楊双子のレビュー一覧

  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    日本統治下の台湾を舞台に、日本人作家と台湾人通訳の女性二人が鉄道で旅をする物語。

    台湾各地の料理が次々に登場するグルメ小説であり、鉄道小説であり、女性二人の友情、あるいは友情だけでは言い切れない感情を描いた物語でもある。しかし読み進めるうちに、その背後にある「統治する側」と「統治される側」の埋めがたい距離が見えてくる。

    同じ列車に乗り、同じ景色を眺め、同じものを食べることで二人の距離は近づいていく。それでも二人がまったく同じ場所に立つことはできない。

    いくつもの読み方が重なり合う、重層的な歴史創作小説。台湾料理を楽しみながら読み始め、最後には植民地支配とは何だったのかを考えさせられた。

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    2026年09月27日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    魅力的な台湾飯の数々
    いますぐにでもこの本持って台湾に行って片っ端から
    台湾飯を食べてみたい

    台湾の地元料理の小説ではなく
    二人の女性の物語
    歴史と鉄道も絡みあうストーリー

    ああ、そういう話でしょって単純に考えた自分は傲慢だ
    自分の中の世界でしか物事を見ることができてなかった
    そんな単純な話じゃないんだよこの小説は
    相手の立場に立って考えることの難しさを再認識
    頭ではわかっていてもその人の立場にたつなんてすぐにはできない
    時間かけても上っ面だけ
    心にがつんとくる衝撃や本音を心えぐられながらも知ることで
    やっとその人の考え方や立場を知ることができるのだろう

    言わないとわからない
    国が違えば立場もちがうのなんて当たり前なのに
    頭で考えてるだけだからそりゃ理解できない


    百合小説っていうんですね

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    2026年09月21日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    昨年台湾に行った時に、楊双子さんの「四維街一号に暮らす五人」を読み、大変面白かったので帰国後こちらも購入。
    前半は台湾の食べ物が次から次へと。
    この時代に女性が一人で台湾に1年も滞在することができたのかなぁという疑問を抱きつつ読んでいたら、モデルがいたのですね。その件はあとがきに書いてあります。
    楽しく読み進めていたけれど、徐々に雲行きが怪しくなり、千鶴との関係がうまくまわらなくなってくる。私は千鶴子と同じくのんきになんでかなーと思いつつ読んでいたけれど、美島とのくだりでガツンとくらいました。
    そんなの立場を変えてみれば考えるまでもないことなのにね。
    北海道の北の北出身の私は、台湾を日本、日本をソ連に置き換えて、想像してみました。北海道にロシア人がたくさん住み、各地にたまねぎ屋根の正教会がある光景を。それをロシアの旅人が、ロシアのおかげでこんなすてきな教会ができたと言っているところを。
    北海道にいらないよね。私たちの宗教じゃないもの。

    傲慢になっていないか、常に自分の言動を自分でチェックしなければと気付かされました。

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    2026年09月20日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    主人公のふたりを通して、支配する側とされる側の不平等、当たり前と思うことの怖さについて考えさせられた。作者が日本人ではないと分かっていながらも、日本人が書いているように感じられ、不思議な気持ちになった。作中のあとがきでなるほどと思わされ、最後の最後まで楽しめた一冊。
    美味しそうな物がたくさん登場するのも魅力的で、台湾に行きたくなった。

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    2026年09月12日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    千鶴子と千鶴の関係性を拡大解釈すると、友好的な台湾との関係について、日本側から観ている台湾と、台湾側から観た日本とでは、微妙なズレがある事にも気付かされた。
    日本は50年もの間、植民地として台湾を占領していたという事を忘れてはいけないし、日本が建築した建物や水路などが現在まで活躍して使用されてる事を、台湾の方達はどのように感じているのか?日本人の技術の誇りのように感じがちだけど、それは傲慢かも、と感じさせられた。
    千鶴が最後に涙を浮かべて向き合うシーンで千鶴の心情に感情移入して号泣。
    理解し合うことは難しいけど、それでも友達でいることの尊さを感じた。
    また、素直に心を開いて話す事の一方的な過ちは、普段してないかな?と省みたりもした。

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    2026年09月04日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    人間の空腹感を刺激するような、官能的な食べ物の描写が印象的。
    台湾に行ったことはないが、目の前に情景が浮かぶようだった。
    青山千鶴が王千鶴を大切に思い、言葉を尽くせば尽くすほど、心が離れていく。
    青山千鶴と同じように、自分も追いつめられる気持ちになりながら読み進めた。

