楊双子のレビュー一覧

  • 四維街一号に暮らす五人

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    台湾の台中にある古い日本式家屋で暮らす女性5人。独特な建物の中で暮らす5人の個性がぶつかり合って日々の生活の様子がとても面白い。台湾の過去、現在、そしてこれからについても思いを馳せられる本。台湾ならではの文化や食べ物の描写も素敵。

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    2025年11月27日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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     前半部分は少しでも土地勘や台湾料理の知識があった方が読みやすく面白いと思う。
     食べ物も美味しそうだし、暮らすように旅するのはやはりいいなとお気楽気分でいたら後半はまるでイヤミスのよう。そんな結末がとても好き。自戒を込めて。
    後半からとても良かったので★1つ増えた。

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    2025年11月24日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    うーんとてもよかった。
    食べ物がモチーフになる小説はいくつかあるけれど、その全てが未知の料理であるのに、全て魅力的に写った。
    登場人物のやり取りには可愛らしいものもあり、所々で気になるところがあり、それが最後に明らかとなった時には、歴史や文化について考えさせられることになった。
    あとがきを読んでわかる、この本に込められたコンセプトも、今の立場からすると面白い。
    もう一度読みたい、台湾行きたい、となった。

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    2025年11月13日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    日本人の作家と、台湾人の通訳が出会って
    仕事を通して仲良くなっていく話。
    戦前の話で国単位で言えば
    支配する側、される側という微妙な関係。

    2024年翻訳大賞受賞。
    池澤春菜さんおすすめのこの本。
    ここ数年は、日本を取り巻く外交環境が慌ただしい動きをしていることもあり、
    日本人としての価値観をアップデートしたいなと思って手に取りました。

    主人公の2人に、どんな人生が待っていたのか、
    想像を巡らすような仕掛けもあり、
    好きな読後感でした。

    たくさんの料理が出てきますが、
    知識が無さ過ぎて具体的に想像できなかった私が残念でした。

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    2025年11月07日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    ネタバレ

    知衣と小鳳は良い百合
    「台湾の少年」を読んだところだったので、外省人の家系は政権交代に対してああいう反応になることもあるのかと驚いてしまった。

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    2025年11月03日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    台湾台中市の路地"四維街一号"に佇む日式建築。台湾が日本帝国統治下にあった昔に建てられたこの建物には、今、大家の"安修儀"とともに近くの国立大の女子大学院生4人が住む。一階一〇一号室には、クールで浮世離れしたBL作家の"郭知衣"。一○二号室には、お嬢様育ちでありながら異性同性問わず複数のセックスフレンドを持つ奔放な"虞小鳳"。二階二○一号室は、貧しい身の上のためお金が無いことを気にするプライドの高い"徐家樺"。そして、二○二号室に、シャイで人付き合いの苦手な"瀟乃云"

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    2025年10月25日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    日本が台湾を統治していた頃の話。
    日本人作家と台湾人通訳との交流と台湾の食文化。
    楽しく食事をしながら、台湾文化に触れ、差別に怒り、学ぶ。
    軽妙な文章に楽しく引き込まれる。
    台湾の料理やお菓子など食べ、いろいろな場所に行きたくなった。

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    2025年10月24日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    異国情緒ある表紙絵がステキです。

    1939年台湾にて、作家青山千鶴子と通訳の王千鶴は出会います。2人とも鉄道での講演旅行で、食べるわ食べるわ。台湾グルメ満載!肩のこらない親しみやすい文章で、セリフが多くどんどん読めてしまいます。ここが作家さんの狙いなんだろうなあ。

    千鶴子さん、千鶴さんと仕事の関係性を超えて本当のお友達になりたいがために、グイグイ質問攻め。さらりとかわす千鶴さん。おもしろい。

    食べるときもグイグイいくし、質問もグイグイの千鶴子さん。だから、読者の私も千鶴さんの境遇、当時の台湾の様子が分かるのですが。

    中盤ぐらいから、このままいってこの2人、大丈夫?と思ってしまいました。

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    2025年10月05日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    無邪気に台湾を旅する千鶴子に、先日、台湾旅行を気軽に楽しんだ自分が重なって、いたたまれない気持ちになった。

