鈴木輝一郎のレビュー一覧
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楽しみながら読んできた鈴木輝一郎氏による「四人シリーズ」の4冊目です。戦国時代の主役とも思える、信長・秀吉・光秀・家康が同じ場所にいた、という想定で書かれた歴史小説の4番目の舞台(私が読んだ4番目です)は、信長が慌てて戦場から逃げ帰ったといわれる、姉川の戦いです。
戦国時代を数時間の授業で終わった中学、高校時代の記憶しかない私の「浅井長政像」とは、朝倉家や父親を慮って決断ができずに、いずれは信長に滅ぼされてしまうものでしたが、この本によれば、浅井長政は強かったのですね。驚きました!
今後は有名な戦いにおいて、惜しくも弱者側になってしまった人たちにもフォーカスをあてて書かれた本や小説を読んで -
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令和になって見つけた鈴木氏の書かれた面白い歴史小説の「四人シリーズ」の三冊目です。今回は、この合戦で戦闘の形を変えたともいわれるくらい有名な「長篠の戦い」」です。
この戦いにも、あの四人(信長、家康、秀吉、光秀)が揃っていたということなのですね。光秀まで本当にいたかは置いといて、その他の三人については当事者だったので、その人たちの心境がこの小説に描かれているので、それを楽しませてもらいました。
どの歴史小説を読んでも感じることですが、信長の下に仕えていて、その中で出世した人たち(特に秀吉、光秀と、それらに仕える重臣たち)の苦労は想像して余りありますね。家康の場合には、重臣たちが離反しないよ -
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先日、桶狭間の四人という歴史小説を読みました。天下統一にかかわった歴史上の有名な人物、信長・秀吉・光秀・家康が、同じ場所で仕事(合戦)をしていたのですね。今回の舞台は、信長が朝倉氏と戦った金ヶ崎です、現在の地名では敦賀になりますね。今年2月に旅行したときに、その場所に行って感激したのを覚えています。
天下統一をした素晴らしい武将としてのイメージが強い各々ですが、若い時には大変な苦労をしている、というのがこの本を通してもよくわかりました。若い頃の苦労は貴重だ、と言われますが、秀吉を見ていると本当にそう思いました。
以下は気になったポイントです。
・信長は伊勢を攻め切ることが出来ずに、次男信 -
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なかなか面白かった。むかーし、義経記を読んだ気がするけど、覚えてない。
義経と頼朝の熱くも冷えた関係か興味深い。本書の中の例えが現在のものなので、イメージ湧きやすく関心持って読み進められた。
義経ってば、愛すべきアホな子(いい意味で)なのだね。ケータイあったら「アニキー、おれ最前線で、壇ノ浦攻めっから、梶原に言ってやってよ」とか言えたら良かったね。しかし、それ言い出したら、歴史は全てひっくり返るわなぁね。
卑弥呼がスマホを持ってたら、とか。
タイトルで、つかまされるけど、普通に頼朝ののパーソナリティや当時の源平の関係が分かって、面白かった。 -
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「~の四人」の新作。次はどこに行くのかと思っていたら。桶狭間でした。
信長は尾張をまとめ上げたころ。家康は今川の人質、まだ名前も元康。秀吉は、雑人の隠密家業。光秀は初老の浪人。四人が四人とも何者でもない頃。言葉を借りれば、夜明け前の四人です。
光秀の苦労がクローズアップされる今回。いつもは家康が苦労しょいこむんですけどね。光秀の就活物語というのもうなずけます。
あとがきの「髪と仕事はあるうちに選ばせて遊ばせてあげればいい、年を取ったら選択肢どころか、なくなるから」というのが、先達の重みと戯れの混ざった至言と思います。いつか使わせてもらおうと思います。 -
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いい作品だ!自分の中での謎がほんの少しだけ溶けたような気がした。信長率いる織田軍団の中で本当の力を計り知れない人物がいた。伊勢長島の戦闘後の父と子の会見で白装束に身を包み切腹の準備をしていた愚将として存在していたり、武田の滅亡戦では武田のお株を奪う早きこと風の如しであったりと本当に力が測りきれなかった。
「信長と信忠」
秋山信友。武田24将に数えられる猛将である。説得により開城した岩村城。その秋山が守る岩村城を信忠は5ヶ月を要しただけで陥としていた。信友が落としきれずに説得により開城させた城をである。武田の最前線を守る男をである。その後も雜賀攻めや信貴山城の戦い、高遠城を陥とすなどと、これ