    原作の良さもあるが、三浦さんの翻訳によって、より作品が魅力的なものになっている。それだけ丁寧で、台湾へのリスペクトが感じられる文章だった。

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    2026年09月03日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    台湾料理が食べたくなること、間違いなし!
    とにかく、これでもかというほど台湾料理が出てくる。台湾料理は全然食べたことがないので味や見た目は想像するしかないのだけど、めちゃくちゃそそられる。
    行ったことないけど、最初から最後まで千鶴子たちと台湾を旅している気分になれる物語。

    侵略する側とされる側の友情もテーマの一つ。
    立場が真逆でも友だちになれるのか。

    『独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはない』
    強い言葉、でも本質をついている。

    台湾人作家が日本人作家の視点から書いているのが興味深い。こうも日本人の身勝手さを生々しく書けるものなのか。日本人ですら気づかない日本人らしさ。
    逆に日本人ではないから、日本人の盲点を描くことができたのかもしれないな。

    主人公の青山千鶴子が実在するような感覚になるのも面白い。

    著者の作品を読むのは初めてだったけど、もっと読んでみたい。

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    2026年09月01日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    日本統治下の台湾に講演旅行に招かれた日本人女性作家と、台湾人通訳の女性との交流を描いた作品。
    とにかく、台湾の美味しそうな食べものがでてくるでてくる!ページをめくる度にこの食べものはどんな味なんだろうと想像が膨らみます。
    うっかり戦時下なのにグルメ小説?と騙されそうになるのですが、一方で統治する側とされる側の微妙な関係もしっかり描かれているのが凄い。
    日本人として、自分を振り返る機会として、読んで良かったと感じました。

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    2026年08月30日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    1938年、日本統治下の台湾。日本人作家の青山千鶴子と、台湾人通訳の王千鶴が鉄道で各地を巡る。

    失われてしまった台湾の美しい風景、おいしそうな料理、そして二人の友情。そんな楽しい旅行記なのかな?と思って読み始めたら、それだけではなかった。

    統治する側と、統治される側。千鶴子は、植民地に対する帝国の偏見も、女性に対する男性の偏見も批判してきたつもりだった。だからこそ、自分はわかっている側だと思っていたのだろう。
    けれど、ふとした言葉からこぼれ落ちる、自分でも気づいていない傲慢さや偏見。人と話していて、何気ない一言から、この人は本当はこう思っていたんだと気づく瞬間がある。あの感じが、読んでいて胸に刺さった。

    「この世界で独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません。」この言葉は通訳の千鶴の言葉ではないけれども、当時の台湾の人々の思いを代弁しているかのようで、とても印象に残る。

    千鶴子はやがて、自分が台湾の本来の姿を記録したつもりで書いたものも結局は内地から来た旅行者として上っ面を眺め、書き散らした「台湾漫遊録」にすぎなかったのではないかと思い至る。

    でも、そんな彼女をひどい人だと簡単に切り捨てる気にもなれない。1938年の日本人だったら、私だって同じようなことを言っていたかもしれない。

    美しい景色と美食にわくわくしながら読んでいると、途中でトゲが刺さってくるようなお話。
    あとがきまでしっかり楽しめる作品なので、あまり前提知識を持たず、読み進めるのが良いと思います。他の作品も読みたい!

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    2026年08月28日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    台中に行きたい。
    今は日本ではない独立した台湾という国で、しかも多民族な社会で、断片的な日本のアイデンティティが残ってるのが不思議。あとがきまで味わい尽くす。

    楊双子さんのWikipediaを読んだ、ガンで亡くなったお姉さんが安修賢に重なって、自身の無念が安修儀に投影されているのかと思った

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    2026年08月26日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」という言葉を美島から直接聞くことになる程に盲目的である自分に気づけなかったことへの千鶴子の思索に耽るさまがとても印象的だった。

    そこから、千鶴子が偏見をわかった気になっていても自分も偏見を持っている側であることに気づく瞬間は痛く共感した。

    また、「対等」についても考えさせられた。
    立場上、上の者は下の者のことを考えなくとも快適に過ごすことができるが、下の者は上の者のことを考えなければ過ごしづらいといった支配と従属の関係性が一要素として自然に描かれていたように思う。そうした上下関係が前提にあるからこそ、友達かどうか問う千鶴子の傲慢さが強調されていたように感じた。