    なんとなく日本では、台湾とえいば「親日」というイメージが共有されているけど、統治下にある当時〜現代に至るまで、決して単純なものではなくて、複雑な日本への想い、故郷への想い、を持ち続けていることに気づかされた。
    「好き」であると語るなら、上辺だけでなくちゃんとその土地の歴史を学ばないとなと痛感した次第。

    千鶴は教養もあり語学も堪能で、ちゃんと自分で自分を守れる人。それにも関わらず、無意識に庇護の対象として扱う千鶴子。これこそが一見して分かりづらいけど、差別のひとつの形なんだろうな。

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    2025年09月22日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    4人の入居者について楽しみながら読んで、大家さんのとこで、あっ、こんなのが最後に来るんだ、と。台湾への飛行機の中で読んで思いがけずも涙があふれた。
    台湾のこと知りたいと思うと、どうしたって戦争や中国について知らなければ理解が深まらないだろう。
    興味を外へも伸ばしていきたい。

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    2025年10月14日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    同時期に読んだダガー賞受賞作のシスターフッドものがあまりにピンと来なかったことも影響しているのか、翻って、本作はものすごく良かった。ヤクザの世界を通して男性性をことさら強く意識付け、メインキャストの性を相対化させる件の作を評価した英国ミステリー界を全く理解できない我が身としては、多様性を一個性として認めながら人間同士の魂の交流、成長のあゆみをつぶさに描き出す本作、大衆百合文学こそを激推ししたい。メシもうまそうだし言うことない。肝はやはり「舞台裏」。政治的に無気力な自分は本作者のような熱量を物語にこめることは、不可能、なのだろうか。自らのアイデンティティを見つめ続ける姿勢に何よりの敬意を覚えた。

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    2025年09月07日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    「台湾漫遊鉄道のふたり」が面白かったので、絶対読もうと思っていた本。楊双子さんの本はとにかく読みやすくていちいち会話が面白いし、美味しそうなものが沢山出てくるので、読んでいて楽しい!そして食の大事さが伝わってくる。台湾初心者だけど、歴史についてもちゃんと要約されているので迷子にならない。今も5人がわちゃわちゃご飯についてお話ししてそう。

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    2025年09月06日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    g-mapで見たら建物ありますね。
    1996年に大陸からミサイルが飛んできて、2000年には民進党に政権交代した。この間も当地に住んでいて台湾の大きな変化を肌で感じていた。

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    2025年08月25日
  • 四維街一号に暮らす五人

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    ネタバレ

     なんとなく『海街diary』を思い出した。(ただしこちらの5人はまったくの他人であるが)ただ、なんとなく。
     自分は何者なのか?(エスニック・グループであったり性的志向であったり……)が、シェアハウスの店子4人と大家、それぞれの(時間的なズレはあるものの)意識の表面に(自然と、あるいは他からの刺激によって)顕れてくる。登場人物全員が女性なので「百合もの」の色合いは帯びるものの、それがテーマではない。
     登場人物ごとに章を割いて描いていくが、人数が多いせいか、『台湾漫遊鉄道のふたり』ほどの彫り込みには至っていない印象。
     作中にでてくる1914年出版のレシピ本、実在するそうなので(解説文)、翻

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    2025年08月09日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    物語の舞台は1938〜39年にかけての台湾

    日本人作家・青山千鶴子と台湾人通訳・王千鶴の
    二人が、台湾中を鉄道で巡り、美食を堪能する。

    この二人、特に青山は〝大食いの妖怪〟
    と表現されているだけあって、まぁよく食べること!
    日本人向けに味付けされたものには興味がなく、あくまでも現地、本島人が食べているものと同じ食事を好む。
    行く先々で登場する魅力的な食べ物たち!
    時には通訳の千鶴が調理する場面もある。

