鈴木俊貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
両名とも中学校の教科書(光村図書)にも文章が掲載されている山極寿一さんと鈴木俊貴さんとの対談の本。
お二方の実際のフィールドワークや研究の話から、言語における共通性や考えを知ることができ、大変いい学びになった。
お二人の追究する姿勢が大変参考になった。
人間は視覚優位のコミュニケーションなのではないかと言う山際さんの話が興味深かった。鳥は3次元を移動することができる。そのため鳴声を使った聴覚重視のコミュニケーションになるわけだ。一方、人間は、進化の過程で、ジャングルからサバンナに移ったので、視覚的な情報が優位になった。
だから本来は、対面でのコミュニケーションが大切であるはずなのに、それができていない。文明の発展、AI、そう言ったものに人間がついていないのではないかという話がとても面白かった。
それぞれの環境に適応してきた生物のコミュニケーション手段を知ることで人間の現在地が浮き彫りになるし、第一線でフィールドワークを続ける両氏の姿勢そのものが、めちゃくちゃ刺激になる一冊だ。
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Posted by ブクログ
とても魅力に溢れた本だ。
シジュウカラの鳴き声や非言語コミュニケーションを研究し、シジュウカラは文法すら駆使することを突き止め、遂には動物言語学という分野を打ち立てた著者による一冊。
自らの研究者としての半生を振り返ることで、その研究成果と、研究者としての歩みとの両方を味わえる。
第一に、割と身近な鳥のシジュウカラの生態や、驚くべき言語能力について、非常に平易でわかりやすく解説しており、明日から鳥の鳴き声に思わず耳を澄ませたくなるような楽しみに満ちている。
第二に、自らの研究者としての半生を振り返ることで、自らの研究テーマをいかに掘り下げて、発見したことをいかに他人に対して証明するかを考えて形にするか…という研究者の生態をも深く理解できる。特に、あらかじて反論を想定してそれを潰すための検証まで設計し実行する姿は、研究者だけでなく多くの社会人にも勉強になる。
第三に、熱意と地道な努力の積み重ねが、遂にはこれまでの常識を覆し、新学問分野を切り拓くに至る、「継続は力なり」を地で行く姿は、何かにチャレンジしている人に大きな勇気を与えてくれる。
そして何より、著者がどのような状況に遭遇し、何を考え、どう感じたか……非常に臨場感ある筆致で、著者の半生を追体験するようなワクワク感が全体に漂っているのが素晴らしい。
子どもが読んでも十分楽しめる。
自分が発見したこの豊かな世界を1人でも多くの人と分かち合いたい、そして共に世界の不思議を探究する仲間になってほしい。そんな熱い気持ちが伝わってくる快著でした。
確か、動物のコミュニケーションについての概説書がつい最近ほかにも出版されていたな…この分野、もっと読みたくなってきた。 -
Posted by ブクログ
丁寧な観察によって得た仮説を、科学的にしっかり証明することを実直にやる。身近なところから、いくらでも新しい世界は広がるのだ、人間には見えていないものが沢山あるのだと思い知らされます。
手法を広く伝えれば、世界中で研究が進むのではと扉と世界を広げていく姿が圧巻です。そのゴールが、人間を井の中から救うためという点に見定められているところが本当に素晴らしい。
研究者が研究対象に似るのは何故か、船に出来た巣のシジュウカラのヒナたちを救うエピソード、実家の巣箱を守るご両親の姿など、楽しいエピソードも満載でした。
小3の子供に読ませたいですが、来年くらいがちょうど良いかな〜 -
Posted by ブクログ
私だけでなく小3の娘も読めるように、全編ふりがな版を購入。
結論に至るまでに、様々な角度から検証を行い結果を積み重ねて考察していくという過程を都度分かりやすく説明してくれているところが非常によかった。
そしてその過程の書き方も、めちゃくちゃ大変な作業なのに終始楽しそうで素敵。
研究って面白そう!やってみたい!と思える。
文章も小難しくならないよう配慮されたエッセイで、ユーモアを交えて書いてくれているので面白い。
著者本人による挿絵も可愛いし分かりやすい。
(ふりがな版は挿絵を増やしてくれている)
そしてこの本を読み終え、今まで存在すら意識することのなかったシジュウカラにものすごく愛着が湧いている…
読む前と後では、世界への興味が変わる。
自分が生きている世界にわくわくして、
この世界のまだ誰も知らないことを発見したくなる。
素敵な本。
言葉の難易度や内容の理解という点で小学低〜中学年がひとりで読むのは結構難しそうなので、まずは一緒に読んで一緒に楽しみたい。
娘にとっても大事な本になると嬉しい。
ふりがな版、買ってよかった。
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Posted by ブクログ
こちらは「ゆる言語学」に出演していたシジュウカラの鈴木先生の本を、パーソナリティの水野さんが本業で編集者として関わった本、ということで読んだが、図らずも日曜天国の常連、村上先生のアリの本とも共通するものがあって面白かった。
シジュウカラの単語、文法、混群(他の種)の言葉もルー大柴的な発想で自分の文法に入れて理解している、等々の話と、ゴリラや霊長類のコミュニケーション。
山極先生、鈴木先生ともに、二人の考えは人間の基準で動物を測らない、というところに軸足があり、そこから人間固有の能力が絶対に良いものとは断定せず、考えているところが面白い。最後は、暴走する言語に弄ばれる人類についての考察になっている。確かに、身体性という側面がすっかり忘れられていて言葉だけで通じると思っているが、文字だけの身体性のないコミュニケーションがどれだけ軋轢を生んでいるか。ギスギスするやりとりも顔を合わせて一言やりとりすればすっきりする経験は日常茶飯事だ。行き詰まった時は、一歩歩み寄って話しかけよう、子供には音楽や踊りの喜びを教えてあげたい、と思って読み終えた。
ところで、ハッとしたのは人間のダンバー数(150人)のあたりのくだり。猿や類人猿の群れに比べて人間は一人の人間が社会でさまざまな顔を持ち、知らない群れの人とも仲良くなれる。とあるが、クラスの中のグループ対立、ママ友グループ、すぐに「マウントをとる」一定の人たち…と色々(自分が)群れが苦手な原因を考えると、「結局、人間ってまだまだ全然猿じゃん!」と思ってしまった。あのPTAや幼稚園ですぐ固まれる人たちのコミュニケーションはグルーミングだったのかー!!そう考えると、私は野生だったら即死してたと思うけど、動物としては進化してるんじゃないかなんて思って自分を慰めた笑 -
Posted by ブクログ
「僕には鳥の言葉がわかる」がおもしろかったので。
鳥になった研究者とゴリラになった研究者による対談集。
↑この説明だけで、もうすでにおもしろい。
動物たちが「おしゃべり」していると思われる調査結果についての話から、
果ては「人間とは何か」という話にまで及ぶ。なんて濃密な会話...。
あくまでも、動物の言語が人間の言語に劣っているわけではない という見地から、
「人間のもつ言語の特異性は 今 ここにないもの を説明できること」という指摘が出たことに感動した。
また、文字というのは人間の生み出した素晴らしい発明品である と共に、
文字によって分断や思い違い・炎上も起こっているのではないかという指摘については、もっと考えてみたいと思った。
文字というものを愛している私からすると、文字そのものよりは、文字の奥にある生の人間の身振りを汲み取れない心のほうに問題があるのではないかと思う。
あるいは、文字を捨てて私たちは踊ったほうがいいのか。それを思うと、Twitterの次にTikTokがあるのは必然的なのかも。