    相手を親切心から気遣っていても、その相手が望まないことを押し付けるようなことをすればエゴになりかねない。善意であろうと、まずは相手の意思を聞いて尊重することが大切であると感じる。

    美食を巡る台湾の旅が楽しかった。

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    2026年07月23日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    本屋さんでパッと見た瞬間にその界隈で玄人の私にはわかりました。これは”百合”だと。これは読まねば!そんな使命感を抱き、最初の数ページをパラパラめくって読んでみたのですが、なんか最初から昭和初期の新聞っぽい一面が。……何言ってるのかさっぱりわからん。これはちょっとまだ私には早いかもわからんね。うんうん。楽しみは後に取っておいてやろう。そっ閉じ。
    というわけで、だいぶ前から気になってたし手元には置いていたものの、ちゃんと読むまで時間が掛かってしまいました。でも最初に抱いた危惧はまったくの杞憂でしたね。なんなら読めない漢字とかあっても文脈でなんとなく理解できるもんよ。これは他の翻訳本にも言えることだね。

    さて、物語はとある人気女性作家が講演会及び旅行記執筆のために、台湾で長期滞在するところから始まります。その過程で通訳を務める現地人女性と知り合い、台湾各地でご当地グルメを楽しみながら交友を深めるというお話。
    これだけ聞くとすごくのんきな物語に思えますけど、実際にそうです。私も読んでいて「こいつら食べものの話しかしてねえな」と感じていたくらいです。
    でもその合間に「あら^~」と読者に思わせる部分もちょこちょこあって、我々紳士の心を手放さない配慮も行き届いてますね。

    しかし、後半になると、宗主国側にいる主人公と植民地側の通訳のメンタリティの違いによるすれ違いが浮き彫りになり、別離を余儀なくされてしまう。私自身もこの軋轢の原因に気づかなかったので、自然と上から目線で見てしまっていたことにハッとさせられた。普段からフラットな目線を心がけてはいるものの、結局独りよがりで偏ったものだったんだなと反省。

    私としては、思い描く理想の結末とはならなかったけど現実を考えれば妥当な着地点だったとは思っています。
    異国人同士がお互いを理解し合い、友情を育むことって本当に難しい。同じ国の人間でだって簡単なことではないんだから。他者を慮る行為が必ずしも相手のことを考えた結果ではないのかもしれないというのを一度立ち止まって考えてみたいと思います。

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    2026年07月20日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    『台湾漫遊鉄道のふたり』は、太平洋戦争前、日本が植民地として統治していた頃の台湾を舞台にした作品です。

    内容は、招待を受けて台湾にやってきた日本人の女性作家「青山 千鶴子」と、彼女を案内する台湾人の女性通訳「王 千鶴」という一字違いの名前の女性2人が、台湾各地を鉄道で旅するという物語です。

    この登場人物の2人の名前が似ているのは、ややこしいですが、これには小説として深い意味があると思われ、考えられるその理由は最後に述べたいと思います。

    内容に戻りますが、日本からやってきた千寿子は、もともと食べることの大好きで、一方、通訳の千鶴は、台湾料理の知識も豊富、料理を作らせても天才的で、2人の旅は台湾グルメの旅となり、小説の中ではたくさんの台湾料理が紹介されます。

    小説は第1章から第12章まで、全部で12の章からなっていますが、それぞれの章にはまるでコース料理のメニューのように、小説に出てくる料理の名前が付けられているほどです。

    鉄道の旅で巡る台湾各地の風景や、数々の台湾料理の紹介と、旅する2人のテンポの良い会話が心地良くて、初めのうちは小説のタイトルそのままに、女性2人の台湾鉄道グルメ旅の小説かと思ってしまいましたが、

    実はこの小説の本当のテーマは別にあって、
    ・日本の台湾に対する植民地政策、
    ・男性から女性への抑圧、
     (日本人男性から台湾人女性への抑圧)
    ・植民地化される側の思い、
    ・植民地化によって生じる偏見や差別、
    が描かれていて、

    2人で旅をする中で、日本人の千鶴子はそんな社会状況を批判しつつ、ときには日本人による偏見や差別から台湾人の千鶴を守るような行動に出たりしますが、一方の千鶴は仕事には忠実で表面的には親しく接してくれるものの、「能面を被っているよう」と千鶴子が表現するほど、千鶴はなかなか心の内を明かしてくれません。

