鈴木俊貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
動物の生態を研究している研究者二人の対談を本にまとめたもの。動物の話に終始するのかと思いきや、言語の起源・進化、新たな学問の可能性という話題まで飛び出してくる。読んでてわくわくした。
議論は現代社会の問題、目指すべき未来像にまで及び、大変興味深くおもしろい本だった。
専門用語も出てくるが、出てくるたびにその言葉がどういう意味か文脈にのせて読者に解説してくれるため、最後まで疎外感を感じることなく読むことができ、知らない知識に感心しているうちに読み終わってしまった。非常に気分が良い読後感の本。
コミュニケーションとは「環境」が促すものなので単調な生活になりがちの飼育下の動物は多彩なコミュニケ -
Posted by ブクログ
鳥が好きで鳥の研究ができる大学に進学し、そのまま研究を続けて、まだ40代前半という若さで動物言語学という新しい領域を切り拓いた、その研究人生を綴った本。毎年何か月も軽井沢の森にこもり、シジュウカラの鳴き声の観察・研究を続けるのは大変なことだと思うが、その大変さがさらりと書かれており、楽しくて研究をやっている感じが伝わる素晴らしい本。人間だけが言葉を操るという観念を覆し、シジュウカラが文を作る、ということの証明も素晴らしいし、その手法について「ルー語による文法の証明」「「ぼく・ドラえもん」実験」とわかりやすくユーモアのある語り口で説明している。観察するだけではなく、論文にまとめるために緻密に実験
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Posted by ブクログ
Audibleにて耳読したのがとてもよかった。シジュウカラの鳴き声(言葉)が聞き分けられるようになりました!
鈴木さん、いろんなメディアに引っ張りだこで、先日「徹子の部屋」に出演しているのも拝見した。あの黒柳徹子さんを目の前に、全く動じたり緊張したりすることもなく(そのようにお見受けしました)、シジュウカラの言葉について語ってらした。時にタメ口で(^^;)
自分の興味関心があることにどっぷり浸って続けていくこと、そしてそのためには周りの大人(両親や教師)がそれを見守り支えることがとても大事なんだなと改めて思った。前者を子供たちに伝えたいなと思っていたら、すでに光村図書の教科書に鈴木さんの書き下 -
Posted by ブクログ
読みたい読みたいと思いつつも積読していた本。ようやく読めた。なんかもう、鈴木先生の動物、シジュウカラへの愛が溢れまくってる本だ。
私は外国語の勉強が好きなので、その流れで「ゆる言語学ラジオ」を見ていたら鈴木先生を招待してシジュウカラ語の話をしていた。だから言葉つながりでこの本を買ったのだけど、今すぐに外に出てシジュウカラの鳴き声を聴きたくなった。
巻末のQRコードでタカを見つけた時の声とか、数種類の意味のある声を視聴できるのだけど、どれもなんだか聞いたことあるような声ばかり。あー、これを理解して街中でシジュウカラの声を理解できたら、さぞかし楽しいだろうなぁ、と想像した。
英語が分かれば、ドイツ -
Posted by ブクログ
何だかすごくあっさりと書いているけど、スゴいことをしている人だよ、筆者は。「動物言語学」なるものの「提唱者」になっちゃったのだもの。
こういう実験をしたらこういう結果になって、論文書いたら雑誌に掲載されました、ってホントにあっさり書いてる。でも、『バッタを倒しにアフリカへ』や、あるいは彬子女王の『赤と青のガウン』を読むとそれがどんなに大変なことなのか、窺うことが出来る。
そして、国際的に評価される論文も書けるけど、一般の私たちに向けても分かりやすい文章が書ける。それが何より素晴らしい!
でも、変な人でもあるよ、きっと。3食白米だけでひと月暮らせて、キャベツひと玉を一回で(それも調味料なしで!)