鈴木俊貴のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読みたい読みたいと思いつつも積読していた本。ようやく読めた。なんかもう、鈴木先生の動物、シジュウカラへの愛が溢れまくってる本だ。
私は外国語の勉強が好きなので、その流れで「ゆる言語学ラジオ」を見ていたら鈴木先生を招待してシジュウカラ語の話をしていた。だから言葉つながりでこの本を買ったのだけど、今すぐに外に出てシジュウカラの鳴き声を聴きたくなった。
巻末のQRコードでタカを見つけた時の声とか、数種類の意味のある声を視聴できるのだけど、どれもなんだか聞いたことあるような声ばかり。あー、これを理解して街中でシジュウカラの声を理解できたら、さぞかし楽しいだろうなぁ、と想像した。
英語が分かれば、ドイツ -
Posted by ブクログ
何だかすごくあっさりと書いているけど、スゴいことをしている人だよ、筆者は。「動物言語学」なるものの「提唱者」になっちゃったのだもの。
こういう実験をしたらこういう結果になって、論文書いたら雑誌に掲載されました、ってホントにあっさり書いてる。でも、『バッタを倒しにアフリカへ』や、あるいは彬子女王の『赤と青のガウン』を読むとそれがどんなに大変なことなのか、窺うことが出来る。
そして、国際的に評価される論文も書けるけど、一般の私たちに向けても分かりやすい文章が書ける。それが何より素晴らしい!
でも、変な人でもあるよ、きっと。3食白米だけでひと月暮らせて、キャベツひと玉を一回で(それも調味料なしで!) -
Posted by ブクログ
文句なしの星5。ゴリラ研究者の山極先生との対談の本を少し前に読んでいたのだが、鳥はあんまり興味ないしなぁと本書の存在は知っていたが、手に取っていなかった。今回時間ができたので読んでみたが、なぜもっと早く読まなかったのか後悔している。面白すぎて一気読み。シジュウカラというかそもそも鳥にそこまで興味はないが、人間以外の動物が言語を持っていることをここまで鮮やかに解き明かされることがこれほど面白く知的好奇心を刺激されるとは思わなかった。わたしも井の中の蛙だったのだろうか。
この本には、鈴木先生がどのようにしてシジュウカラの言語を研究しようと思ったか、どのように研究を進めていったのかが、興味深く面白い -
Posted by ブクログ
鳥にもそれなりの言語はあるだろうと思っていたのだけど、この本では自分の想像以上の世界が待っていた!
ヘビやタカなどを表すだけではなく、仲間に警戒を促すなどの明らかに言葉で意思疎通していることに、かなり驚いた。
文法もあるし、さらにジェスチャーまでも!
言語は人間だけのものではない!
この発見には、もともと言語学を専攻していた身としても、すごい発見だと驚嘆させられた。
もちろん、人間のように過去や未来のことを話すまでの言語は確認されていないのだが、それでも、ただ情感を表すだけ、みたいには思えない。
他の群生と餌を共有したり、雛のことを心配したり、コミュニティを守るために鳥の言葉が使われている。 -
Posted by ブクログ
下手な啓発本よりよっぽど人生観が変わると思う一冊だった。人間が最も高度な動物だ、と思い込み自然を支配しようとする、井の中の蛙と化した人間。おそろい。
この世界はたくさんの生物が共存しており、それぞれのいきものには得意なことも苦手なこともあってなんでも人間が一番だ、などと思うことは恥ずべきである。
著者のシジュウカラ愛には驚愕した。彼らを理解したい、彼らの言葉をなんとか証明したい、と諦めずに方法を考え、試行錯誤を繰り返し、地道にデータを集め、身近な生き物を世界に発表してしまうとは、本当にすごい!生きるため言葉を使う、それも種類を超えて理解し合う「鳥リンガル。」鳥を見る目が変わる。知らないことだら