向坂くじらのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ過去の憧憬と現実の乖離、愛情が裏返って捻れて疎ましくなる感覚に共感。
女の友情は旬があるって言葉があるけれど、季節外れに再会してしまって、だけど次の旬が来年なのか再来年なのかもうこないのかわからなかったら、私は手放す勇気が持てるかなあ。
淡々と進む日常に挟まる、幼くてハイテンションな交換日記が物語の歪さを象徴してる気がする。(死にたいし、大人にもなりたい、いまだけいらない。ってすごく十代の感情だ)時子と朝日の関係も、時子の家族も、おそらくは朝日の家族も、身近な人間関係がみんなどこか歪んだ形でずれている。
時子が社会人をしている間、ほとんど家にいる朝日は人生ゲームで同じマスにずっと止まっているみたいだし、目の前に本人がいても十七歳の朝日をずっと探している時子は精神的に過去から一歩も動いていない。
朝日と時子、二人は再会してもそれぞれ別の場所で止まっていて、最後まで同じ時間軸で会っている気がしないというか、朝日が幽霊みたいな存在だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ米津玄師さんやなとりさんが読んでいると聞いて、感受性豊かなアーティストが読んでいるのはどんな本が気になって読みました。
時子の気持ちが分かってしまったから苦しかったです。離れたいと思っていても本当に離れるようなことを考えると愛おしくなったり。結局は依存と執着なのかな。
記憶の中の会えないであろう人が思い出と共に美化されてその記憶の中で人格を確立させていたからこそ、いざ目の前に現れると「あれ?なんか違うぞ」の現象あるあるだ。
今回の場合亡くなったと思っていた朝日が突然姿を表したことにより、記憶の中で美化されていたのかなとも思いました。
朝日はこれからどうなってしまうのか、最後の終わり方がお互い首を絞めながら下から聞こえてくる時子の両親の喧嘩に笑っているという愛と憎の紙一重を表す行動で終わっていますが、私はしっかり着地をした終わり方が好きなのでそこはちょっと合いませんでした。
-
Posted by ブクログ
この本は、主に中学生に向けた「自学自習のための参考書・問題集リスト」を作り、ウェブ上に公開したところから始まったとのこと。「それが必要だと気づかせてくれたのは、教室や学習支援でお手伝いをしているフリースクールで出会った、学校に行かないことを選んだ小中学生のみなさんでした。みなさんが学校という場を離れてなお勉強を始めようとする姿は、大げさでなく、人間にあって最も美しい姿だと思いました。その感動がこの本の根源にあります。」
大人向けの本だと思って読んでみたわたしには「勉強の仕方」などまったく的外れの内容だったけど、「はじめに」の文章、「一見、勉強をしないでいることのほうが、誰かの言いなりにならないですむ、誇りある態度に思えるかもしれない。(略)あなたが今、抵抗するために学ばずにいたのだとしても、そのことが結果的にあなたが抵抗しつづける力を奪うことになる。不服従だったはずのあなたの態度が、もっと悪い服従へつながってしまうのだ。わたしにはそれがくやしくてたまらない。」には共感する。
後半には各科目について勉強の仕方が載っているけど、英語の品詞分解や精読や文法といった勉強法は、受験英語用だなぁ…と思った。聞いたり話したり、実践的な英語を身に着けるための方法ではないね。 -
Posted by ブクログ
作者の経験をもとに言葉の定義について書かれている。がわ(側?)ぎわ(際?)などあえて平仮名で書かれてあるのが多く感じ気になった。作者の思考部分の文章が複雑さや独自性を感じて深く理解しきれない部分があった。自分と似ていると思う部分に安堵したり、理解できない部分もあり、難しく考える人だなぁと思った。
詩に対する知識がないのでどう感じたらいいのかよく分からない自分がもどかしかった。
言葉の定義は人それぞれ違うのかもしれない。それなのに同じ言葉を使って他人と会話するのはさらに難しいことで齟齬は当然だろう。定義が似ている人とのコミニュケーションなら上手くいくのだろうか。それとも定義の違いをふまえれば齟齬に気づきやすくなり、上手くいくのだろうか。 -
Posted by ブクログ
「逸れて」は「はぐれて」と読む。
中高生向けだけど、中年の私にもグッとくる内容。そもそも学習とは(とは言ってなかったかもしれないが)、くらいに言葉の定義から丁寧に説明する。ひたすら真面目に解説する。ここまでひたむきに伝えてこられると、じゃあそうやってみようかなと言う気になる。学校のペースに巻き込まれるな、自分のペースをつらぬけ(こんな強い言い方ではないが)と言うことか。
以下、気になった部分。
p16 リービッヒの最小律 あなたの学びの成長は、3つの手段のうち、あなたにもっとも足りていない手段によって決まる。
p39 「わかった!」と思うのは、実はわかるという長い長い道のりのスタート地点でしかない。
p49 忘れることを前提としたうえで思い出すためのツールを鍛えていくこと
覚え方とは思い出し方のこと
p52 覚えるためには、なぜそうなるのかを考えたり思い出そうとしたり、諸々ぶらぶらしてみる。
p105 定義を見ずにアウトプットできる状態が、理解することを準備していく
その他もあるが、割愛。
早速ひとつ、イタリア語の勉強に試してみた^_^ -
Posted by ブクログ
主人公の頭の中が、激しめの表現で描かれていて、それが行動として現れるときには他者から到底受け入れられないようなものになっている。だけど、主人公の中では、そういう行動になることは至極普通のことで。読んでいて、主人公と感情と周りの人の当惑と、どちらの立場にもなって読めるような不思議な感覚があった。
大事な人との交流やその人が亡くなるシーン。
一見すると、淡々と描かれていて主人公の「成長」が手に取るような描き方はされておらず、もやっとしてしまう人もいるのかもしれないが、現実の「成長」はあんなもので、すぐにわかるような「変化」みたいなものは少ないのではないかなと思う。そういった点がリアルで、変に盛り上げないところが、この小説の好きなところだった。