    本当にどれも美味しそうで、食いしん坊の私は序盤こそ画像検索をし、いつか食べたいとメモをとっていた。
    が、あまりにも多すぎてすぐに諦めた(;^ω^)


    私は食にはもちろん興味があるけど、こ

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    2025年07月21日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    1938年の台湾は日本の植民地だった。
    少壮の女性作家、青山千鶴子は講演会旅行を引き受ける代わりに、1年間の在台「台湾漫遊録」を書く計画する。通訳兼秘書として、王千鶴という二十歳にも満たない優秀な少女も就いた。作者命名「百合小説」が、開幕する。

    私には、友情以上恋愛未満の「相棒小説」に思えたが、そこは深掘りしない。主には、私が過去2回台湾周遊旅をした時のことを思い出し、新たな旅のヒントをたくさん貰ったことのアレコレを書きたいと思う。

    千鶴子の住み家は、台中の川端町ということになっている。駅から西へ、現在土産物屋で有名な宮原眼科を少し歩いた辺りのようだ。此処を拠点にして、台湾から甲子園出場を

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    2025年07月16日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    前半は台湾料理ばかりであまり進まなかった。

    植民地にする側とされる側、千鶴子にはそんな認識なかったのかもしれないけど、それでも底の底の根っこにはそんな意識があって、知らず知らずのうちに平等であるべき立場に上下ができてしまっていたんだな。
    この時代は現在とは違うけれど、それでも千鶴子のような言動は私自身無意識のうちに取ってしまっていることがあるかもしれない。傲慢だ。

    恥ずかしながら台湾が日本の植民地だった時代の出来事や詳細は知らなかったけれど、植民地にされた土地は、その土地の伝統ある文化や遺物や考えが淘汰される、それが支配されることなんだなと考えた。

    最後の構成が素敵だった。まるで青山千鶴

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    2025年06月23日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    食通なので読んでいてすごく楽しいが、主人公はまさに食いしん坊万歳の世界で様々な料理が巧みな描写で見事に平らげるさまが描かれる。日本統治時代も晩年の昭和13年頃の文筆家(林芙美子がモデルらしい)と現地の通訳女史が講演会ついでに台湾全土を食で行脚するなかで、2人の会話と培われる友情、そして百合感情の物語。小説は軽い入れ子構造で、二人の関係は統治国(内地)と本島の真の関係も彫り込まれている。特に大きな事件もなく淡々と進むけど穏やかな気持ちになれる良品。翻訳大賞は当然と思った。

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    2025年05月21日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    ネタバレ

    友好の印象が強い台湾。震災のときの多額の寄付・救護支援、ただただ甘受するだけになっていたかもしれません。前半にでてきた千鶴子と千鶴が役割交代して日本巡り旅行記第2弾は、「いいじゃん、楽しそう」って普通に思ってしまいました。相手が望んでいるものと合致してこその御返しですものね。

    『私は思わず立ち上がり、大声で宣言した。「いっしょに台湾を食べ尽くしましょう!」千鶴は驚いた顔をしたが、すぐににっこり笑ってうなずいた。』
    どこから2人がすれ違っちゃったのかなって読み返すけど、もうそれぞれの立場含めて最初からなのかもしれない。でもこの2人じゃないと見れない景色も、食べられない美味しいものも、あったんだ

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    2025年12月06日
  • 台湾漫遊鉄道のふたり

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    第二次世界大戦前の台湾を舞台に、執筆・講演活動中の女性と通訳の現地女性とのやりとり。支配する者とされる者の大きな壁、今まで考えたことがなかった台湾の状況になるほどなーと思った。主人公の女性が大食いで食事の描写も楽しい。

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    2025年11月24日