    千鶴子は千鶴に友達のような親近感を抱いているのに、複雑な感情のすれ違いが埋まらないまま旅行は続きます。

    ある日ついに千鶴子は、千鶴になぜ心を開いてくれないのかと尋ねますが、「その理由に気づかないことがあなたの盲点です」と言われてしまいます。そしてついに、千鶴は千鶴子の通訳としての仕事を辞退してしまいます。

    思い悩んだ千鶴子は、日本人でありながら台湾の事情に詳しい台湾総督府の職員で、接待役として2人の様子を見ていた男性に、千鶴がなぜそのような態度で接してくるのか尋ねます。

    すると、「先生(小説家の千鶴子のこと)は日本の政策を批判するけれど、自分の好きなものに対しては日本の功績だと称賛する。それが正しいか正しくないかではなく、個人的に好きか嫌いかで考えているにすぎない。この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」と言われて、千鶴子は言葉を失ってしまいます。

    「独りよがりな善意ほど、はた迷惑なことはない」

    この言葉は、世間の偏見や差別を批判しながら、自分の心に潜む傲慢や偏見に気づいていなかったことに初めて気づかされた、真正面から胸を突かれるような言葉でした。

    千寿子が日本に帰る日が近づいてきますが、千鶴子と千鶴の関係は果たしてどうなるのか。お互いに深く傷ついたまま、2人の溝は埋まらないまま、千鶴子は帰国の途につくのか、あるいは残りの僅かな日数で和解できるのか。結果は小説の最後に描かれています。

    さて、この登場人物である2人の女性が、あえて似た名前で設定されている理由ですが、

    一方は「日本人で支配する側」、もう一方は「台湾人で支配される側」という立場の違いがあり、名前が一字違いで似てはいても、それとは正反対に、2人の間には大きな心理的な壁や社会的立場の距離があることを、あえて似た名前にして、「対等であるはずなのに、植民地支配によって対等になれない」という関係を象徴して描いているのだと思いました。

    読み終えて、さすが、英語に翻訳された優れた文学作品とその翻訳者を称える世界的に最も権威ある文学賞、2026年の「国際ブッカー賞」を受賞しただけの価値がある一冊だと思いました。

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    2026年07月19日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    なんだか生きている小説、命が吹き込まれていると言ったらいいのか、とにかく素晴らしい作品に出会えたと思える一冊だった。美食と2人の女性の話と気軽に読めると思って手にとったが、深く考えさせられる作りになっていてすっかりもっていかれた。

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    2026年07月15日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    『四維街一号に住む五人』は『台湾漫遊鉄道のふたり』で国際ブッカー賞を受賞した楊双子さんの小説。

    日本風古民家シェアハウスに住む五人の女性の物語。

    四維街一号は台中に実在する日式建築。「日式」とは日本風のこと。戦前、日本が台湾を統治していた時代に建てられた建物です。

    だから畳や雨戸があり、住人たちは靴を脱いで生活しています。

    この小説、とにかく美味しそうな台湾料理がたくさん登場します。

    「蛤仔鶏湯(ハマグリと鶏肉のスープ)」、「獅子頭(大きな肉団子)鍋」古いレシピ本の「芋泥(タロイモのスイーツ)」、生焼雞。

    台湾では季節や体調にあわせた薬膳料理がポピュラーで、焼酒鶏(薬膳スープ)もそのひとつ。寒くなると補冬(冬に備えて栄養補給する)焼酒鶏には漢方薬材が使われています。

    ああ、食べてみたい…。

    そして、引っ込み思案の乃云が古い台湾料理本を見つけ、そのレシピを作ることで物語が進んでいきます。

    古い台湾料理本は、日本語混じりの台湾語で書かれている(現在の公用語は北京語)ので、解読が大変。

    でも、それを翻訳しながら苦労して作る料理は、きっと楽しくて美味しいんでしょうね。

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    2026年06月07日
  • オールド台中食べ歩き 歴史小説家が案内する老舗屋台の味

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    台中グルメに対する筆者の熱量がすごかったです!
    長崎カステラの本店について架空のレスバトルを繰り広げたり、魯肉飯が一番美味しい店についてSNSで争いの火種を生んだり、なかなかグルメ過激派なところもありましたが笑、その熱意で紹介される台中グルメはどれも美味しそうでした。
    揚げ小豆饅頭は10個、カステラは一本、などかなりの食いしん坊ぶりも面白くて可愛らしいです笑
    台湾に行ったときは、ガイドの人の言葉もあって屋台食は少し敬遠していたのですが、こうして改めてみてみると勿体なかったなー……。また行きたい。
    読んでいるとお腹が空いてくる本です。

