楊双子のレビュー一覧

  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    千鶴子と千鶴の関係性を拡大解釈すると、友好的な台湾との関係について、日本側から観ている台湾と、台湾側から観た日本とでは、微妙なズレがある事にも気付かされた。
    日本は50年もの間、植民地として台湾を占領していたという事を忘れてはいけないし、日本が建築した建物や水路などが現在まで活躍して使用されてる事を、台湾の方達はどのように感じているのか?日本人の技術の誇りのように感じがちだけど、それは傲慢かも、と感じさせられた。
    千鶴が最後に涙を浮かべて向き合うシーンで千鶴の心情に感情移入して号泣。
    理解し合うことは難しいけど、それでも友達でいることの尊さを感じた。
    また、素直に心を開いて話す事の一方的な過ち

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    2026年09月04日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    人間の空腹感を刺激するような、官能的な食べ物の描写が印象的。
    台湾に行ったことはないが、目の前に情景が浮かぶようだった。
    青山千鶴が王千鶴を大切に思い、言葉を尽くせば尽くすほど、心が離れていく。
    青山千鶴と同じように、自分も追いつめられる気持ちになりながら読み進めた。

    原作の良さもあるが、三浦さんの翻訳によって、より作品が魅力的なものになっている。それだけ丁寧で、台湾へのリスペクトが感じられる文章だった。

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    2026年09月03日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    台湾料理が食べたくなること、間違いなし!
    とにかく、これでもかというほど台湾料理が出てくる。台湾料理は全然食べたことがないので味や見た目は想像するしかないのだけど、めちゃくちゃそそられる。
    行ったことないけど、最初から最後まで千鶴子たちと台湾を旅している気分になれる物語。

    侵略する側とされる側の友情もテーマの一つ。
    立場が真逆でも友だちになれるのか。

    『独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはない』
    強い言葉、でも本質をついている。

    台湾人作家が日本人作家の視点から書いているのが興味深い。こうも日本人の身勝手さを生々しく書けるものなのか。日本人ですら気づかない日本人らしさ。
    逆に日本人では

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    2026年09月01日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    日本統治下の台湾に講演旅行に招かれた日本人女性作家と、台湾人通訳の女性との交流を描いた作品。
    とにかく、台湾の美味しそうな食べものがでてくるでてくる!ページをめくる度にこの食べものはどんな味なんだろうと想像が膨らみます。
    うっかり戦時下なのにグルメ小説?と騙されそうになるのですが、一方で統治する側とされる側の微妙な関係もしっかり描かれているのが凄い。
    日本人として、自分を振り返る機会として、読んで良かったと感じました。

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    2026年08月30日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    1938年、日本統治下の台湾。日本人作家の青山千鶴子と、台湾人通訳の王千鶴が鉄道で各地を巡る。

    失われてしまった台湾の美しい風景、おいしそうな料理、そして二人の友情。そんな楽しい旅行記なのかな?と思って読み始めたら、それだけではなかった。

    統治する側と、統治される側。千鶴子は、植民地に対する帝国の偏見も、女性に対する男性の偏見も批判してきたつもりだった。だからこそ、自分はわかっている側だと思っていたのだろう。
    けれど、ふとした言葉からこぼれ落ちる、自分でも気づいていない傲慢さや偏見。人と話していて、何気ない一言から、この人は本当はこう思っていたんだと気づく瞬間がある。あの感じが、読んでいて

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    2026年08月28日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    台中に行きたい。
    今は日本ではない独立した台湾という国で、しかも多民族な社会で、断片的な日本のアイデンティティが残ってるのが不思議。あとがきまで味わい尽くす。

    楊双子さんのWikipediaを読んだ、ガンで亡くなったお姉さんが安修賢に重なって、自身の無念が安修儀に投影されているのかと思った

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    2026年08月26日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」という言葉を美島から直接聞くことになる程に盲目的である自分に気づけなかったことへの千鶴子の思索に耽るさまがとても印象的だった。

    そこから、千鶴子が偏見をわかった気になっていても自分も偏見を持っている側であることに気づく瞬間は痛く共感した。

    また、「対等」についても考えさせられた。
    立場上、上の者は下の者のことを考えなくとも快適に過ごすことができるが、下の者は上の者のことを考えなければ過ごしづらいといった支配と従属の関係性が一要素として自然に描かれていたように思う。そうした上下関係が前提にあるからこそ、友達かどうか問う千鶴子の

