真っ直ぐで力漲るものがありました。

    独特な表現センス漂う文章は難解だけど感覚的に訴えかけてくるものがあり、読み終わった時にはそれが言葉で表せず、またすぐに読み返しやっと書いた感想です笑。

    〈心に残った言葉〉
    "自分はひとりで生きていかれると思ってるんでしょ。傲慢といいますそういうことを"

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    2025年08月25日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    芥川賞候補であったので興味が湧き読んだ
    『割れる』という表現が怒り・悲しみ・泣くではない微妙な感情
    家族愛や恋愛などが苦手なのだろう
    バレエのように、しなやかにバランスが取れていたら
    どんなに楽しい青春を過ごせた事だろう

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    2025年08月24日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    読み終わってから改めてタイトルを眺めると
    主人公へのメッセージでもあり、
    読者や著者自身への応援なんだなと思いました。

    気になったエピソードは
    元彼の祖母との友情と、その後のいざこざ。
    まだ若い主人公が、老女との交流を通して
    癒されたり、傷ついたりする様子は
    感情の動きが丁寧に、
    ある意味でまる裸にされていて
    これは小説の醍醐味だなぁ!という感じです。

    映画にはしにくいし、
    友達にも勧めにくい本かもなぁ。
    読めて良かったなぁ。

    ★4つ
    ほぼ初めましての作家さんだった、
    その上でなんか良かったので★ひとつ足しました!

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    2025年08月18日
  • いなくなくならなくならないで

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    ぬるりと日常が他人に侵食され、居場所を奪われていくような気持ち悪さ、こういうテーマの作品だーいすき!

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    2025年08月13日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    思春期の女の子を持つ母親にすごく刺さる著者。愛されているからこそ、愛されたくない、と願う子ども心を上手く小説として表現しています。

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    2025年08月04日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    結構面白かっただけに評価が低いことに驚き。
    主人公のアンノが精神的に立ち行きがいかなくなった時の「頭が割れる」という表現がとても好きです。

    家族や恋人が自分に向ける愛ってなんだろう?ということに向き合った話だと思う。

    どうしても納得がいかない出来事や許せないことがあった時、大人になっていつのまにか精神的に対処できるようになったつもりでいたけど、いつから対処できるようになったのかと考えてしまった。
    本谷有希子の小説を思い出した。

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    2025年07月25日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    いわゆる『育てにくい子』を愛情という名で思い通りにしようと母親がいろんなことを押し付けて、お互いに辛い方向に向かっていくことになる怖さというか、生きづらさ、やるせなさが満ちている本だと感じた。
    『あなたのため』という愛はほんと怖い

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    2025年07月20日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    愛も家族も信じられないために、自分のせいで愛を与えられずに生まれてこなかった妹の生まれてこなかったそれをアンノは生きている中でなぞっているように思えて読んでいてとても苦しかった。彼女にとっては庭に広げたテントもあーちゃんの家も眠るのに大切な子宮だったのではないだろうか。ならば唯一おなじ存在だと思っていたあーちゃんのちょっとずつの本当を内包した裏切り(というにはあまりにも無責任な期待や決め付けではあるのだけれど)の後に見ることになる解体された家の瓦礫の山に搔爬された命の影を見たんじゃないだろうか。眠る場所は奪われ、しかし体は各部位末端まではっきりと感覚を伴い生きている。この先、どうやって彼女は生

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    2025年07月14日
  • ことぱの観察

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    著者は「さきさかくじら」さん。
    自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察する。言葉についてこんなに深く考えたことはないなぁ。「Pの魔力」はすごい。Pはかわいい。Pipiもかわいい!言葉を学ぶことと遊ぶことの双方が必要だ。

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    2025年06月22日
  • 群れから逸れて生きるための自学自習法

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    “勉強の方法がわかっていること、それによって得られた知識があることは、自分の属している集団を冷静に見つめ、また知らない世界に対してひらかれていられる力を、あなたにくれるはずだ。あなたに勉強をしてほしいのは、あなたが近くて小さな関係性に依存させられたり、自分の異質さを怖がったりしなくてすむためでもある。”(p.135)

    “自分のやるべきことを持っていて、かつあなたのやるべきことを尊重してくれ、話したあとにも必ずひとりに戻らせてくれるような相手がいるのなら、それは本当に貴重なことだ。”(p.137)


    “学ぼうとするときには、「わたしはAだと思う」という重たい装飾を外して、「Aである」と言い切

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    2025年05月28日
  • いなくなくならなくならないで

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    答えのでない問題をずっと考え続けているような物語だった。
    人間は不完全だから、感情があっちこっち行ったり来たりして好きだから嫌いのように相反する気持ちが両立するのを再認識した。

    あの時のあの人に会いたい、自分が作り出した過去や傷は深くうつくしいものであってほしいという時子の気持ちはよく分かった。

    朝日はそんな崇高なものではなく、もちろんどこまでもただの人間で、そして自分の軸がないから他人の思い描く役を投影されてしまいがちなんだろうなと思った。

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    2025年04月27日
  • いなくなくならなくならないで

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    四年前に死んだと思っていた親友が突然目の前に現れ、家がないから住ませてくれと頼んできた。
    最初の方は再び会えた喜びから親友をもてなすのだが、長く居られると不満が溜まる。一度追い出す事を決意するのだが、いざ追い出すとなると優しさや執着で追い出せなくなる。だがやはり、再度不満が溜まって追い出したくなるのだ。

    米津さんのおすすめという事で読んだのだが、この主人公と自分の気が合わなすぎてひたすらモヤモヤさせられた話だった。

    大学4回生も終わりの時期、3月に引っ越しだから出て行ってね。私は実家に戻るから一緒に来れないよ。と伝えるが、一緒に居たい、居心地が良いと言われなし崩しに実家に連れ込んでしまう。

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    2026年03月12日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    なんだろう...
    主人公の頭の中が、激しめの表現で描かれていて、それが行動として現れるときには他者から到底受け入れられないようなものになっている。だけど、主人公の中では、そういう行動になることは至極普通のことで。読んでいて、主人公と感情と周りの人の当惑と、どちらの立場にもなって読めるような不思議な感覚があった。

    大事な人との交流やその人が亡くなるシーン。
    一見すると、淡々と描かれていて主人公の「成長」が手に取るような描き方はされておらず、もやっとしてしまう人もいるのかもしれないが、現実の「成長」はあんなもので、すぐにわかるような「変化」みたいなものは少ないのではないかなと思う。そういった点が

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    2026年03月12日
  • いなくなくならなくならないで

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    ネタバレ

    高校生の時に自殺して死んでしまったと思っていた友だちから電話がかかってきて、会って、一緒に住むことになる。
    だんだん疎ましくなっていく。
    最後のほうはなんとなく不穏な空気が漂う。
    へんな話。

    タイトルがどういう意味か考えようとしたり言ってみようとするけれど、途中で混乱してしまう。

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    2026年02月24日
  • 踊れ、愛より痛いほうへ

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    「孤高の人」以来の宅庭のテント暮らし、今回は女子。私(アンノ)もおばあちゃん(あーちゃん)も自分の考え持ってそれを伝える力あるのってスゴい。

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    2026年02月03日