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    2026年04月15日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    台湾百合控えめに言って最高だった、、、。大家さん含めて一人ひとりの事情を鑑みると、なんて美しくも儚いシェアハウスなんだろうと思う。四維街一号の家造りも、自分が想像しているもの以上に美しい建物なんだろうな。台湾に行ってもう一度読み直したい。台湾料理もすぐ()書きで日本人に分かりやすいように説明が書き加えられているから、想像力を掻き立てられた、訳もとっても良かった。。読みやすい中でも、核心を付くようなセリフがあるから、余計夢中になって読んでしまった。

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    2026年04月14日
  • オールド台中食べ歩き 歴史小説家が案内する老舗屋台の味

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    台中で生まれ育ち、台中を愛する著者が悩みに悩んだグルメベスト20。

    合作街大麺羹 煮込み麺 黄色い幅広麺を鉄鍋に投入してとろみがつくまで茹でる。10人中8-9人が困惑の顔になる一品。

    異香斎 台湾伝統菓子 餅米を使ったお菓子から小麦粉のお菓子まで数多く取り揃えている。

    天天饅頭 サクサク甘い揚げ小豆饅頭 日本式の饅頭なので餡が入っている。グルメを語る際、重要なのはカロリーではなく覚悟。

    坂神本舗長崎蛋 長崎カステラ 常温保存すべし。日本統治時代に入ってきたもの。

    陳家牛乳大王 パパイヤミルクとトーストの軽食セット。

    阿斗伯冷凍芋 滑らかで甘くしっとりした冷凍芋。昔は冷蔵を冷凍と表現した。

    翁記泡沫広場 おつまみとドリンクの店。

    胖子雉丁 フライドチキン ささみは鶏胸肉の希少部位。

    一中商圏瓜麺 黒酢醤油味の麺。ほぼ具のない素麺。やけどに注意して熱いうちに食べます。

    偈亭泡菜鍋 キムチ鍋。手作り一人鍋。

    一中豊仁すい かき氷

    日日利海盗飯糯 卵とポークの糯米おにぎり

    李海ルーロー飯

    正苑茗茶懐蓋びん包 アルミパック飲料のお茶

    科博館水煎包 チリソースで食べる焼肉マン。

    向上市場無名雉蛋糯 ベビーカステラ

    阿里郎迷你火鍋 石鍋料理 一年中美味しくいただける。予約は受け付けていない。

    松ご拉仔麺 台中焼きそばと呼ばれる和え麺

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    2026年04月06日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    一つの言葉では表せない人間模様の複雑さ及びクソデカ感情が好きな人に超おすすめ。5人の入居者それぞれの一人称視点から構成されていて、新入り視点から始まるので読者もすんなり四維街一号に馴染むことができる。作中には台湾料理の丁寧な描写がかなり多く興味&食欲をそそられるし、台湾の民族構成や歴史の話が深く関わるので、知識を増やしてから再読するとまた新たな発見が多いと思う。

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    2026年02月17日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    とてもよかった。

    堂々たる四十路のおっさんである手前、百合な部分はどうぞどうぞご自由にということで、繊細な恋愛の機微も、友情の萌芽も、そんなものなんですねと受け止めつつ、、、
    五人全員が魅力的なキャラクターだったが、それぞれがしっかりと、学問に身を置いた経験があるからこそ滲む、知性のようなものが見え隠れしてて、ただのイマドキな若者たちではない芯のようなものを感じて眩しかった。(全員が学部生ではなく、大学院生、または大学院経験者ってのがいいですよね)
    個人的に、後書きに出てきた雲林科技大に仕事で訪れたことがあり、四人の通う大学って、などと想像したりしつつ、楽しかった。

    きっとこれから、ドラマになったり、漫画になったり色々する気がするな。

    前作の『台湾漫遊…』も読みましたが、
    台湾の歴史や文化(食文化多め!笑)、政治を取り込みながら、何かを全肯定も全否定もしない、しかしながら、物語の背後にある著者のメッセージのようなものは確実に読者に届く、独特のバランスの物語。台湾文学の面白さが凝縮されたような作家だなと思いました。(エラそうにすみません)これからの作品も、できればこの五人の続編も!もっともっと読みたい。

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    2025年11月05日