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    2026年07月23日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    本屋さんでパッと見た瞬間にその界隈で玄人の私にはわかりました。これは”百合”だと。これは読まねば!そんな使命感を抱き、最初の数ページをパラパラめくって読んでみたのですが、なんか最初から昭和初期の新聞っぽい一面が。……何言ってるのかさっぱりわからん。これはちょっとまだ私には早いかもわからんね。うんうん。楽しみは後に取っておいてやろう。そっ閉じ。
    というわけで、だいぶ前から気になってたし手元には置いていたものの、ちゃんと読むまで時間が掛かってしまいました。でも最初に抱いた危惧はまったくの杞憂でしたね。なんなら読めない漢字とかあっても文脈でなんとなく理解できるもんよ。これは他の翻訳本にも言えることだ

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    2026年07月20日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    『台湾漫遊鉄道のふたり』は、太平洋戦争前、日本が植民地として統治していた頃の台湾を舞台にした作品です。

    内容は、招待を受けて台湾にやってきた日本人の女性作家「青山 千鶴子」と、彼女を案内する台湾人の女性通訳「王 千鶴」という一字違いの名前の女性2人が、台湾各地を鉄道で旅するという物語です。

    この登場人物の2人の名前が似ているのは、ややこしいですが、これには小説として深い意味があると思われ、考えられるその理由は最後に述べたいと思います。

    内容に戻りますが、日本からやってきた千寿子は、もともと食べることの大好きで、一方、通訳の千鶴は、台湾料理の知識も豊富、料理を作らせても天才的で、2人の旅は

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    2026年07月19日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    なんだか生きている小説、命が吹き込まれていると言ったらいいのか、とにかく素晴らしい作品に出会えたと思える一冊だった。美食と2人の女性の話と気軽に読めると思って手にとったが、深く考えさせられる作りになっていてすっかりもっていかれた。

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    2026年07月15日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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     2026年国際ブッカー賞、2024年には全米図書賞を台湾文学として初受賞したと話題になった本作。
     表紙は昭和初期の台湾の駅舎の前で二人の女性がシンメトリーに向き合っている。左手側の背の高い女性が小説の中の日本人作家、青山千鶴子で右側の少し背の低い女性が青山の通訳者だった王千鶴。
     この作品の著者が台湾人、楊双子。「ふたり」とつく書名に著者が「双子」ってちょっとシャレのようだが、シャレではなくもともと双子の妹と共同で仕事をしていた楊若慈が妹亡き後も「二人で共同で創作している」という意味で「双子」というペンネームにしているそうだ。
     小説内では日本人小説家と台湾人通訳(で翻訳家志望の)の二人の

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    2026年07月12日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    『四維街一号に住む五人』は『台湾漫遊鉄道のふたり』で国際ブッカー賞を受賞した楊双子さんの小説。

    日本風古民家シェアハウスに住む五人の女性の物語。

    四維街一号は台中に実在する日式建築。「日式」とは日本風のこと。戦前、日本が台湾を統治していた時代に建てられた建物です。

    だから畳や雨戸があり、住人たちは靴を脱いで生活しています。

    この小説、とにかく美味しそうな台湾料理がたくさん登場します。

    「蛤仔鶏湯(ハマグリと鶏肉のスープ)」、「獅子頭(大きな肉団子)鍋」古いレシピ本の「芋泥(タロイモのスイーツ)」、生焼雞。

    台湾では季節や体調にあわせた薬膳料理がポピュラーで、焼酒鶏(薬膳スープ)もそ

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    2026年06月07日
  • オールド台中食べ歩き 歴史小説家が案内する老舗屋台の味

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    台中グルメに対する筆者の熱量がすごかったです!
    長崎カステラの本店について架空のレスバトルを繰り広げたり、魯肉飯が一番美味しい店についてSNSで争いの火種を生んだり、なかなかグルメ過激派なところもありましたが笑、その熱意で紹介される台中グルメはどれも美味しそうでした。
    揚げ小豆饅頭は10個、カステラは一本、などかなりの食いしん坊ぶりも面白くて可愛らしいです笑
    台湾に行ったときは、ガイドの人の言葉もあって屋台食は少し敬遠していたのですが、こうして改めてみてみると勿体なかったなー……。また行きたい。
    読んでいるとお腹が空いてくる本です。

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    2026年04月15日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    台湾百合控えめに言って最高だった、、、。大家さん含めて一人ひとりの事情を鑑みると、なんて美しくも儚いシェアハウスなんだろうと思う。四維街一号の家造りも、自分が想像しているもの以上に美しい建物なんだろうな。台湾に行ってもう一度読み直したい。台湾料理もすぐ()書きで日本人に分かりやすいように説明が書き加えられているから、想像力を掻き立てられた、訳もとっても良かった。。読みやすい中でも、核心を付くようなセリフがあるから、余計夢中になって読んでしまった。

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    2026年04月14日
  • オールド台中食べ歩き 歴史小説家が案内する老舗屋台の味

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    台中で生まれ育ち、台中を愛する著者が悩みに悩んだグルメベスト20。

    合作街大麺羹 煮込み麺 黄色い幅広麺を鉄鍋に投入してとろみがつくまで茹でる。10人中8-9人が困惑の顔になる一品。

    異香斎 台湾伝統菓子 餅米を使ったお菓子から小麦粉のお菓子まで数多く取り揃えている。

    天天饅頭 サクサク甘い揚げ小豆饅頭 日本式の饅頭なので餡が入っている。グルメを語る際、重要なのはカロリーではなく覚悟。

    坂神本舗長崎蛋 長崎カステラ 常温保存すべし。日本統治時代に入ってきたもの。

    陳家牛乳大王 パパイヤミルクとトーストの軽食セット。

    阿斗伯冷凍芋 滑らかで甘くしっとりした冷凍芋。昔は冷蔵を冷凍と表現

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    2026年04月06日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    一つの言葉では表せない人間模様の複雑さ及びクソデカ感情が好きな人に超おすすめ。5人の入居者それぞれの一人称視点から構成されていて、新入り視点から始まるので読者もすんなり四維街一号に馴染むことができる。作中には台湾料理の丁寧な描写がかなり多く興味&食欲をそそられるし、台湾の民族構成や歴史の話が深く関わるので、知識を増やしてから再読するとまた新たな発見が多いと思う。

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    2026年02月17日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    とてもよかった。

    堂々たる四十路のおっさんである手前、百合な部分はどうぞどうぞご自由にということで、繊細な恋愛の機微も、友情の萌芽も、そんなものなんですねと受け止めつつ、、、
    五人全員が魅力的なキャラクターだったが、それぞれがしっかりと、学問に身を置いた経験があるからこそ滲む、知性のようなものが見え隠れしてて、ただのイマドキな若者たちではない芯のようなものを感じて眩しかった。(全員が学部生ではなく、大学院生、または大学院経験者ってのがいいですよね)
    個人的に、後書きに出てきた雲林科技大に仕事で訪れたことがあり、四人の通う大学って、などと想像したりしつつ、楽しかった。

    きっとこれから、ドラマ

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    2025年11月05日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    漢方を普段から取り入れてたり(蟹は冷えるから酒蒸しにして温めたとか)、漢詩を諳んじたりしててすごすぎる 教養…!
    でも日本のアニメの話もしたり


    ほっこりするけどそれだけじゃなく複雑なところもあって、台湾の歴史のほうも本読まなきゃなって思った

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    2025年10月10日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    台湾漫遊鉄道のふたりぶりの楊双子先生の作品でした。台湾の歴史、食事、そして百合。古いシェアハウスで暮らす5人の連作短編集のような形態で、出自も性格も違う女性たちが描かれています。現実の時勢と重なる部分もあり、大変面白かったです。

    #エモい #感動する

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    2025年09月24日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    鉄道旅行、美食、百合をキーワードにした少女たちの物語。
    日本の植民地化にある台湾を舞台に、日本人の女流作家千鶴子と台湾人の千鶴が関係を深めていきます。
    台湾の美食、美しい景観はもちろんですが、二人の関係が最も美しいです。支配者、被支配者の関係であるのにもかかわらず、対等だと無神経な発言を繰り返す千鶴子と、柔らかな笑顔の下に頑固で冷ややかな心を隠す千鶴の対照が面白かったです。友達以上の関係性が特別で切なく思いました。
    小説内小説では日本も台湾も変わらず封建的な社会で女性の権利が抑圧されていますが、小説内後書き(後世)では女性の社会進出が進んでいることが表現されていて印象的でした。

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    2023年05月24日